おそるべし、クラムボン(99/08/16)

久々にライブというものに行った。ここ数週間、ずっと気になっていたクラムボンのライブだ。いや、正確に言えば、我らが名古屋の ZIP-FM のイベント、"TELL ME" Vol.5 にクラムボンが出演していたので、それを見てきたのだ(99年08月15日18時〜 今池ボトムライン)。

イベントであるので、完全なワンマン コンサートではない。タイアップ バンドとして、canna(カンナ)、SR Smoothy(SRスムーシー)も出演していた。

今回は、そのライブ インプレッションをお届けしたい。お届けしたいのだがなんせクラムボンについては初心者である。曲名もディスコグラフィーもよく分かっていない。でもあまりに感動したので、無理矢理インプレッションを書いちゃうのだ。

ほぼ定刻の18時、暗いステージにクラムボンのメンバー3人が登場する。おもむろにハードなインストっぽい曲で始まった。「パンと蜜を召し上がれ」くらいしか聴いたことのなかった僕はいきなりぶっ飛んだ。ミトくんのベース炸裂(君のベースはギターかい……)、郁子ちゃん弾きまくり、それを大助くんのドラムがきっちり支えている。ボコーダーを駆使したちょっとサイケな曲調の展開。なんだなんだ、と思っているうちに1曲目が終わってしまった。

2曲目はお馴染み、「パン蜜」だ。もうやってくれるのかと思い、嬉しくなってしまった。こういう曲を聴くと、彼ら3人の裏打ちされたテクニックというかバンドとしての素質の良さに感動せずにはいられない。あれだけのフレーズを楽々と弾きながらボーカルをこなす郁子ちゃん、チョッパーから重音、コード奏法、なんでも来いのミトくんベース、2人が暴れまわってるのをきっちり聞いて、タイトにリズムを刻みながらもトータルなバンドサウンドを創り上げる大助くんのドラム。ユニットとは言いながらも、彼らの演奏技術は職人芸と言うべき域に達していると思う。

あと3〜4曲やってくれたのだが、最初に書いたとおり僕には曲名が分からない。だから曲ごとの解説はできないが、ただ言えることは、それぞれの曲が持ち味を持っていて、一曲一曲が主張していると言うことだ。つまり、クラムボンの曲はどれを聴いても似てるね、という言葉が出てきそうにない。作曲、アレンジの技術にもよるのだろうし、それをまた、きっちり演奏し分ける彼らの演奏技術の高さにも特筆すべきものだろう。

彼らの音楽は万人にウケるものではない。と思う。だが一度その強烈な個性に引き込まれたならば、もう彼らの音楽なしでは生きられない体になってしまうだろう。高度な演奏技術の上に展開される彼らの個性は、聴いている者を飽きさせないし、いつでも安心して聴いていられるのだ。

canna や SR Smoothy についてもレポートすべきだろうか。簡単に感想だけ書いておくと、――正直に書くが―― canna は中西圭三と郷ひろみと久保田利伸を足して3で割ったような声と歌い方。君、その声と歌い方ならもうちょっと曲調を考えたほうがいいよそれからねキーボードの兄ちゃんは不要だからユニットなんて言ってないではやくソロで頑張りなさい、って感じ。下手じゃないけど、つまんないよ。

SR Smoothy のほうは、杏里の曲を今井美樹が歌っているようだ。下手じゃないけど君もつまんない。同じく、キーボードの兄ちゃんはいらないから早く解散してソロでがんばりましょう、ってのが正直なところ。

まぁたしかに今回は、クラムボンを聴きに行くのが目的だったし、おまけに最初にクラムボンを聴いちゃったので、あとの2組は(僕のようなリスナーに言わせれば)不幸だったと思う。でも悔しかったらもっと上手くなって、個性を磨いて出直してらっしゃい。

そうそう、クラムボンだが、99年10月27日には、名古屋のライブハウス「クラブ クワトロ」でのワンマンライブが決定したらしい。好きな人とこれから好きになる人は、是非とも足を運んで欲しい。



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