「ガラ空き=快適」の真理と心理(09/22/1998)
祝日の新幹線に乗ってみた。普段は商用で、平日にしか乗る機会の無い僕だが、今回は友人に会えると言うことで、後日の商談に引っかけて一日早い列車に乗ることにしたのだ。乗ってみて分かったのだが、祝日の新幹線というのは極めて快適である。GWや盆、正月となれば話しは別だろうが、まず何といっても乗客が少ない。つまり空いているのだ。
朝10時ちょうどの名古屋駅発(東京行き)に乗車したが、ホームもがらんとしていた。平日の朝であれば、東京行きのホームはスーツ族でごったがえしているはずである。車内もガラガラ。余裕の自由席で、僕ひとりで3つのシートを独占し、菓子パンと缶コーヒー、仕事の資料、愛用のPDA、タバコなどを思う存分広げて、ゆったりと移動を楽しむことができた。さながら動くオフィス、グリーン車よりも快適では?と思えるほどである。
商用のスーツ族も少ないせいで、あの耳ざわりな、ひっきりなしに鳴りつづけるケータイ電話に悩まされることもなし、ぎゃーぎゃーうるさいガキんちょどもに安眠を妨害されることもなし、ちょっとトイレに立つのにも「すんません、すんません」と言って隣人の膝をまたぐ必要もなし、空いているとはこんなに快適な事なのか、と改めて思わずにはいられない移動だったのだ。ところでJRというのは、こと新幹線に関して言えば、こうして見るとその収入の大半をビジネス客から稼いでいるのだな、というのが良く分かる。不況まっただ中の日本、それでも平日の朝夕に走る新幹線は、どれも満席に近いはず。不況だからかえってアクセク歩き回るのか、景気が回復すればますます歩き回るようになるのかは分からないが、久々にネクタイを外して乗った新幹線の中で、「JRさん、また素敵な祝日を満喫させてくださいね」なんて思ってみた一日だったのである。
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