店主の読書日記 JUN2002
タイトルリスト 作家別リスト

2002/6/28

 ただ今、仕事が忙しく、夜8時を過ぎても昼間のようにみんなが残ってるという状況で働いている。
 先週は一人入院してしまったので(1週間入院してもう出てきた)、その分割増で忙しくなっていた。  向かいの席の後輩が言った。
「倒れたもん勝ちですね」
 別の後輩が言う。
「自分の健康が憎いーーーっ」
 うちのお嬢さん方はきれいで有能である。多すぎる業務さえ、その高い処理能力でこなしてしまって、本当に深刻な事態になることが少ない。
 7月は毎年、社外向けイベントがある。昨年まで事務局を私のいる部署がやっていたのだが、繁忙期ということもあり、今年からアウトソーシングしてみた。一部、外部に業務委託をしたのだ。
 その結果、委託先の担当の女性はノイローゼになって会社にこなくなってしまったという……。
「えっ!」
 その話を聞いて、部内で驚きの声があがる。
 うちのお嬢さん方ときたら、他の業務と兼任でこなしながら、なおかつ元気に出勤していた。
「……私達、図太いってこと……?」
 今ごろ気がつくみんなが、私は大好きだ。

 『香港 おもしろシティ復活!』(トラベルジャーナル)読了。
 旅行形態がこれだけ変わっているのに、ガイドは従来の形式でいいのか、という考えのもとに編集されたガイド。ガイドというか、コラム集に近い。
 今(と、いっても発行は2000年だけれどさ)の香港を切り取った記事集とでも言えばいいのか。
 普通のご家庭拝見・今日的お洋服事情・香港映画最新(って2000年現在だけど。←しつこい)情報などなど。
 編集方針にケチをつけるつもりではないが、やっぱりガイドブックはガイドブックの内容を求められるのだと思う。旅行者は地図が欲しいし、レストラン情報だって色々欲しい。これから行く初心者には情報が少ない割にちょっと高価(1,700円)だろう。
 逆に、香港フリークには物足りないんじゃないか? 位置的にどっちつかずな気がするんだけど、どうなんだろう。


2002/6/27

 サッカーのW杯に、イギリスという国は出場していない。出場しているのは、イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ。
 さて、同僚のマメちゃんからこんな話を聞いた。
「スコットランド人の友達に『スコットランドが負けた後は、やっぱりイングランドを応援するの?』って聞いたんだよね」。
 マメちゃんにしてみれば、高校野球の感覚である。自分の県が負けたら隣の県の代表を応援する。マメちゃんの故郷の富山県が敗退したときは、県民は金沢(加賀県)を応援するのだ。
「とんでもない!」
 スコットランドの友達は激しく否定した。「なにいってやがるんだ、このバカ!」くらいのイキオイがあったそうだ。
 スコットランドが敗退した後、イングランドを応援しないでスコットランド人がどこを応援するのか。
 答えは
 イングランドの相手チームを応援する
 で、あった。
 それを聞いた時は、「民族間の問題って……」と、やや遠い目になった私である。
 今回のW杯にあたり、スコットランドの議員が
「お隣なんだから、イングランドも応援しよう」
と、発言した。
 この平和的で友好的な意見は地元から大ブーイングで迎えられ、街頭インタビューでも90%近くが不支持。その議員は再選が危ういとまで噂される。
 どうやら、私の目の黒いうちには「イギリス連邦の代表チーム」というのは見られない模様。


2002/6/26

 子供の頃、「Dr.刑事クインシー」という番組が好きだった。クインシーはロスの監察医さんで、運ばれてきた死体をきっかけに事件の謎を解く。
 よく「死人に口なし」といいますが、死体ほどおしゃべりなものはないのです――。
 番組は、このしびれる(←死語)ナレーションで始まる。監察医が事件の捜査をするのは今、考えると変な気がするが、まあ、いいや(笑)。後発の(←私にしてみれば)P・コーンウェルの『検死官』シリーズだって、かなり捜査に立ち入ってるもんね。なにより、1976年の時点で、TVドラマに法医学の知識を入れようという試みはかなり新しかったはずだ。
 我が家は割とアメリカTVシリーズが好きな家庭で、ケーブルTVでも16chの視聴時間が一番長い。16chは海外のTVドラマシリーズの専門チャンネル。「刑事コジャック」「刑事スタスキー&ハッチ」「特別狙撃隊SWAT」などなど、SFなら「宇宙空母ギャラクティカ」「スペース1999」「スタートレック」などなどというラインナップを放映している。ナード(おたく)なファンには、たまらないチャンネルなんじゃないだろうか。
 でも、オタクじゃなくても面白いのよ。70年代のドラマだからなんてバカにしちゃいけない。
 なにしろ、今うちの母と妹が一番熱心に見ているTVドラマは「ダラスなんだから(笑)。
*ダラス……原題"DALLAS"。テキサス州・ダラスを舞台に、油田開発で大富豪となったユーイング家の愛憎渦巻く人生ドラマ。1978年から放映され、13年間続いた。16chでは週2回放送をしているので、母と妹が見終わるまでには6.5年かかる計算。

 『死体は知っている』(上野正彦/角川文庫)読了。著者は元監察医。
 クインシーを思い出しましたねえ。
 著者の著作活動が90年代からだったことを考えても、クインシーの存在は大きいような。
 「Dr.刑事」という邦題はアレだけど。


2002/6/25

「なぜビールはのどごしがウマイのか」
「なぜ良薬は口に苦いのか」
「サケは川から海へ回遊するけれど、海に出た時しょっぱくないのか」

 こうした疑問に答えてくれる本、『味と香りの話』(栗原堅三/岩波新書)。
 新書で学術書寄りで研究者が書いた本というと、少し前に読んだ『
科学鑑定』と比べてしまうのだが、うってかわって読みやすかった。
 専門用語はたくさんでてくるし、化学式さえ出てくるのにどうしたことだろう。
 たぶん、ひたすら書き手の問題なんだろう。研究者として優れた人、いい授業ができる人、一般向けのわかりやすい本が書ける人。この3つはたぶん別々の筋肉で、2つ以上一緒に持っている人は少ないに違いない。
 一般向けのいい科学の本って、一種奇跡の産物なんだねえ。


2002/6/24

 さて、3日続けてナイフ・マガジンネタで恐縮だが、また書く。
 今日、電車の中でナイフ・マガジンを読んでいたら、隣の人に声をかけられた。
「興味があればうちのチームに遊びに来ませんか?」
 どうやら、ナイフ・マガジンなどというコアな雑誌を、しかも熱心に(←ネタに使おうと思っていたから)読んでいたところからのスカウトだったらしい。
 折しも私が読んでいたのは、コンバットナイフのページであった……。
 関東陸運局のKさん、お名刺ありがとうございました。ええ、気が向いたら参加させていただきます。ジープとかコンバット・スーツとかには全然詳しくないけど。

 しかし、1,050円で3日もネタにできるとは、なんてコストパフォーマンスに優れた雑誌だ、ナイフ・マガジン。


2002/6/23

 この日は、実は頭が痛くて1日だらだらしていたので、前の日に買ったナイフマガジンについて書いてみよう。
 まず、読んでいて単語がわからない。サム・ホール。シース。ラブレス……。
 この本を買う人にとってはアタリマエの単語なのだろう。しかし、私のようなシロウトには、わけのわからない謎の呪文。やはり、その道を極めるのは、難しい。
 しかも、濃い。
 ちなみに、私が今まで木屋で買った中で一番高いものは、ライヨール社のソムリエ・ナイフである。バースデープレゼント用で、本人からリクエストがあった。お値段18,000円也。ソムリエナイフなんか、メーカーでなければ1,000円もしないで買える。
 なんだかプロのグッズという感じがして、私にはきっと永久に買えないものなんだろうなあ、と、思った。価格だけなら買えるけれど、何もしらないシロウトが持っていても道具がかわいそうだ。

 そういえば昔、釣りが趣味の上司がいた。釣った魚をおろす包丁を買いに合羽橋に行って、3万円のか5万円のものかお店で悩んだそうだ。(安い方の値段でもすげーや)
 悩んでいたらお店の人が
「兄さん、シロウトなら3万円のにしときな」。
 そうそう、モノと値段ってそうなんだよね。ただの会社員が5万円の包丁を使っていたら月給100万円もらっていても贅沢だけど、月給10万円の寿司職人が10万円の包丁を使っていても贅沢じゃない。
 四畳半に住むピアニストがグランドピアノを買って、たとえその上で寝ていても贅沢じゃない……って、和田勉のドラマのセリフだったかな? 


2002/6/22

 日記に「お店に質問しに行きたい」と書いたら、BBSでみなさんが応援(そそのかすとも言う)してくださったので、勇気を出してお店に行ってみた。
 日本橋・
木屋。創業が寛政4年(1792)という、たいへんな老舗である。
 土曜日のせいか、店内にはあまり人がいない。
 困った。
 こんな雰囲気で突然色々お話を聞くなんて、できるもんではない。聞きたいことはあるのだが言い出す勇気がなかなか出ない。思わず、店内の商品をじっくり見てしまった。まるで、告白しに彼のクラスに来たのはいいものの恥ずかしくって勇気が出ず、自分のクラスまで帰ろうと階段を降りたがやっぱり告白したいし彼のクラスに戻ったはいいが言い出せず……ああっ、書いてるだけでうっとおしいっ!
 まあ、とりあえず20分くらいは、そう広くもない店内をうろうろしていた。だいたい、この店に若い(そう若くもないが)女性が一人でいることなどめったにないのだ。なにしろ、ブツは刃物。普段来るのは包丁を使うプロか、趣味にお金をかけるおじさま達。間口もせまいので、フリのお客が入れるような雰囲気でもない。
 もう、いるだけで目立ちまくりである。
 店内に置いてあるナイフ・マガジン(そんな本があったのね!)をぱらぱらとめくっていたら、店員さんが
「中2階にバックナンバーもありますよ」
と、教えてくれた。
 中2階。この店を知って10年以上経つが、初めて登ったよ、私は!
 これだけうろうろして何も買わないのも気が引けるので、ナイフ・マガジンのバックナンバーをレジに持っていく。お会計をしてくれた責任者らしき男性に言われた。
「刃物がお好きなんですか?」
 ああああああっ。
 店内を目的もなく長時間うろつき、買ったものはその道のツウしか買わなそうな月刊誌。しかもバックナンバー。
 あやしくなくふるまおうとした結果、いちばんアヤしい人になってるじゃんかよーーーーっ。
 くくう(涙)。
 来週こそ。(←まだあきらめてないのか、リオハ)


2002/6/20

 最近の店主のお気に入り絵本、アン・グットマンのリサ・シリーズ!
 実は、この本との出会いは結構サツバツとしていて、去年の9月ABC(青山ブックセンター)だった。平積みの絵本。しかし、表紙の背景にはしっかりと世界貿易センターが描かれていた!
 主人公のリサはおじさんをたずねてNYへ行く。今はもうない世界貿易センターでおみやげを買う。
 読んでいて、絵本に罪はないんだけれど、なんか物悲しくなってしまったことを覚えている。
 そんな出会いではあったけれど、このシリーズは本当に私好み。主人公リサと友達のガスパールは犬……うさぎ、いや、羊……いや、もしかしたらぬいぐるみ?……と、何の生き物かよくわからないのだが(笑)、まずこいつらがカワイイ♪
 メイド・イーン・フラーンスだけあって、リサもガスパールもちょっとクセがある子供達で、そこがまた面白い。大人のファンが多いのもうなずける。

 最新刊が『リサとガスパールのであい』(アン・グットマン文・ゲオルグ・ハレンスレーベン絵・石津ちひろ訳/ブロンズ新社)。
 実はリサとガスパールの家族以外の登場人物は普通の人間である。転校してきたリサを見たクラスメイトが言う。「ガスパールに似てるね」。
 言われたガスパールは内心思う。
 「どこが にてるっていうんだ!」 。
 くりかえして言おう。他の登場人物は普通の人間である。
 リサとガスパールは、これ→とこれ→である。
 ……。
 …………。
 そっくりやんけ。
 そうツッコんだのは私だけではあるまい。
 なにはともあれ、最近の私のイチオシ絵本。お子様のいるご家庭はぜひ。いなくてもぜひ。


2002/6/19

 ちょっと前の話だが、毎日、最寄駅の駅コンビニで買うジュースがあった。サッポロの「美味しぼり」。
 きりりの中に細かいゼリーが入っている感じ。いや、味はいいのだ。どうでも。
 これのオマケにボトルキャップがついていた。世界名作劇場……往年のカルピス劇場の動物たちがモチーフである。アメデオ、ラスカル、パトラッシュ……。袋の裏面の写真を見てるだけでもカワイイ。
 どうせ毎日水分は取るので、1本買ってみた。
 電車を待つ間にオマケの袋を開けたら、中からラスカルが出てきた。袋の裏面を見ると全7種類あるらしい。毎日買っていれば揃うかなあ、と、思いつつ電車に乗る。
 当然、帰りも駅を使うのだが、ふと思いついてコンビニをのぞいた。
 「美味しぼり」の列がそっくりなくなっている。
 私のような物好きが買うのかしらー、と、思って翌日も同じコンビニに寄った。何しろ駅の改札のすぐ脇である。
 「美味しぼり」は2列に増えていた。オマケつきの1本を手に入れ、電車に乗る。
 思いついて、帰りにコンビニをチェックしてみた。
 ……2列とも売り切れていた。

 どうも、このオマケ、世間では有名な海洋堂というところが製作したらしいのですね。(TV Brosで見て、初めて知った) コレクターに大人気のブランドだけあって、マニアが大人買いしていたらしい。
 私なんて、価値を知らないから
「こんなもん、出てきたよ。あげるねー♪」
と、妹にあげちゃったよ。
 後日、大人気でインターネットで既に高価取引されてるらしい、という話をしたら、妹、
「……返そうか?」。
 いいの、どうせコレクターになる几帳面さとか根性はないから(笑)。
 しかし、一般に認知されるためのキャンペーン(ボトル・キャップのオマケ)なのに、マニアに大人買いされて店頭にないんじゃ、逆効果なのではないのだろうか? もしかして。


2002/6/18

 朝、館内放送があった。
「本日は日本−トルコ戦です。15:30キックオフなので、それまでに業務が終了した方は、1階特設応援会場へ……」
 って、普通、15:30に業務は終わらないと思うぞ。このビルでフレックスで働いている人はそういないだろうし。

 『香港』(ジャン・モリス、飯島渉・伊藤泉美・西条 美紀訳/講談社)を読む。
 ブックデザインのいい本は、美しいドレスをまとった若い娘のように人を惹きつける。この本もブックデザインがものすごくいい。
 中国皇帝の禁色・黄色に龍のイラスト、文字色は中国の喜色・赤。
 発行は香港返還前の1995年だから、当時出版社も力を入れた旬の本だったのだろう。
 しかし、別に今になったら価値のない本か、と言えばそんなこともない。著者のジャン・モリスは詩情溢れる文章を書く人で、歴史を語るときにもその詩情を忘れない。そして、帝国主義の研究者としてのシニカルな視線も忘れていない。
 シニカル(おもにそのシニカルさは自国イギリスの帝国主義に向かう)な香港の歴史を書いた本。
 すべての人が読んで面白い本ではないと思う。
 ただ、私にはすごく新鮮だった。日本人が書いた外国の本はあるし、外国の人の書いた自国の本もある。そういう本は目にする機会も多い。外国人が自分の国ではない土地のことを書いた文章、この視点が新鮮だった。
 しかも、これは1995年当時の香港の状態をよく表しているのだが、イギリス人の著者にとってはまったくの他国ではない。当時、香港はイギリスの租借地だったのだから。まったくの植民地でもない。なにしろ、99年の約束での「租借」だったのだから。
 香港が返還された今、著者が香港について書いても、これと同じ本にはならないだろう。香港の生い立ちや歴史が変わるわけではないが、著者の視点はあのときとは違う。
 そういう意味では、本当に出版当時が「旬」だったのだなあ、なんて思う。


2002/6/17

 銀座を歩いていて号外をもらった。
 アメリカ、メキシコを下す――。W杯でかつてこんなことがあったろうか。……あったみたいだ。72年ぶりらしいけど(笑)。

 銀座三越でお土産を買って帰ることにする。
 地下の食賓館は少し前にリニューアルして、新しいブランドがいくつか入っている。本日はGIOTTOの1日500個限定のシュークリーム。激コミの列をくぐりぬけGETすると、まるで靴を買ったかのような高級感のある箱に入り、さらに高級感のある紙袋に入れてくれた。
 ここのケーキはどれもこれも高いけれど、ひとつひとつがアートのように美しい。
 いつも
「こんな小さなかたまりに500円も出せないわよ、きいいいいいっ」
という私でさえ黙らせるほど(笑)。
 まだ、あまりテナント展開してないのかな?
 銀座三越にお立ち寄りの際はのぞいて見てください。買わなくても、見るだけでもキレイだから(笑)。


2002/6/16

 小学生になりたい。
 今、お店やさんで色々質問したいことがある。もちろん、行きつけなどでなく店員さんも知らない。しかも、質問の内容がうさんくさいことにかけては自信がある。
 たとえば、船の中で船員さんに
「どうしたらシー・ジャックができるんですかあ?」
と聞いても、小学生ならオッケーだろう。
 いい大人の私が聞いたら、この御時世、通報されかねない。
 だから、小学生になりたい。「社会科研究」の口実でなんでも聞ける小学生に。


2002/6/15

 オフに行ったとか、ランチを食べたとか、この日のトピックスは色々あったのだが、私にとっての最大の出来事は「ウクレレを電車内に置き忘れたこと」だった。
 私は、自分が忘れっぽいことをよく承知している。だから、普段ウクレレを網だなに乗せるようなリスキーなマネはしない。しかし、直通の快速に乗り、西大井で降りる=すなわちウクレレ教室な状況だったら大丈夫だと踏んだのだ。
 アンラッキー……。
 なぜか本日に限って、電車は豪雨のため東京駅で突然行き先を変えやがった。しかも、東京駅に着いてからである。回送になるからとっとと降りろと、アナウンスもせかす。
 いや、イイワケはやめよう。とにかく自分が悪いんだから。
 手ぶらで教室に行って、一番後の席にそっと座る。途中で私が何も弾いてないことに先生が気がついた。
「ウクレレ、電車の中に置き忘れちゃったんです……」
と、言うと、教室内に「ええ〜っ!」という声が響く。音響効果もばっちりな部屋だけあって、個人的にはW杯で日本がロシアに点を入れた時の歓声なみに聞こえた。
 教室が終わると、口々になぐさめくれる。
「見つかるといいね」。
 しかし、しかしですよ。同じ教室にいるだけあって、私と同じ程度のウクレレばかが揃っている。
「持ってかれちゃったのかなあ、ウクレレって飾っておくだけでもかわいいもんねえ」
と、私を不安のただなかに落とすようなことを言うじゃありませんか。
 しかも、
「見つからなかったら、新しいの買うかあ……」
と、言ったら、
「いいな〜っ、新しいウクレレ!」
と、言われちゃたではありませんか!(笑)
 いいですか、みなさん。ウクレレは恐ろしい楽器です。
 人を、犬ばかのようにウクレレばかにしてしまう楽器です。
 そして増殖する楽器です。
 用法容量に気をつけて扱いましょう。
 そして、網だなに置き忘れてあったウクレレを見つけたら、駅員さんに知らせてあげてください。


2002/6/14

 『お江戸の意外な生活事情−衣食住から商売・教育・遊びまで−』(中江克己/PHP文庫)読了。  内容は、出版社の紹介文の
 江戸庶民の普段の衣・食・住はどのようなものだったのだろうか。本当にテレビドラマや映画のようだったのだろうか。本書ではその他、遊びや労働、犯罪など、江戸庶民の実際の「意外な生活ぶり」を紹介する。
 の通り。
 1両を10万円換算として、生活にかかわるものを現代の値段換算している。もちろん、江戸前期と後期では貨幣価値が全然違う。まえがきにもその点は書いてあって、それでもあえてわかりやすく換算している。もちろん、それには意味がある。
 お金でものを買うというのは、一番日常的な行動だからだ。
 海外旅行にでかけても飲み物のひとつくらい買うだろうし、日本の価格に比べて「わ、高い」とか「安〜い」と言った覚えは誰にもあるだろう。そうしたひとつのスケールをつかうことで、お江戸の暮らしが、21世紀に住む私達にぐっとせまってくる。
 大工の日給が12,500円、屋台の蕎麦が125円、富くじが25,000円……。
 こうして色々なものを値段で切ることで、江戸の暮らしの端々が鮮やかに見えてくるような気がする。


2002/6/13

 某社の発表会に夕方から行った。
 色々な意味でつらい発表会であった。まず、時間の半分が英語の講演である。
 そして、そのあと歓談の時間があって料理が用意されているのだが……知り合いのいない立食パーティが寂しいことが、本当によくわかったぞ。あんまりわかりたくなかったけどさー。

 適当なところで宴会を失礼してタクシーを拾う。
 本日は余りチケットが友人からやってきて、
劇団☆新感線を見に行くのだ。会場は赤坂ACTシアターというところ。発表会会場は永田町だったから、10分くらいで着いて滑り込みで開演に間に合った。 『スサノオ−神の剣の物語−』。
 なぜだか、3回目のスサノオざんす。初回のスサノオは古田新太で、2回目のスサノオも古田新太で、今回のスサノオはTOKIOの松岡くん。なんだか、イキナリかっこいいスサノオになってビックリである。日頃3回公演をやっているジャニっ子だけあって身も軽い。
 89年の舞台で、内容も同じ。オリジナルキャストのものを見てるから違和感あるかな、と、思ったら、これが全然ない。
 ちょっとキャストを比べてみようか。

1989オリジナル/2002バージョン
スサオウ……古田新太松岡昌宏
タケハヤ……高田聖子佐藤仁美
クシナダ……羽野アキ野村祐香
カゼヨミ……粟根まこと生田斗真

 これだけ違って違和感がないのは、中島脚本といのうえ演出こそが新感線テイストってことなんだろうな。さすがに松岡スサノオは古田新太の重たさ(……体重か?)がなかったが、クシナダの野村祐香がいい感じ。オリジナルより好きかも。
 フレッシュとか若さって、それだけでいいものなんだ、とシミジミ感じた夜だった。
 ……って、ああババくさい。


2002/6/12

 やっと全巻読破しました。『蒼き神話マルス』(本島幸久/講談社マガジンKC)。

 虚弱体質の血統を持つ蒼い瞳の馬・マルスと、騎手・馬守(まもる)。マルスの誕生から、ライバルとの死闘までをドラマッチックに描いた全13巻。

 元々、馬はなんとなく好きで、モノレールに乗ると必ず羽田方向に向かって右側に乗ってしまう。TCKのお馬さんたちを見るためだ。特に朝早いと、厩舎から出て歩いているところを車内から見放題。うはうは、こりゃたまらん。……と、2階建て新幹線MAXの1階から女子高生を見るオヤジのように窓ガラスに貼りついている私である。(←長いっ)
 私は競馬にウトい。
 この本を読むまで「グリーンチャンネル」(競馬専門の衛星放送)を「『趣味の園芸』をずーっと放映しているチャンネル」と勘違いしていたくらいウトい。
 そんな人間が読んでも面白かった。ちょっと違うが、勝敗がつくという点ではスポーツものの要素もあるし、馬と騎手というところでは異種間友情ものの要素も持っている。そういう色々な要素を入れた少年マンガの王道なんじゃないかなあ、と、思ったり。
 でも、馬に眉毛があって、クールに「フッ」と笑ったり、挑戦状を叩きつけて「ニヤリ」と笑ったりするのが許せないならオススメしない(笑)。


2002/6/11

 先日見つけた「禁断のハイブリッドマニアック」の別館に「プリンプリン物語」の項目があったので、しげしげと見てしまった。
 NHKの人気人形劇だったので、覚えている人も多いかもしれない。放映は1979(昭和54)年〜1982(昭和57)年、NHK総合で放映されていた。
 「プリンプリン物語」は人形劇ミュージカルだった。登場人物が突然、やたら劇中歌を歌うのが特徴だ。そのおバカなストーリーと劇中歌のステキな歌詞で、私はこの番組が大好きだった。
 なんといっても、私の一番人気は悪役・ルチ将軍。
 IQ1300の頭はその脳みそを入れるため、後頭部がふくれてピーナツのような形になっている。スキンヘッドの横の「1300」の文字もイカす、ステキ悪役であーる。彼の独裁するアクタ共和国の国歌なんて、いまだに歌えるもんな。
 いや、悪役といえばランカーを忘れてはいけない。彼はプリンプリンに求婚というセクハラを続ける、シリーズを通しての悪役。「ランカーの歌」も歌えるぞっ。部下の「ヘドロの歌」もばっちりだ。ヘドロといえば「世界お金持ちクラブの歌」も忘れられない。
 お金♪お金♪お金♪お金♪お金♪お金♪
 お金さえあれば何でも手に入る〜♪
 ……いいのか? NHKが子供向け番組でこんな曲流して(笑)。

 ふと、思ったのだが、私は人生の早い内に脳みその容量がいっぱいになってしまったのではないだろうか。その証拠に、最近BBSで話題になった高校時代のことはサッパリ思い出せない。
 しかも、このHDD、削除は一切できないあたりが始末が悪い(笑)。

 本日は、ある一定の年齢以上の方しか楽しめない日記でしたね……。ごめんなさい。


2002/6/10

 法医学鑑定に関してよくわからなかったので『科学鑑定−ひき逃げ車種からDNAまで−』(石山夫/文春新書) を読んでみた。
 医学鑑定から、科学鑑定、プロファイリングまで説明してくれる親切な本。ボリュームもそんなに多くなくて入門書としてはちょうどいい。……のだが、私にはそれでも難しかったよ〜。
 なんとなく、いかに自分が理系にバカかを思い知った気がする。
 ところで、この本では実例を挙げて鑑定方法について説明している。↓の事件をみなさんは、ご存知だろうか。

 Aは甥の殺害を決心していた。
 死んだ兄の後を継ぎ社長となったAは、黒い噂が絶えなかった。兄の死についてもAが何か関与しているのではないかという噂だ。
 最近、甥を次期社長に推す首脳陣の動きがある。
 なにかとダークな噂のあるAを退け正当な後継ぎである甥をトップに推す動きは、見過ごせないものがあった。このままでは、兄を殺してまで手に入れた社長の地位が危ない。
 3月10日、Aは兄の遺児である甥を趣味のハンティングにさそった。人里離れた山中は目撃者もなく、絶好の機会だった。
 Aは甥を射殺して、山中に埋めた。心配してついてきた甥の幼なじみも一緒に片付けた。Aにとっては、一緒に殺す人間が一人増えただけのことだった。
 二十数年後。
 Aの甥の息子であるBは、晴れて社長となっていた。Aの魔手をさけるため、地方で静かに身を隠していた日々も懐かしい。狡猾で残忍なAは亡くなり、Bの命を脅かすものも今ではいない。
 そうなってくると気にかかるのは父親の行方だ。生きてはいないものと覚悟していたが、せめてなきがらなりと葬ってやりたい。ついに、父と幼なじみの遺骨が掘り出された。土中に埋められて28年、2体ともすっかり白骨化していた。
 2体は、からみあうように乱暴に埋められていた。他の骨は分けることができなかったので、頭蓋骨だけは歯科のカルテをもとに鑑定し、納骨したのだった。

 ミステリ風に書いたら、なんだか長くなってしまった。
 文中Aは雄略天皇。Bは顕宗天皇と仁賢天皇(二人は兄弟)。5世紀の出来事である。事件簿が載っているのは「日本書紀」。
 これくらい古い昔から、遺骨の個体判別をしていたんだよ、ということで。(「歯科のカルテ」は実は乳母の談話ですけれどね)


2002/6/9

 きちんとマジメな感想文は書いちゃったから、『模倣犯』に関するくだらないあれこれ。
 メインキャラクターで、殺された被害者の祖父である有馬義男は豆腐店を経営している。ここの豆腐がなんかいい感じ。がんもどきも自分のところで揚げている。しかも、秋深くなってからの季節商品。
 豆腐だけは、多少高くても豆腐屋さんの豆腐がいいぞ。
 近所に住んでいたら、「縁起が悪い」などと思わず毎日買いに行く。うん。

 読み終わったので、映画のキャストを見た。はじめに見ちゃうと影響されちゃうので、入れないようにしていたのだ。(でも、中居くんはもう不可抗力だった……) 私的に注目はカズ。
 ……ふ、藤井隆ぃ?
 イメージとはものすごく違うけど、合ってる気もするな。

 あることを検索していてて、みつけた「禁断のハイブリッドマニアック」。
 60〜80年代に放送された懐かしのテレビ番組の検証、だそう。(でも、どっちかっていうと60年代に片寄り気味だと思うぞ) 懐テレマニアには楽しめる……かも。


2002/6/8

 読み終わりましたーっ。>『模倣犯』
 いやいや、しんどい話だった。
 実際、この世に正義なんてないのかもしれない。弱いものが傷つけられて、傷つけられた方を罰っすることはできても、傷がなくなってしまうものではない。
 日常生活というのはガラスの器みたいなもんで、いったん壊れると修復はできても前と絶対同じにはならない。
 身を持って知っていることを、否応無しにもう一度叩き込まれたような作品だった。
 とにもかくにもボリュームがスゴイ。ご覧になった方はおわかりだろうが、あれだけ厚い本で中味は2段組である。連載期間3年。改稿期間2年。原稿用紙で3551枚。これだけボリュームのある本が、そのボリュームで何を語るかというと……人間。
 今さらいうまでもなく、宮部みゆきは市井の人々を書くのが上手い。でも、今回の『模倣犯』にいたってはドキュメンタリーのような様相がある。被害者それぞれを丹念に何年もかけて取材した、ノンフィクションライターの書いたもののよう。
 あんまり本の人々が生きていて、現実の方が希薄になる瞬間さえあった。
 バス停でバスを待っていて、なぜみんな不安げな様子をしていなのか不思議に思ったり。これって、ニュースの向こうの事件が現実感がなかったり、逆に報道をあんまり見つづけると自分のように脅えていない人が不思議に思ってしまうことに似ている。
 どうしてこんなに細かくそれぞれの人間を生かしたかというと、たぶん、意味がある。圧倒的な実在感を演出してから、作者はその普通の人間の日常を破壊するのだ。
 多くの人にとって、殺人事件のニュースは別の世界の出来事だ。
 『模倣犯』の中ではそうではない。被害者の心によりそい、被害者の家族の心によりそわされる。否応なしに。犯人の心にまでも。
 ものすごくシンドイ体験であるけれど、ものすごく重厚なドラマを体験できることは約束できる……と、思う。


2002/6/7

 第2部を読み終わって、下巻に突入。>『模倣犯』
 非人間的でやたらこわかったピースが、第2部が終わって、ちょっとこわくなくなった。別に好きになったといことじゃなく。
 こうしたこから考えると、人間が一番怖いのは「正体のわからないもの」「未知のもの」らしい。

 色々な人が色々な思いを重ねている『模倣犯』。
 特にカズの思いが悲しい。
――笑われてもけなされても手をさしのべなきゃいいけなかったんだ。
 視覚障害のため、グズだバカだといわれているカズ。恥ずかしがりやで口も達者ではない。
 でも、優しくて仕事を愛して、幼なじみのことを気にかけてかけてかけて。
 こんな地の塩のような人が、決していい目を見ないあたりも悲しい。


2002/6/6

 すごく久しぶりの友達からメールが来た。
 現在、子育て中。子供を連れて動物園に行ったそうだ。
「ナマケモノを見ててリオハ(仮名)ちゃんを思い出しました」。
 ……。
 まあ、キング・オブ・ぐーたらとしては名誉なことかもしれないけどさっ(笑)。

 しかし、まったく不名誉なことに
「『ハイホー』を聞いて、リオハ(仮名)ちゃんを思い出しました。『ハイホー♪ハイホー♪しごーとがすきー♪』って歌ってたよね?」
とも。
 ええ、今でも時々歌いますよ。残業中に。
 夜10時を過ぎると、労働歌くらいないとね。


2002/6/5

 去年、ニュースを見ていたときのこと。
 TVでは、池田小学校が映されていた。あの事件から半年、と、ナレーションが入って、「もう半年か」と思った。
 それを見て母が言った。
「私達にとっては『もう半年』だけど、被害者の家族には一生続くんだよ」。
 私は想像力がそんなにない方ではないと思う。思うのだが、そのとき初めてわかった気がする。暗くて辛くて切なくてやるせない思いが一生続くことが。少し薄れはするかもしれないけれど、決してなくならない重たい重たい思い。
 ぼんやりした想像じゃなく、触れるような実感をともなって。

 で。
 覚悟を決めて『模倣犯』(宮部みゆき/小学館)を読み出した。
 つらい。重さが。
 いや、内容もつらいけど、ストレートに重量が(爆)。私のバッグは毎日モバイルPCを入れているかのよう。
 借りもん(お父様によろしくお伝えください>AI)のくせになかなか読む決心がつかなかったのは、この重量のせいだったのだ。今、1部を読み終わったから、少なくとも、これが3日は続くのね……。
(前半の文章、後半で台無しか!?)


2002/6/4

 オフィスを出ようとしたら、さざなみのような音がした。
 1Fの吹き抜けのホールで開催中のワールドカップ、ライブ応援の声デシタ。プロジェクターを設置し、いつものカフェを観戦会場にして盛り上がっている。
 もしかして、うちの会社は普通よりサッカーファンが多い気がする。
 なぜかというと、南米帰りが多いからだ!(笑) 私の上司も、ニューヨークx2、シカゴx1、アブダビx1、フランクフルトx1、ロンドンx1、ブラジルx4と、とびぬけてブラジル帰りが多い。だいたい、ヨーロッパだってサッカー人気が高いところだし。

 そんなブラジル帰りの元上司から「アケーシャ」というニックネームまで頂戴していた……という話はさておいて。
 先日読んだ『
世界人名ものがたり』の補足で、『人名の世界地図』(21世紀研究会編/文春新書)購入。
 これはかなり使える。特に巻末の大索引がとっても便利。
 『世界人名ものがたり』は副題が「名前でみるヨーロッパ文化」だっただけにヨーロッパ中心の本だったが、今回はアジアの名前についても解説されている。アイヌの命名法なんて、知る機会もめったにないのではないだろうか。
 よく知られている名前に関するエピソードも興味深い。例えば、「奥様は魔女」のダーリン。

 日本語の吹き替えでは魔女サマンサがご亭主を「ダーリン」と呼んでいたが、あれは、「愛しい人」と呼びかけるダーリンDarlingではなく、実は「ダレン」という固有名詞だったのだ。

ですって。知ってました? 奥様!


2002/6/3

 さて、続けてヨーロッパ史の本を読んでいるわけだが、私は世界史がとても苦手だ。なんでこんなに苦手か考えてみた。
 ……。
 結論、高校時代に勉強しなかったから。
 ……あ、引かないでくださーい(汗)。続きがあるんだから。
 私のクラス担任は変な人だった。担当は社会科。もちろん、担任だけあって、社会科のいくつかは彼の授業担当である。私のクラスは確か「世界史」であった。
 確か……ってあたりがすごいが、それもそのはず、彼はまったく教科書を使って授業をしなかった。自作のプリントを使っていた。世界史の自作プリントかというと、それもちょっと違う。
 彼が使うのは、雑誌や本のコピー。いわゆる、ノンフィクションの文章。アーティクルは「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」。
 高校生にこのテーマはヘビィだった。
 なにしろ、教科書の文章じゃないだけあって、生々しい。
 今でも覚えているのが、南京大虐殺の「首を切られながら、皮一枚で生の瀬戸際にいる、なんとも壮絶な被害者なのだった」という文章。もとの文章には、写真も添えられていて、ぼんやりと生首らしきものがたくさん見える。コピーのガリ刷りという状態の悪いプリントに、密かに感謝した。
 授業の前半はプリントを音読する。そして、後半は、それについて感想を書く。
 1年間、ほぼそういう授業だった。従軍慰安婦や南京大虐殺など、教科書に載らない世界史だけでなく、「藤田まことの魅力」なんていうプリントもあった。
 私は毎週毎週、作文を書いていた。もちろん、私だけでなくクラスの全員が作文を書いていた。
 この授業が良かったか、悪かったかはわからない。
 大学受験で世界史を選択するのはハナからあきらめたし、今でも私の世界史の知識は惨憺たるものだ。
 それでも、私はあのころ、毎週毎週真剣に作文していた。もしかして、今よりもう少し真剣に。
 今、私がおちゃらけた文章を書いていても、根っこのどこかには、まじめに従軍慰安婦問題について憤る高校生の私がいるのだ。たぶん、ずっと。


2002/6/2

 紋章もそうだが、本当に西洋のことがわからないので、『世界人名ものがたり』(梅田修/講談社現代新書) を読んでみた。
 人の名前というところから、ヨーロッパの歴史について語る本。
 なにしろ、ワタクシ、同じ名前がヨーロッパの国によって変化するっていうのを、結構最近になって知ったのだ。(キャサリンとエカテリーナは同じ名前なんですってよ、奥様!) 翻訳小説が好きなくせに、なんというていたらく。
 この本で少し勉強しました。
 ヨーロッパ人の名前は
@聖書にちなむ名前
A聖人にちなむ名前
B英雄にちなむ名前
が多い。王様にちなむ名前も人気があるが、それも元は聖書の名前にちなんでいたりする。
 ヨーロッパがキリスト教の国っていう証明なんだろうなー。しかも、カトリックの。
 書いておかないと忘れそうだったので、思わず
こんなものを作ってみた。何かの役に立つのかなー。役に立つといいな〜(笑)。
 データベースなので、自分のためにひっそりと更新していく予定。


2002/6/1

 電車に乗ったら、混んでいる。心なしか外国の人が多い。
 品川駅に行ったら、インフォメーション・センターが混んでいる。受け付けのお姉ちゃんはブルーのユニフォームである。
 そこではじめて気がついた。
 ワールド・カップか!
 しかし、私にとってはその後行った品川プリンスの、「歓迎・広島カープ様」という看板の方が気になる。わざわざライオンズのスポンサーんとこで宴会しなくても……。

 『ロマノフ王家の終焉−ロシア最後の皇帝ニコライ二世とアナスタシア皇女をめぐる物語−』 (ロバート・K・マッシー/鳥影社)読了。
 20世紀初頭、ロシア革命によって処刑された最後の皇帝一家をめぐる謎を書いたノンフィクション。作者はピューリッツァー賞も受賞した作家で、『ニコライ二世とアレクサンドラ皇后』という著作もある。  1999年発行。DNA鑑定で皇帝一家の骨と判別できたと、ニュースでも話題になった頃だ。(ただし2001年に北里大学の長井教授の鑑定により、ニコライ2世の個人判定は否定されている)
 一家の処刑から遺骨の発見、DNA判定までわかりやすくて面白い。
 20世紀は、また皇帝一家を騙る偽者が次々と現われた世紀でもあった。この本では2章をさいてニセモノ達を紹介している。これがまた、事実は小説よりも奇なり、なエピソードが多い。
 面白いノンフィクションにフィクションは永遠にかなわないのだろうな。ご都合主義といわれることもないし。



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