金型や鋳型製造のための

統合CAMシステム構成

 

 

B K Choi, Y C Chung, J W Park and D H Kim

 

 


この研究論文は、金型や鋳型加工機のための統合コンピューター支援生産(CAM)ソフトウェアシステムを目的とした、構成を提案するものである。提案する構成においては、CAMシステムの異なったタイプのすべての主要な働きは、統一された形式で扱われる。

   (a)NCコードの検証と修正

   (b)CADファイルと座標計測機械のデータからgouge-freeのNCコードを生成

   (c)フィードバックとフィードフォワードの情報の適応

   (d)NCコードの自動生成(i.e.生産力のあるNC)

   (e)コンカレントエンジニアリングとインテリジェントマニュファクチュアリングの枠

      組みのサポート

‘ソフト’マスターモデルの考え方は、統合構成に至るためのカギである。そのような、統合CAMシステムの実装へのアプローチも記述されている。

 

Keywords:CAMシステム構成,金型面加工機器,数値制御の検証,生産力のある数値制御


 

何百もある市販のコンピューター支援生産(CAM)システムは、金型面加工機器として世界中で利用できる。CAMシステムには2つの主な種類に分けられる:専用CAMパッケージとCAMモジュールである。専用CAMパッケージは多くの場合、NCコードを生成できる専門化された表面模型製作である。 CAD/CAMシステムのCAMモジュールは、カッターパス生成の為の表面評価である。近年では、(市販のシステムにおいて示されているように)表面モデリング能力やグラフィックユーザーインターフェース,カッターパスプランニング,ポストプロセッシング,計算スピードなどにおいて格段の技術進歩がなされてきた。しかし、それらの進歩をもってしても、通常のCAMシステムのカッターパスは過切削や過負荷によるエラーの影響を大部分が受けている。これらのエラーが金型面加工機器にとって致命的なとき、NCコードの確認が必要となり、市販のNCコード検証システムの導入につながっている。

CAMシステムの発展における技術的な問題と比較すると、CAMの機能的、構造的問題は受けるべき注意をはらわれてはいなかった。このことは、‘CAMの機能は完全に除去されるし、除去されるべき必要悪である’あるいは、‘それは、生産と製作のサイクルの中ではせいぜい二次的な機能である’という認識から生じているのかもしれない。しかしながら、CAMが金型や鋳型製造において一次的な機能であり、特に全体的なコンピューター統合製作システムやコンカレントエンジニアリング構造と連結して、うまくデザインされたCAMシステム構造が必要であるというのが著者の考えである。ここで使われているCAMという単語はNCコードの生成と操作に関するあらゆるソフトウェアシステムを意味する。

さまざまな他の設計分野においても、最初の段階ではユーザーが要求する仕様の統合CAMシステムをはっきりさせた集まりを作ることである:

 

 

この論文の目的は統合CAMシステム構成の提案と、手段としてのCAMシステムの問題について議論することである。統合(unified)という用語が使われているのは、提案されたCAMシステムが統一された方法によって、全ての特殊なCAM機能を扱うことができるからである。

この論文で提案されている統合CAMシステム構成は、以前に1つの問題提起から発展させたもので、そして、それは竹内2およびその他の者たちによって提示されたCAMモジュール、斉藤と高橋3により提案されたGバッファーに基づくNC加工機方式、そして、参考文献4による干渉除去法によって影響を与えられた。提案された(基本)構成を基にCAMシステムは著者達によって発展されたものである(それは、最初の4つの項目に記載されただけにより多く立証する)。そして、理想的な必要条件をサポートするプロトタイプバージョンは著者達によって発展しつつある。以前に、統合CAMシステム構成は提案されているが、形式的なCAMシステム固有の欠点のいくつかを再検証する。

 

 

通常のCAMシステムにおける固有の問題点

曲面の境界表現において、表面はの形状の整えられたパラメトリックパッチとして表現され、合成表面は、位相的に連結の表面とする集まりからなっている。このような表面の為のカッターパスの生成は、それぞれの面において以下のオフセット操作が必要になる:

 

          (1)

 

     は面の方程式(普通の多項式か有理の多項式)

     は表面の単位法線ベクトル

     は工具の単位軸方向ベクトル

     はエンドミルの切削半径

     はエンドミルの半径

     

CL面(工具位置面)は従って、上記のオフセット面の集まりとする合成オフセット面として定義される。そのCL面は、カッターパスを生成するため(3軸NC加工機のため)に、一連の平行面によって細かく分断される。

上記のカッターパス生成方法は、加工されるべき面が多くの曲面から構成されている場合は、特に深刻な問題を引き起こす可能性がある。車体の金型面が通常数百(時には数千)の面から構成されているということに注目すべきである。下記のことは、通常のカッターパス生成を通して起こる問題の幾つかである:

 

い(Figure 1参照)

 

合成オフセット面はFigure 1に示されているような全ての‘ギャップ部’,‘オーバーラップ部’,‘ループ部’を時間がかかり間違いの起こりやすい作業によって除去し、なめらかなCL面を得るために調整されなければならない。参考文献5で議論されているように、ギャップ部とループ部の両方がオーバーカッティングの原因となるはずである。オーバーカッティングの検知や防止のいくつかの方法は参考文献5,6で提示されている。

このように通常のカッターパス生成方法の中心論点は、オーバーカッティングをいかに防ぐかということである。CL面からすべてのギャップ部,オーバーラップ部,ループ部を取り除くことは困難であるために、いくつかのNCコード検証機構は形を作るために必須になる。伝統的に(プラスチックあるいはその他の柔らかい材料で)テストカッティングはオーバーカッティングを確認するだけのものになった。しかし、近年になって市販のグラフィカルカッティングシュミレーションパッケージが役立つようになってきている。(e.g. VERICAT7NCV8

Figure 2は、3つのNCコード生成サイクルのケースを示している。(それぞれ、青写真から,CADファイルから,そして粘土モデルから始まる)そして、そのことはNCコードの確認が極めて重要な機能であることを示している。Figure 2に示されている3つのNCコード生成サイクルのそれぞれにおいて、検証する段階(この時、細心の注意を払う)で気付くエラーのNCコードが‘オフライン’として訂正され、再び生成されたり検証されたりする。Figure 2cでは、粘土モデルもまた訂正されたCMMファイル(i.e.データファイルは同じ計測機器から得られる)を得るために綿密な調査がなされる。この修正/検証の過程は、NCコードの検証テストをパスするまで繰り返される。この‘オフライン’修正計画は反復であり、きわめて時間を浪費し、技術に依存するものである。

カッターパス生成の重要な挑戦は、加工中の切削工具への過負荷をいかに回避するかということである。過負荷問題の取り扱いは、未工程量と中間工程量のためのわかりやすい表示計画が必要なため、工作機械で加工する間の金属除去量について綿密な情報が要求される。効果的な過負荷の取り扱いのために、機械能力のデータベースも必要である。

通常のカッターパス生成方法の以前からある困難な点は、合成面を表現する方法が主な原因である。パラメトリック調整面はCADにとっては良い選択ではあろうが、しかしそれはCAMにとってそんなに良いことではないだろう。立体幾何学と表面幾何学の分野ではかなりの進歩が見受けられるが、しかしその進歩は、CADアプリケーションに対してのものである。今日、統合CAMシステム構成の上手な実行方法のためのカギは、柔軟な(そして、さらに頑強で能率的な)表面表現法計画を発展させるべきである。

 

 

 

統合CAMシステムの基本構造

実行対策と同様に、提案されたCAMシステム構成は基本構成と応用構成の2つに分けられる。このセクションでは、統合CAMシステムのための‘ユーザー必須条件’のなかの最初の4つをサポートしている基本CAMシステム構成を示している。提案されたCAMシステムは以下のようにサポートされなければならない:

 

 

 Figure 3はCAMシステムの構成をユーザーがどのように見ているかを示している。それは、Figure 2の3つのNCコード生成サイクルのすべてが統一された方法で行われることを示している。言い換えれば、提案されたCAMシステムは下記のどれかにあたり、どのように使用されるかによる:

 

 

提案されたCAMシステムが、ユーザーにとってどの様に見て活用したとしても、それについては大した問題ではない。出力NCコードの普通の特色は、gouge-freeであるということである。それどころか、市販のパッケージはもう既に利用されていて、上記のCAM機能によってサポートされている。CAM-1の機能は、Z-MASTER9WORKNC10で、CAM-2の機能は、CLIKS11IDMS-DP12Z-MASTERで、そしてCAM-3の機能は、Z-MASTERVERICUT7NCV8によって立証されている。

Figure 4は基本的な統合CAMシステムのシステム全体を示している。(ただし、Figure 3CAM-4の機能はない)統合CAMシステム構成の中心にはマスターモデル思想がある。‘ソフト’マスターモデルは、car-body manufacturing13に用いられる‘ハード’マスターのソフトウェアバージョンである。伝統的な金型製作所のマスターモデルは、製造サイクルにおいて重要な役割を果たしている。下記に:

 

 

 Figure 4では、CAMシステムは8つの応用モジュールと4つの基本モジュールと、ソフトマスターモデルから構成される。応用モジュール(うすく色を付けた四角)は以下に:

 

 

 基本モジュールは以下に

 

 

これらのモジュール(応用か基本)は、後続の3つの機能的なグループに分類することができる。(モジュールは1グループ以上に当てはまるだろう):

 

 

詳しい記述は、後続のセクションにゆだねる。

 

 

NCコードの検証と修正

NCコードの検証と修正の機能は、既にあるNCコードファイルをエラー無しNCコードファイルに変換するために処理するものである。この機能は、後続にある5つの応用モジュールによって実行される:

 

提示されているCAMシステムでのNCコードの検証と修正の過程は、仮想の金型製作所のそれに似ている。テストカット(NCマシニング)は、ソフト材料を用意されたNCコードによって形にされる。一方でマシニングの過程は過切削の認識のために観察される。加工された表面はオーバーカッティングの可能性があるために詳しく調べられる。(アンダーカットのみならずオーバーカットによる)全てのエラーは、オーバーカットされた部分を詰め込むか、アンダーカットされた地域をこすり取ることによって除去される。NCコードは、テストカットモデルの手直しされた場所で修正される。

 

 

カッティングシュミレーションモジュール

NCブロック制作中のカッターによる切削量は、原料から取り除かれる。それぞれのNCブロックによって取り除かれる総量は計算され、金属除去率(MRR)ファイルに保管される。カッティングシュミレーションの結果が、寸法通りに仕上げられたモデルとMRRファイルである。

寸法通りのモデル(ボールエンドミルによる荒切削後)は、Colour Plate 1に示されている。カッティングシュミレーションもまたCMMデータファイルに応用することができる。CMMデータのためのカッティングシュミレーションの結果は、 Colour Plate 2に示されている(直径4mmの調針を1mm間隔でスキャンをする)。(幾何学的に)カッティングシュミレーションのテーマは、かなりの広範囲で研究されている。立体モデルへのアプローチは、Fridshal14Hartquist15によっている。特殊な切削量のモデリング技術は、Wang and Wang16Blackmore17による。不連続近似法(Z-MAP)は、Jerard and Drysdale18による。その他のカッティングシュミレーションの方法は、Jerard19で再検討された。

 

 

検査モジュール

NCコードの確認の第1段階は、Colour Plate 1 or 2に示されているように、(影にされたイメージの)加工された表面を視覚的に詳しく調べることである。Colour Plate 2の画面向かって左下のイメージは、加工された面にあるいくつかのオーバーカットスポットがあることを示している(この場合のオーバーカッティングは、CMMにおける測定中のプローブの振れによって出ているように見受ける)。時々、見事なワイヤーフレームの表示は、陰影のイメージが示すより以上にはっきりとした情報を示す。加工による表面の自然な表現に加えて、 CMMエミュレーターに有能な曲線生産セクションと輪郭線生産セクションを備えることである。もし検査モジュールには、いろいろな種類のゲージも供給できる。これらの検査活動は、マニュアル(あるいはビジュアル)検査方法と呼ぶことができる。

上記のマニュアル検査方法は、かなり自然に何でもよくできる。しかし、それらは非常に時間を浪費し、不確かになる傾向がある(エラーを見つけられないままになる)。したがって、間違い探しをより確実にするための、細かな形状(曲面変化やずれ)を強調する(例えば着色などによって)‘自動’検査法をそなえることが必要となる。Colour Plate 3は、加工面と理想的な面のモデルとの違いをカラーディスプレイで(青はアンダーカッティング、赤はオーバーカッティングを)示している。自動検査のいくつかの考えは、文献(e.g.エラーマップ表示法Jerard19およびその他の者たち、Oliver and Goodman20と、等角投影方法21と、空間イメージ‘Booleaning’法22)に提示されているが、多くの進歩はこれからもなされるだろう。

 

 

局所的修正モジュール

局所的修正モジュールでは、オーバーカットスポットは埋められ、アンダーカットスポットは削り取られる。(Colour Plate 2の画面向かって左下に示されている、オーバーカットスポットによって作られた)局所的修正の結果は、Colour Plate 2の画面向かって右下のイメージに示される。相互作用する‘カット’と‘ペースト’のメカニズムと自動整形機能を用意しなければならない。これは、それ以上に研究が必要な領域の一つである。

 

 

オーバーカットフィルタリングモジュール

Figure 3の‘オンライン’修正法の実行のために、NCコードの入力は、((1)式で定義された)オフセットによって得られた検査面で行われる。オーバーカットフィルタリングオペレーションは下記のように実行される:

 

 

このチェック面の方法は、ツールホルダーやスピンドルヘッドの衝突回避のためにもあてはまる。Colour Plate 4オーバーカットフィルタリングの例を示している。

 

 

オーバーロードフィルタリングモジュール

カッターのオーバーローディングは、加工エラー(切削,アンダーカッティング)の結果として、カッターの振れや工具の破損を引き起こす。カッティングシュミレーション段階で金属除去量は計算されファイルに蓄えられる。加工プロセスの力学モデルに基づいて、それぞれのNCブロックの送り速度は、金属切削の変化を補正するために調整される。もし、NCコードがオーバーカットエラーを含むなら、それはオーバーロードフィルタリングが試される前にオーバーカットフィルタリングオペレーションによってそれらを取り去ることが必要である(Figure 4は、軽視することができる、オーバーカットフィルタリングの前にオーバーロードフィルタリングが作用していることを示している)。切削力の評価のさまざまな方法は文献にレポートされている。例えば、Wang23workTsai24およびその他の者たち,SuterlandDevor25,そしてBer26およびその他の者たちによる、である。

 

 

マスターモデルマニピュレーション

統合CAM構成のキーとなる特色は、ソフトマスターモデルの考えである。そしてそれは、car-body manufacturing13に使われるハードマスターモデルのソフトバージョンである。ソフトマスターモデルは、金型製作所のハードマスターモデルと同じように、多くの機能を持っている。マスターモデルマニピュレーションに関する主な問題のいくつかは次の様である。

 

 

これらの論点は、より詳しく説明される。

 

 

マスターモデルの定義

マスターモデルのためのデータ機構は何でもできるべきである。なぜなら、マスターモデルは、さまざまなオペレーションに利用されるからである(e.g.カッティングシュミレーション,オフセッティング,整形,そして表現)。これらのオペレーションのもとでは、変化しない表示機構を作ることが望ましい。表面固定点データ機構19Z-MAPデータ機構2のような個々の表現機構はこの目的のために提示される。この論文のソフトマスターモデル(Colour Plate 1-8)はZ-MAP表示機構をもとに提示してある。

Figure 4で示されているのは、ソフトマスターモデルがカッティングシュミレーション(NCコードやCMMデータ)か‘surface discretization’(CADによる表面データか三次元CMMデータ)によって両方とも創造されている。surface discretization方法の詳細を知るために読者は、Jerard9およびその他の者たち,竹内2およびその他の者たち,Choi27およびその他の者たちの業績を参照されたい。Colour Plate 2のマスターモデルは、カッティングシュミレーションによって組立られた。Z-MAPサイズは約1400mm×1200mmで、1mmの格子間隔である。それは、Sun-10ワークステーションで約12MバイトあるCMMデータのカッティングシュミレーションを完成させるのに8分かかる。

Colour Plate 5surface discretizationZ-MAP-sampling)方法によって得られるZ-MAPモデル(画面向かって右上のイメージ)である。表面(画面向かって左上のイメージ)はCATIA28CADシステムで創作され326面を含んでいる。それは、430mm×290mmの大きさで、0.5mmの格子間隔のZ-MAPモデルである。同じSun-10ワークステーションでZ-MAPモデルを組み立てるのに約10分かかる。

 

 

マスターモデルの局所的修正

主な修正操作は‘Booleaning’,オフセッティング,ブレンディング,アンブレンディング(それかシャープニング)である。マスターモデルは固体の構造上幾何学の足し算か引き算によって、要求通り簡単に修正される。CSGブールオペレーションの働きもまた、マスターモデルの組立にとても強力な道具となる(実際に、カッティングシュミレーションはブールオペレーションの特別な形である)。

提示されたCAMシステムの中で最も基本的な働きはオフセッティングである。Z-MAPモデルのオフセッティングは、インバースオフセッティング法2と呼ばれるもので便利に実行できる。この方法は非常にしっかりしたもので、オフセット面の結果はギャップ部やループ部は存在しない。インバースオフセッティング法の実施の詳細は、参考文献1に示されている。一定半径の合成は一対のオフセットオペレーションを適用することでごく普通に実行できる。アンブレンディングはブレンディングの逆である(ブレンディングによって失われたシャープエッジはアンブレンディングによって回復される)。

 

 

モデルの複製と金型面の生成

マスターモデルの複製は、一対の一致する中実金型を生産するためにオフセットされ、ひっくり返される。これは伝統的な一致する金型の複製製作方法のソフトウェアバージョンである。反対の金型面を得るには、ワークピースの厚さの分布を示さなければならない。スプリングバックデータ(金属板の加工)や収縮要因(注入モウルディング)のような技術的なデータも要求される。時々、アンブレンディングオペレーションは、反対の金型面生成オペレーション(CMMデータより)の一部分として必要となるだろう。

一致する金型面の生成の例が、Colour Plate6,7に示されている。Colour Plate 6もまた、アンブレンディングオペレーションを示している(特色はビーズのような金型面である)。Colour Plate 7のイメージは、イニシャルマスターモデル(画面向かって左上),ラウンディング後のマスターモデル(画面向かって右上),丸められたモデルの一致する面(画面向かって左下),そして、‘一致の確認’(画面向かって右下)である。

 

 

カッターパス生成

統合CAMシステムは、NCパス生成の全ての実用的な必要条件をサポートすべきである。結果として、作り出したカッターパスはオーバーカッティングやオーバーローディングがあってはならない。さらに、NCコードはできるだけ多く自動的に生成されるべきである。生産能力のあるNC(GNC)として知られるNCコードの自動生成は、世界中の自動化産業の押し金型のNC加工での注目の的となっている(なぜなら、押し金型のセットのためのNCコードの生成は数週間が必要であるからである)。

提示されたCAMシステムで、NCコードはcopy-milling process2,3よりもっと多く生成される。後続のマシニングモードの全ては、実用的な目的のために必要である:

 

 

自動車のボディー用の押し金型のための加工例がColour Plate 8に示されている。未加工のまま置かれているのは鋳造品である(画面向かって左上)。第一段階は鋭いみぞにそってペンシルカットされたものである。ペンシルカットの結果は、画面向かって右上に示されている。そして、ラフカッティング(画面向かって左下)とフィニッシュカッティング(画面向かって右下)がなされる。フィニッシュカッティングの後にはどの様なアンダーカットも、(示されてはいないが)取り除くことを必要としている。

 

 

進歩した構成の統合CAMシステム

Figure 4に示されている統合CAMシステムは、現在のNC機器の問題を解決法となるように意図されている。私たちはここで、統合CAMシステムに対するOURS(objectives and user requirement specifications)を考慮し、完全にそろえられた構成を提案し説明する。

Figure 4の統合CAMシステムは、次世代の要求に適応させるために、簡単に拡張することが可能である。

 

 

Figure 5は、Figure 4のカッターパス生成モジュールがCAPPモジュールで置き換えられた、より進歩した構造の体系的な見方を示している。そして、workcellシュミレーションモジュールによって増大させられる。

 

 

デザインチェンジとフィードバッグデータの操作

製品製作環境のデザインチェンジは、例外というよりもむしろ引き続き起こりうる作業というべきである。ある金型や鋳型製造で製品デザインのどの様なチェンジは、その結果の金型面加工操作にできるだけ早くに示されるべきである。これはFigure 5に示されるように、フィードフォワードチャンネルを通じ、局所的修正モジュールによって有効に扱えるものにすることができる。フィードバックデータは局所的修正モジュールによって同様に扱われる。

デザインチェンジの例は、面取り半径の変更や、リブやボスのような特定部分の特色の追加(それか削除)はFigure 6に示されている。フィードバック情報の例は、縮んだり(スケールで)スプリングバックをする製品のための欠点と寸法変換の計画を含んでいる。ソフトマスターモデルを用いたメカニズムを修正したり部分変更することは、金型製造のリードタイムに非常にはっきりと示される。

 

 

金型生産におけるコンカレントエンジニアリングの骨組み

コンカレントエンジニアリング(CE)の一般的な概念の議論は、この論文の理解範囲外に置く。しかしながら、金型製造におけるCEの主な目的は、さまざまな工程に属し、同時進行で行えるものを増やすことによってリードタイムを縮めることができるのを述べるのは差し支えがない。Figure 7aは、金型製造活動における通常の(連続物)配置を示している。提示されたCAMシステムの助けによって、Figure 7bに示されるように配置することができる。

通常のプロセスで、金型のレイアウトデザイン,細部のデザイン,金型面の製造,ラフカッティング,フィニッシュカッティングの5つの機能は連続して実行する。CEの骨組みで、デザイン機能と加工機能がソフトマスターモデルの助けを伴い同時に実行することができる。最初の金型面は、製品のモデルから直接得られ、それから加工工程とデザイン工程は同時に実行することができる。

 

 

理知的な生産システムの骨組み

金型加工の3つの理知的な生産システムの論点は、

 

 

YooChoi29による、金型の穴あけ加工のための適当なCAPPの計画がFigure 8に示している。

workcellシュミレーション機能は、無人加工のサポートのために必要とされる。真の無人加工のために、あらゆる細部も理解するために正確に説明されなければならない。切りくず除去の問題は、他の障害となる金属穴に垂直のNC機で加工される(機械的に)ときに無人加工をさまたげられるもう一つの障害となる。Z-MAP表示計画に基づくとき、穴加工機の自動切りくず除去システムは、elsewhere30に伝えられる。

 

 

結論とディスカッション

論文は、CAMの一組のOURSのセットに基づいた統合CAMシステム構成を提示したものである。統合CAMシステムは、

 

 

提示された構成は理想のひとつと考えられる。それは金型工場生産のためのCAMの全ての理想のOURSをサポートしている。そうではなく、それは実用的ものなのである。なぜなら統合CAMシステムの構成要素を実行する基礎テクノロジーは手に入るからである。Figure 5の統合CAMソフトウェア構成のそれぞれのモジュールは自己内包的とモジュラーである。そして提示されたシステムの全体的な構成はとてもシンプルである。ソフトマスターモデルの利用はとても直感的である。要約すると、提案された統合CAMシステムは通常のシステムと比べて使いやすく、改善しやすくするべきである。

しかしながら、提示されたシステムはまだ現実的な金型生産環境の中でその効果を確認し、さらに関連づけられた技術は、テストされ証明されなければならない。ソフトマスターモデルのためのさまざまな個々の表示計画は非常に万能である。しかし、近似エラーとして理解されていない。Figure 5のCAM構成に関連して研究されるべき多くの話題がある。

 

 

感謝のしるしに

この論文で述べられている研究は‘An off-line task planner and automated chip removal system for unattended CNC machining’というプロジェクトに対する助成金を通じて一部、韓国政府(MOST)の支援を受けている。

 

 

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