名作やっちゃったについては、なにもいうことはない。展開の強引さが逆にこの作品への思い入れを深くさせました。多分、今までの20数作のカタルシスを得られるものでした。
結婚式場や衣装の相談をする春子や夏代たち、そんな浮かれたムードを茶化す十一。春子と青木さんで結婚後の設計について話していると春子が結婚後も働く意志を持っていることで、家にいて欲しい青木と大喧嘩になる。春子と青木は家に帰るなり結婚の延期を父(栗山信)に申し出た。顔を曇らせる夏代。父も二人の幸せが大事だからとキャンセルした場合、戻ってこないお金のことなんかいってられないと…ため息混じりだった。尺八の笛の音が悲しく響く中で、十一が洗面所から庭をのぞくとそこには、夏代が居た。十一がいつものようなからかうような口調で夏代につっかかっていくが、夏代の受け答えが妙に女っぽい…。「あたしある人にお熱なの…」「われなべがとじぶたを見つけたってわけかぁ、で、相手は、だ〜れ?」「あなただっていったらどうする」「おどかすなよ」夏代から出てくる言葉は、十一にとっては意外な言葉だらけ。十一も思わず自分の思いをうち明けてしまう。「ほんとうなの?「わからなかったのかよ」「だっていつも…」「それが俺の愛し方なんだ」「そんなのわかるわけないわ…」「だから女は馬鹿だ…」「だったら、馬鹿にもわからせるようにすべきでしょ」強引に夏代を抱きしめ、キスをする十一。十一は栗山信のもとに行き夏代をもらいたいと申し込む。信じられないという表情から、うれしさを経て泣き出す栗山信。翌朝、栗山信は家族のみんなに夏代が結婚することを伝えた。驚く姉妹たち。春子が夏代に結婚するんだってと話しかけてきた。姉さんの結婚式場であたしの方が先に結婚するって言ってるのよ!平気なの、と春子に迫る夏代。ところが、春子は何言ってるの予定通り結婚するわよ。えっ、絶句する夏代。夏代の思惑とは全く違った展開になり頭を抱える夏代。夏代は父に結婚の話は芝居だと伝えた。父は十一が真剣であることを夏代に伝えた。夏代は、十一との結婚が現実的でないことを伝えた。自分が結婚したらお父さんやあまりの面倒を誰がみるのか、みんな自分のことで手一杯だわ!と訴える。父は傍らからお見合い写真をとりだした。再婚相手だと父は夏代に伝えた。おとうさん!やめてというような視線を父に向ける夏代。私やあまりが夏代の結婚の障害になるなら再婚をしようと思う…。秋枝と冬子はそのやりとりを聞いて涙ぐむ。夏代からの電話で結婚が嘘だと聞かされ大荒れになりスタジオでぐでんぐでんになる十一。栗山一家で朝食時に父は、再婚の代わりにお手伝いさんを頼もうと思うと伝えた。しかし、経済的に負担があるからと、夏代は困った顔になる。そのとき、春子がとりあえずあたしの貯金を使って!家族全員驚愕した。あのケチな春子が…父は心底の笑みで家族みんなを見回した。スタジオのソファーで寝ていた十一にコーヒーの沸く音が聞こえてきた。夏代がいた…