主人公の松本千秋(堀ちえみ)は、パイロットだった死んだ父の影響を受けてスチュワーデスの採用試験を受けるところから物語は始まる。母と再婚した義父はスチュワーデスになることが気に入らないらしくのちのちまでもめることになる。訓練センターの478期に配属されたが、教官の仕事に不満いっぱいの村沢浩教官(風間杜夫)がそこにはまっていた。「どうしてもスチュワーデスになりたいんです。どんな訓練でも耐えますから、よろしくお願いします。それでも見捨てるなら自殺します。」という千秋の必死の言葉・態度に教官は撃たれて、478期生20人全員をスチュワーデスにしてやろうと決意する。
ジャンボジェット機の見学、ルートインフォメーションの授業と立て続けに千秋は大失敗をする。その夜、教官は音楽で千秋の緊張感を解きほどきながら個人特訓。後日行われた試験で合格する。千秋は、母から、義父が借金をしてしまい、生活が苦しいということを伝えられ、10万円を母に渡そうとするが、義父に見つかり横取りされる。さらに教官には恋人がいることを告げられ千秋はショックを受ける。それでも、教官との待ち合わせのバス停へ向かう。一方、教官は、恋人と思われる女性に軟禁されたも同然の状態だった。教官がその状態から抜け出し、バス停に着いたとき、1時間以上も待たされながら教官を信じて待っていた千秋は、雨でずぶぬれになっていた。教官に千秋は個人特訓のお礼と、教官のためにこれからも頑張る、という手紙を渡して去っていく。
ビューティーレッスンを受けた千秋はすぐ教官のところへ行き感想を聞くとともに、好みのタイプの化粧を教わるのであった。その光景を見ていた教官の恋人と思われる女は、教官が千秋の方へ傾いていっていることを感じ、二人の間を引き裂こうと考えた。恋人の名前は新藤真理子。新藤物産の一人娘。田園調布の屋敷に住む。19の時に国際ピアノコンクールで入賞している女性だ。千秋の母が父とやりあって、死んでやると家を飛び出したと高校の同級生の三郎が来た。三郎は千秋をバイクに乗せしばらく走り、おもむろに止まると、いきなり抱きつこうとする。しかも、3人の不良がからんできた。千秋は、ボートのオールで逆に不良たちをやっつけてしまう。謝る三郎に、村沢教官のところへ連れてってといい、寮に戻った。
新藤真理子が千秋の父に50万円を渡して仕組んだ罠だったのだった。自分の部屋に戻った村沢教官は、新藤真理子から、千秋を襲わせようとしたことを伝えられる。教官は彼女に千秋に手を出すなと言うのが精一杯。新藤真理子の言われるがままに抱きあうのであった。この出来事が大きな不幸をもたらす。レクレーションで海に来た千秋ら訓練生。
千秋は買い物のの途中で、キスを交わしていた村沢教官と新藤真理子を目撃してしまう。ショックを受ける千秋。新藤真理子の家を訪れ。6年間付き合っていて、もうすぐ結婚することを知る完全なダメージをうけた千秋はスチュワーデスをやめると言い、寮を出て家にこもる。教官らの必死の説得に応じて千秋は再び寮に戻る。
次の訓練は救難訓練。飛行中または離着陸時に事故が起こった時に、乗客を誘導し、無事に脱出させるという訓練だ。訓練での千秋は、どうしようもない内容だった。それを見ていた村沢教官は、怒り、千秋を呼びつける。「昨日の授業、お前の態度は何だ。俺がそばにいないと何もできないのか。」「お前は嘘つきだ。スチュワーデスになるのが一生の夢だ?どんなつらいことがあってもついていく?みんな嘘じゃないか」「私は何もできないけど嘘つきではありません。自分の気持ちを分かってくれない千秋は、「教官をひっぱたきたい」と言って、ひっぱたき抱きつく。「今俺をひっぱたいた位の度胸と根性で、救難訓練に体当たりしてみろ。きっとパスできるぞ」と励まされた千秋は、「分かりました。松本千秋、精一杯頑張ります」
その後行われた救難訓練の試験で、千秋は、きちんとこなし見事合格する。婚約者(新藤真理子)がいるのに千秋を好きになっていることをを知った訓練課長は、「二股をかけるのはやめろ。千秋が傷つくのは目に見えている。俺も訓練課長として千秋がかわいいんだ。千秋を傷つけない方法は真理子さんときちんと付き合い、千秋をつっぱねることだ」と言った。千秋もパリへ乗客として乗り込む途中一騒動があり、教官に千秋は見つかってしまう。パリでは、一緒に暮らしてと頼む真理子に、3ヶ月間待ってくれと教官が答える、そんなやりとりが繰り広げられる。そこへ千秋がやってきて、真理子と教官との間に起こった出来事を知ることになる。国際音楽コンクールで入賞した真理子と付き合い始めた村沢と、スキーに行ってその時の事故で、教官のスキーに押しつぶされて両手を失ったこと。真理子のピアニストとしての夢を失わせた教官は、責任を感じて、真理子と結婚し一生をかけて償おうと考えていること。真理子は、俺に本当の愛を求めているが、教官が今愛しているのは、千秋なんだとということ。それを知った千秋は、どうしたらよいのかわからず悩む。
教官は、「一人前のスチュワーデスになるまでの間は俺を思いきり愛し、卒業したら、俺とお前は他人。」と千秋に告げる。
訓練の日々が続き、千秋の思いは募る、どんどん、日々が経過する。教官の特訓が終わったその帰り、千秋は「あと100日、どうやって教官を愛したらいいか分からない。目一杯教官を愛したい」と言うと、教官は千秋の額ににキスをした。千秋は「ありがとう」と答えて抱きついた。それを影から見ていた真理子は、教官と千秋を引き離す工作をしようと決意する。次の日も教官は夜に千秋を呼び、特訓をしていて最後に千秋と教官のキスシーンを千秋の義父が目撃し、教官をクビにしろ。警察に訴えると騒動になった。
訓練課長と教官は千秋の家に出向いて、問いただすと、真理子が義父に金を渡して仕組んだ出来事だと判明。
教官は、翌日千秋に、「お前と俺に残された時間はあと3ヶ月しかない。その残された時間を二人で頑張ろう」と言うと、千秋は「教官と一緒に命がけで頑張ります」ときっぱり答えた。シャンペンサービスの授業は大成功に終わった。
成田フェスティバル(航空会社のレクレーション)があることを知り、その時、教官と踊りたいと千秋は、思っていた。
エアークラフト(飛行機の構造・仕組み)の授業がうまくできた千秋は、教官からほめられて、うれしがる。同時に「テストが1つ終わるたびに教官と別れる日が近づくんですね」しかし、「3ヶ月精一杯俺を愛して、訓練に励め」と言われ、新たに意気込む千秋だった。
寮に戻った千秋は、義父と真理子に会うことになった。父の口から出た言葉は、サラ金の取り立てが家に来て、母はまいっているいうこと。真理子の条件(千秋が訓練所をやめ、教官と別れる)で金を貸すと言っていること。千秋は、断り、母に確かめようと家に帰った。千秋の眼の前には、ガス自殺をしようとしている母がいた。
母を死なせたくないと思い、真理子のところへお金を借りに行った。
千秋は、教官に、「母を死なせたくないから訓練所をやめる」と言い、訓練所を出た。教官は、すぐ千秋の家へ行った。教官は小切手を奪い、真理子の元へ叩き返し、貸してくれと土下座した。「あの小娘のためなら何でもやるってわけ?そんなにかわいいの?」と真理子。そして教官がすぐ訓練所をやめて、真理子と結婚し、さらに真理子の父の会社で働くという条件をつけた。
翌日、教官は千秋に「どうして俺に相談しないんだ。俺が何とかするからお前は安心して訓練に励め」。千秋の義父と母は、「教官から借りた金を返すために青森か北海道かどこか遠いところで出直すことにした。一人前のスチュワーデスになるのよ」と言い、旅立った。
エアークラフトの試験に合格した千秋は、教官から、成田フェスティバルで一緒に踊ろうと誘われた。成田フェスティバル当日のダンスタイムになると真理子が現れ、千秋の前で教官と踊った。
成田フェスティバルが終わった後、教官と二人になった千秋は、教官が訓練所をやめるという条件で真理子から借りたことを知る。「俺はお前をどうしても一人前のスチュワーデスにしたいんだ。こんな条件は平気で破ってやったよ。こんな俺にでもついてくるか」と言われた千秋は、「ついていきます」
海上避難訓練(海中へ不時着した時のための訓練)を受けることになった千秋。
寮に村沢の母が来た。千秋に向かって、「息子を真理子と結婚させ、将来は、新藤商事の社長にさせたい。だから息子の出世の邪魔をしないでほしい」千秋は別れることを約束させられる。
翌日、訓練中、身が入らない千秋は、 溺れてしまう。
その夜、千秋は他の478期生に、溺れた時に何度も人工呼吸)されたことを聞かされるとともに励まされる。風邪をひいているにもかかわらず、水泳の特訓を受ける決意をする。
訓練のおかげで水が恐くなくなった千秋は、試験ではしっかり行動でき、合格するが、その直後倒れた。教官は千秋を医務室に運ぶと、他の478期生から、千秋が村沢の母から別れるように迫られたこと、落ちこぼれると教官に迷惑をかけると思い、風邪をひいているにも関わらず無理して水泳特訓を受けたことを聞かされる。このことを知った教官は、ただただ謝るだけだった。
教官は真理子の家に行き、真理子の父に、新藤商事の社長という地位を利用(村沢の父は新藤商事の社員)して、今回のことをはたらきかけたことを責め、さらに真理子との婚約解消を訴えた。真理子はそれを聞くと、怒り狂い、家の中になる花瓶や置物を床に叩きつけて悔しがった。「私はどんなことがあっても浩と結婚する。これからフランスへ行くのよ」と吐き捨てた。ここで教官は一緒にフランスへ行って、真理子と婚約解消の話をつけようと決意する。
千秋はパリへ行った教官からの手紙を、郵便受けを何度も確認しながら待ちわびていた。そんな時、千秋はランニング中、さやかから、教官からの手紙を受け取った。誰もいないところへ走っていき、じっくり読んだ。(*手紙の全文は最後に)
ファーストエイド(救急看護法)の授業を受けた千秋。傷口の消毒方法、止血方法、骨折、火傷の処置などを習った。
パリに着いた村沢教官は、どうしても別れたくないと言う真理子と会う。「俺は君と結婚して、幸せにしようと考えた。しかし、君は俺を見るたびに、私の両手を奪ったのはこの男だと言って腹を立てる。憎んでののしる。許せない男と一緒になっても荒れるばかりだ。償いだけの結婚、愛のない結婚をしても幸せになれない。別れるべきだ」と言うと、「分かったわ、しかしあと1ヶ月だけ付き合って。6年間付き合ってきて、憎しみ合い、傷つけ合って別れるのは悲しすぎますもの。1ヶ月うんと楽しく別れたいわ」と真理子は頼んだ。
ある日、山梨県から出てきた南洋子という女性が千秋を訪ねてきた。名前を聞いても誰だか分からない千秋だったが、顔を合わせてみると、飛行機内で自殺しようとしていた女性だと分かる。話によると、彼と結婚することになったので、命の恩人として結婚式に出席してほしいとのこと。
結婚式に出席した千秋は、式を見ながら、自分と教官との結婚式を思い浮かべる。
式が終わり、結婚した二人(南洋子と本田まさお)と千秋は車で、ある別荘へ向かった。別荘に着くと、洋子は「外国の映画のシーンでよくあるように、私を抱いて二階まで上がって」とまさおに頼んだ。ためらいながらも従うが、かなり太っている洋子(85kg)を細いまさおが無理してかついだため、階段の上の方で力尽きて転んでしまう。階段の下まで落ちた二人は足に大けがをしてしまう。そこで千秋は、ファーストエイドの授業を思い出し、まさおの骨折、洋子の止血の応急処置を施し、すぐ医者に見せようとする。しかし、そこには電話もなく、近くの別荘に人がいなく、病院も山のふもとまで行かないとないとのこと。そこで千秋は、痛さでついに気を失った洋子をかついでふもとの病院まで運ぶことにした。雪の中で何度も転びながら、教官からのラブレターを見ては勇気づけられながら、ようやく病院までたどりついた。
あとで、このことを知った訓練課長や村沢教官は、千秋を手放しでほめるとともに、ファーストエイドの試験を合格にした。千秋も「教官からもらったラブレターのおかげで頑張れた。ありがとう。」と教官に感謝するのであった。
{手紙の全文}
パリの南フランスのマルセイユに着いた。マルセイユは真理子が好きで住みたいと言っていた街だ。きっと彼女がいる。必ず探し出して、ハッキリと別れを告げるつもりだ。
マルセイユの娘たちは、素朴で明るくて、はにかみやで、お前にそっくりだ。この街は太陽の街と言われるが、今俺の太陽はお前らしい。お前みたいにやぼったい小娘にどうして惹かれるのか、自分でもよく分からないが、多分俺がとっくに失った純粋さを、ひたむきな心をお前が持っているからだろう。スチュワーデスの試験を受けた時も、俺を好きだと言った時も、生まれっぱなしの素直さで、精一杯体当たりしてきた。俺はそんなお前が大好きだ。必ず幸せにするから、将来を楽しみに、毎日の訓練に励んでくれ。
お前は他の訓練生に比べると確かにドジでのろまだ。うさぎとかけっこするカメかもしれない。しかしカメだって休まないで頑張れば、ウサギに勝てるんだ。松本、俺がいなくてもうんと勉強して毎週のテストに突破しろ。分かったか、俺のかわいいカメよ。負けるな。
全文読み終えた千秋は感激し、
「教官、私カメになります。かわいいカメになってどんな訓練でも頑張ります。教官・・・、教官・・・」と言って訓練に戻った。
教官の帰りを待ちわびた千秋は、何度も成田空港に電話をして、村沢浩という人物は乗っていないか確かめた。そしてついに明日、教官がパリから戻ることを知ると、他の訓練生の前で大いにはしゃいで喜んだ。
翌日、成田空港でお迎えしようと、出向いた千秋。しかし、そこに出てきたのは、教官と笑顔の真理子だった。きっと真理子さんと別れて帰ってくると信じていた千秋は、ショックを受けて空港を飛び出していった。寮に戻って話を聞いたさやか、友子、信子は、千秋とともにそんな教官を軽蔑した。
接客態度の授業が始まった。しかし、不信感を抱く千秋は挨拶も返事もできない。授業でも、スチュワーデスとして最も大切な「笑顔」が作れず、同じくできなかったさやか、友子、信子と一緒に廊下に立たされる。しばらくして教官は千秋を外へ連れだし抱きしめながら、事情を説明する。「俺は真理子にハッキリと別れようと言ったんだ。真理子も意外にあっさり承知したよ。ただ真理子が言ったんだ。あと1ヶ月、1月だけ付き合ってくれって。その間に6年間続いた俺との関係を美しく終わらせたいと。俺はその頼みまでは断れなかった。何しろ俺はスキー事故で、一流ピアニスト、真理子の両手を奪った男だ。彼女を満足させて終わりたいんだ。この気持ちを分かるか。この俺を信じられるか。」と言うと、千秋も納得した。そして今日の授業の態度を謝り、「教官のことを信じてどこまでもついていきます」と言って抱きついた。その様子を影から見ていた真理子。すごく恐い顔をして二人をにらんだ。
電話で、特訓があるからマンションに来るようにと言われて(真理子にだまされて)教官のマンションへ行った千秋は、真理子が下着姿でベッドに寝そべっているのを目撃する。そこで、真理子は教官と同棲していて毎晩寝ていると千秋に言う。1ヶ月だけの付き合いではと千秋は尋ねるが、「冗談はやめてちょうだい。大人の男と女の関係はもっとドロドロしたものなの。だまされているあなたは本当にうぶね・・・」とネチネチ言って千秋をいじめた。ついに千秋はマンションを飛び出した。
そこへ戻ってきた教官は、カンカンに怒り、「ウソを並べて松本を苦しめるなんて最低だよ。1ヶ月の付き合いはやめて今すぐ別れよう」と怒鳴りつけた。しかし、真理子は「あなたがいくらわめいても私とは別れられない。絶対別れられない訳があるの」と言って自信たっぷりの表情を浮かべる。
しばらく教官から逃げ回る千秋だったが、ようやく捕まえると、教官は「あれはすべて真理子のウソだ。俺を信じるのか、真理子を信じるのかはっきりしろ。目を覚ませ」と言って千秋をひっぱたいた。「俺の知っている松本千秋は、自分の目標や夢に向かってがむしゃらに体当たりしてくる娘だ。真理子なんかの言葉にひっかかってメソメソしている娘じゃない。松本、本来の自分に戻れ」と熱弁すると、「分かりました、教官、体当たりの松本千秋に戻ります」と、目を覚まし答えた。
すっかり元気を取り戻した千秋は、食事での接客態度の授業は、大成功で終わった。
教官の誕生日、1月23日に、プレゼントとしてマフラーを編んでいた千秋だったが、教官にとって最もうれしいプレゼントは、次のルートインフォメーションの試験でトップで合格することだと感じるのであった。
今度はルートインフォメーションの授業だ。前回と違い、今度は飛行機から見える世界中の有名な景色や、そこから見える星や星座についての授業だ。千秋は、最も有名な観光地であるハワイ諸島の名前を全然答えられず、またもや特訓を受けることになる。教官はハワイ諸島や他の景色の名前を、語呂合わせや、音楽を使って千秋に覚えさせた。その頃、他の478期生たちは、教官が、松本千秋に対してひいきをしている、愛の特訓をしている、などと悪口が飛び交っていた。
寮の同部屋である兼子と口論になり、寮官室で勉強することになった千秋。何かの拍子に放送スイッチをオンにしてしまい、そのことに気付かない千秋は、その時に覚えた語呂、『森林が火事だ』を何度も言ったため、寮内大騒ぎになる。
ある日、教官のマンションに真理子が来た。冷たくあしらう教官であったが、そんな教官に、口で手袋を外して義手を見せながら、「この手で子供を育てろっていうの?とても無理だわ。あなたの助けがないと。もうすぐあなたの子が生まれるの」と言った。妊娠3ヶ月、と書かれた診断書を見た教官はショックを受け、呆然とする。(それは第3話の時、1回だけ抱いた時にできた子だったのだ。)
千秋は、今夜も教官の特訓を受けようと訓練所に来ていたが、教官は、気分が悪いと言って中止にした。教官の元気のなさに心配しながら帰る千秋に、三郎が声を掛けてきた。
三郎の実家の店の魚屋を手伝う千秋に、三郎もルートインフォメーションの勉強の手伝いをした。近くを通りかかった兼子が教官に知らせると、教官は飛んで来た。教官と一緒に寮へ戻る途中、夜空に星が見えていたので、教官は星座の授業を歩きながらした。千秋も必死で覚えた。
いよいよルートインフォメーションの試験だが、千秋は散々な内容だった。しかし、夜空を見上げる訓練課長に千秋は、帰り道で覚えた知識を披露し、さらに、「乗客のみなさんに星を楽しんでもらうのが私の夢だ」と言うと、この試験にトップ合格となったのである。
教官の28回目の誕生日に、千秋は、ルートインフォメーションの試験のトップ合格を果たしたことをプレゼントとして差し出した。教官も「こんなうれしいプレゼントはないよ。ありがとう」と答えたが、やはり真理子の妊娠のことが気になっているのか、何か元気がない様子だ。
英語の苦手な千秋は、明日テストということで、徹夜で勉強をし望んだが、英語の意味を勘違いし応対してしまったため、落第してしまう。
村沢教官は、訓練課長に真理子の妊娠のことを打ち明けた。訓練課長は、「このことを松本が知ったらビルの屋上から飛び降りかねんぞ。方法はたったひとつしかない。お前が松本を冷たくあしらって、松本にお前を諦めさせるしかない。それしかない」とアドバイスした。
それを聞いた教官は、この後の個人面談で千秋に英語の試験に落ちたことを責め、叱った。励まして欲しいと頼まれても、「ここは訓練所だ。甘ったれるんじゃない。個人的な感情を持ち込むな。」と冷たく断った。
英語の試験に引き続き、次は消火訓練の試験を受ける千秋だが、教官に冷たくされて落ち込んだ千秋は、失敗ばかりでまたまた落第してしまう。
訓練センターに戻った千秋は、教官に、「私一人の力ではスチュワーデスになれないんです。教官の力でここまで頑張ってこれたんです。しかし最近の教官は冷たくて恐くて近寄れません。私の大事な綱がぷっつり切れて谷底に落ちたんです。もうだめです」と言って飛び出した。
マンションに戻った教官は、雪の中、そこでずっと待っていた千秋を発見する。教官は千秋を中に入れ、どうしたのか聞く。「最近の教官が冷たくなったのは、私が嫌いになったからですか。自分の欠点は直しますからどうか嫌いにならないでください・・・」と悲しげな顔で千秋は願うと、教官は、「松本、俺はお前が好きだ。嫌いになったことは一度もない。松本が一人でどこまでできるか、ちょっと確かめていたんだ。しかしお前がショックで参っちゃかわいそうだ。これからはもっとお前を励まして助けてやるよ・・・」と答えた。すると、「教官が励ましてくれたら、私、一人前のスチュワーデスになります。でも、好きだと聞いて本当に嬉しいです。」と言って教官に抱きついた。
その後、教官は、(千秋を含む)落第した3人の訓練生を個人特訓でしごいた。そのおかげで、全員無事合格する。その後、千秋は、特訓のお礼として、感謝状を教官の前で読み上げた。
教官は再び真理子の家に行って話し合う。「教官をやめないと、このこと(妊娠)を千秋に知らせるわよ」と脅迫する真理子に、教官は、「千秋は今スチュワーデスになれるかどうかの瀬戸際なんだ。どうしても俺の助けが必要なんだ。あと2ヶ月だけ松本を育てさせてくれ」と言い返す。それでも断る真理子に、教官は「それじゃあお前を警察に訴える。君は、千秋の父に金を渡して千秋を街の男たちに犯させようとした。俺と千秋のスキャンダルをでっちあげて俺をクビにしようとした。お前は2つの事件の主犯だ。しかしお前を犯罪者にはしたくない。だから俺に松本を育てさせてくれ」と言うと、「だけどね、浩、私には子供という武器があるのよ。いくら千秋があなたのことを好きになっても絶対結ばれないわ」と開き直った。
今までの訓練の総仕上げとして、実際の飛行機内での模擬訓練を受けることになった千秋だが、いきなり遅刻、身だしなみの悪さで怒られる。さらに訓練中も、ドジでのろまぶりを大いに発揮し、パーサー役で乗り込んだ村沢・桧山両教官を呆れさせた。桧山教官はカンカンに怒り、松本さんは見込みがない、やめさせるべきだと主張したが、村沢教官は千秋を信じて猛特訓を開始するのであった。
特訓を終えマンションに帰った教官は、部屋に赤ちゃんのベッドやおもちゃ、育児グッズが散らばっているのに気付く。真理子はその中で不気味な笑顔を見せながら、「あなたがいつも千秋と会っていると思うとイライラするのよね。お腹の中の赤ちゃんにも悪いわ。今すぐ千秋と別れて訓練所をやめて。でないと千秋に妊娠のことを伝えてズタズタにしてやるわ。千秋を助けたいなら夜も寝ないで見張ることね」と脅迫した。つづく