Tanglewood 音楽祭


『Tanglewood音楽祭』は、毎夏、ボストンから車で3時間ほど西に走ったところにあるレノックスという街で開かれます。期間は6月の下旬から9月の始めにかけて。オーケストラはボストン・シンフォニーで変わりませんが、演目や指揮者等は日変わりで、期間中は殆ど毎夜、週末や休日は夜に加えて昼間にもコンサートが開かれます。

会場は周囲を森に囲まれ、木々の向こうに湖が眺められる緑の中にあります。コンサートはシェッドと呼ばれる客席の後方が180度オープンになっている建物「Koussevitzky Music Shed」と数年前に出来た「Seiji Ozawa Hall」のどちらかで行なわれます。

『Tanglewood音楽祭』がユニークなのは芝生席を設けていることで、オーケストラと前の方の客席(指定席)の一部は建物の中ですが、その後方の客席は青空(夜空)の元の芝生で、何処にどう座っても良いのです。芝生席の後方に座るなら、子供連れでもOK。しかも12歳以下は無料です。
(シェッドでは、目印の大木が2本あって、それを結んだイメージ上の線より後ろに座ってねと入場する時に声をかけられます。パンフレットには5歳以下はダメと書かれていますが、赤ちゃんや連れもよく見かけました。)

さらに、芝生席では飲食も禁じられていないので、皆、ピクニックをしている様に思い思いのスタイルで飲んだり食べたりしながら演奏を聞いています。アメリカ人は、楽しむことにかけては真剣ですから、レジャー用のイスを持って来るのは普通で、テーブルを持って来ている人達も珍しくありません。ただテーブルを持って来るだけではなく、テープルクロスを掛けて花瓶に花を生けて飾っている人もちらほら見かけます。そういう凝った人達もいるし、ただキルトを広げて、寝転がって聞いている人もいます。それぞれが自分の好きなスタイルで、小さな子も一緒に一流の音楽を楽しめる、贅沢な機会なのです。
夜のコンサートでは、芝生席には灯りが無いので、蚊除けを兼ねたロウソクを持って行った方がいいようです。

以下は実用情報です。
今年(1998)のパンフレットによると、特別な公演でない限り、シェッドの場合は$69〜15、芝生席(ローン)は$13です。
行くのはボストンから車(バスもある)で行けばよいので簡単ですが、宿は小さな街で限りがあるので、かなり早めに取らないと、レノックスの郊外の宿しかなくなってしまいます。しかも、週末は大抵最低2泊以上とかの連泊が条件なので、コンサートの券もうまく合わせて買う必要があります。

会場は2時間位前からオープンするので、始まるまでに飲んだり食べたりする時間がたっぷりとあります。芝生席ではない人も、コンサートが始まる前には芝生席に出てきてピクニックをしています。もちろん、会場内に食べ物を売っている所があり、そこに椅子やテーブルも数卓ありますが割高です。
レノックスの街には、コンサートへ持って行くランチ・ボックスを売っているお店もあるので、お弁当が用意できない場合でもそういう所で食べ物や飲み物を仕入れて、コンサートだけでなくピクニック気分も満喫しましょう。

芝生席では敷き物は必須。椅子も持って行った方が楽だと思います。お天気が良い場合は、帽子や日焼け止めを忘れずに。持ってこなかった場合は、先に書いた大木の木陰をゲットしましょう。
日本人にとっては馴染みのない習慣ですが、こっちではアウト・ドアにクーラー・ボックスは必携ですので(というのは大袈裟ですが)、クーラー・ボックスに色々冷たい物を詰め込んで炎天に備えましょう。
うちの子は、隣に座った家族が大きなクーラー・ボックスからスイカ(1/2くらいの大きいやつ)を出して食べているのを、文字どおり指を加えて眺めていて、あんまり憐れっぽかったのか、スイカをもらっていました。

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