AIESEC Tour CARAVAN '99

Jul. 14th to 26th, 1999

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.日本にいてロシア気分
.ロシア国際航空−アエロフロート


日本にいてロシア気分

 日本人がロシアに行こうと思うと、ビザがいります。これの手続きは旅行会社のパック旅行に申し込むと、 会社が勝手にやってくれるので、簡単なんですが(お金かかるけど)、自分でやろうとすると、かなり大変。

 普通、観光ビザはバウチャー(ロシアの旅行会社が発行するロシア滞在中に泊まるホテルの証明書) と写真とパスポートがあれば出来るのですが、私は向こうでキャンプとかすることになってたので 普通ビザが必要でした。

 これを手に入れるためには向こうの公的機関からの招聘状が必要になるんですね。

 で、まずその発行される招聘状が有効か、ということを見てもらうために、ロシア領事館(ロシア大使館に近い人はそちらですね。私は大阪なので)にFAXしなければならない。(これをしないで直接行くと、せっかく行ったのに手続きできないという悲惨な 状況にも陥りうる)

招聘状発行の手続きに結構時間がかかるんです。2週間くらいはかかったかな。

 向こうのアイセック(→Eの所属しているサークル。世界中に支部がある) が動き回るだけで私は待ってるだけだったのですが、何しろ大陸気質なもので向こうの人はなかなか焦ってくれない… だから、メールでせっつきまくってた私…だって早く招聘状を送ってもらってビザがとれるという保証を得ないと、 航空券が発行されないんだもん…遅くなればなるほど格安航空券、高くなるし…。

 あと一日遅くなったら3万航空券代があがってしまうというリミットの日、あまりにも私がせっつくものだから 向こうもこっちの切実な思いが伝わったらしく、”直接、領事館にFAXを送ろうとしたがつながらなかった。 明日もう一度トライしようかとも思ったけど急いでいるようなのであなたの所へ直接FAXしたいのだが、FAXはあるか?”という電話が ロシアからかかってきた。

 この時、私はバイト中だったので家におらず、その電話を受け取った父は目を丸くしたそうな。

 でも、何とか英語の分かる父でよかった。

 だって母親曰く、「もしお母さんが電話とってたら何も分からんから ”No thank you”って言って切ってたわー」

 いるんだよ!!断らないでくれ!母。

 ほんと、父親が偶然とってくれてよかった。

 こうして、無事期限までに招聘状が有効なことを領事館にFAX+電話して聞くことが出来、11万9千円の 航空券を申し込みしたのでした。

 で、ロシア領事館へVISAを取りに行きました。行ってびっくり…あんなに警備が厳しい所なのかー。

 まず入口らしき所に行ったのですが、門が硬く閉ざされ、入ろうとする者を拒絶する威圧感。

 ”どうすりゃ、いいんだ?押して入ればいいのかな?”と思っていると、日本人の警備員の人が駆け寄ってきて、 身分証明書は?と聞いてくる。

 パスポートを差し出すと、念入りにチェックされ”どういった御用でしょう?”と聞かれる。

 ビザの申請に、と言うとやっと通してもらえた。何か横のモニターに番号を打ち込まないと、門が開かないようになっているらしい。

 まず、門を入ると右手に庭が見えるのですが、そこはもうロシア。ロシア人の庭師が仕事してて、ロシア人の子供が遊んでいる。

 ”わー、すごー”とそれを横目に見つつ大きな扉を開けて、建物の中へ。

 中入って再び驚かされる。だって、階段の中央に赤い絨毯が。すごいロシアって感じがしました。なんか空気もひんやりしてて においもそれっぽい。

 いつまでも見惚れているわけにもいかないので、どこへ行けばいいのだろう、と周りを見回して、気がついた。 受付がない…。

 仕方ないので、唯一人が見える警備室らしき所の窓をあけ、”あのー、ビザ…”と言うと、 私の後ろを指さされた。

 そっちを見ると、なるほど、ちょっと隠れたところにある木の扉に”ビザ セクション”と書かれている。

 日本語分かるのかなー?と思いつつ(過去、最初に領事館に電話したとき最初に電話に出てきた人に ”日本語ワカリマセン”と言われた思い出があるので…)”ありがとう”と言ってそちらへ向かった。

 で、私はドアの前に立って思案する。入れってことなのだろうか?それとも、この前のソファーに座って待て、と言うことだろうか?

 分からないので、当たって砕けろ、とばかりにノックしてドアを開けようとすると、鍵がかかっていて開かなかった…(T T)

 しばらく、ソファーに座って待っていると、”オマタセシマシタ”と金髪のにーちゃんがやって来て、ドアの鍵を開けた。

 声で、いつも電話で妙な日本語で応対してくれていた、にーちゃんだと分かった。

 中へ入ると予想外に狭く、個人の執務室のようだった。…もっと”受付”って感じの所を想像してたのに。

 彼(アンドレイ)と私は向かい合って座り、しばらく無言でみつめ合う…。

 何やってんだか…。

 いや、私はね、向こうから何か言い出してくれると思ってたんです(苦笑)

 仕方ないので、持ってきた写真とパスポートとお金を出して、「招聘状がFAXで来てると思うんですけど」 と言うと、やっと手続きを始めてくれた…。

 アンケートを提出しないといけないのですが、その渡されたアンケート英語とロシア語しかなくて、ガーン…。

 日本にある領事館なんだから日本語の、用意してくれよー。

 言っても仕方がないので、ゆっくりと英語を読みながら書き込み出した私。

 それをね、前でジーっと見てるの(泣)書きにくいから何か仕事してて欲しいなー、と思うんだけど 思いは伝わらず、手元をじっと見つめられる。

 マジで書きにくいよ?

 意味のあいまいな単語、電子辞書で調べたいのに、見られてると恥ずかしくて出来ないし。

 入国目的の欄で、何て書こうかなー、と思ってると”セミナーと書いてください”と言われた。

 なんで知ってるの?って感じで向こうを見ると、招聘状の一部をさして、ここに書いてある、と言う。(招聘状はすべてロシア語で書いてあるので私には読めなかった)

 一応、セミナーはあるんだけど、多分ほとんど形だけなんだよねー、とも言えず、言われるままに書いた。

 続きを書き進めていると、”ロシア語出来るんですか?”と聞かれた。

 ”いいえ”と答えると、”セミナーは英語?”と聞かれる。

 ”そうです”

 答えた手前、余計、辞書を使うことは出来なくなった…。

 旅行中のルートを書く欄でサンクトペテルブルクとノヴォシビルスクのスペルが分からずに困っていると、アンドレイさんは助けてくれた。

 で、突然”ノヴォシビルスクには自分の彼女がいる”という話をし始めた。

 でも、自分は行ったことがないらしい…。

 そこから、話が弾むかなーって時になって、別の人が入ってきた。ビザの訂正に来た企業のおっちゃんだった。

 そのせいで、私たちの弾んだ会話はお流れ。残念!!

 何とか、アンケートを完成させ、お金を7000円払うと、”来週の月曜日来てください”と言われた。

 アンドレイ、さようなら。私はもっと君と親しく話したかったよ。

 次の週、領事館へ行く途中で”地球の歩き方”を読んでいると、前の週に書かされたアンケートの日本語訳が載ってた。

 それを、見ていて”パーマネントアドレス”が本籍地でなく現住所であることが発覚。

 ”やっばー。間違えた!これじゃ、今日ビザもらえないかも…”と思いつつ領事館に向かう。

 今度は領事館の門の前で、警備の人に”どちらの方ですか?”と聞かれた。

 何と答えていいかわからずパスポートを見せつつ”えーっと、どちらと言われても…ビザを取りにきたんですけど”と言うと ”個人ですか”と納得され、門を開けてもらった。

 個人で、領事館にビザ取りに行く人は珍しいんでしょうかねぇ。

 その日、アンドレイ君の部屋(?)に入ると別の金髪にーちゃんも一緒にいた。

 二人で、”こんにちはー”とにこやかに笑いかけてくる。

 出来てきたビザの確認をしながら、”前に書いたアンケート、間違ってたんですけど…”と切り出すと”モウ遅イデス。国ニ送ッテシマイマシタ。気ニシナイ” っていいんかい?

 間違いがないことを確認して、その日はもともと他の客もいたので、何も雑談できずに”ありがとうございました”とだけ言って 部屋を出ました。

 何故かまた、ニッコーと満面の笑顔で二人は送り出してくれた。

 何だったんだ?



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