インデックス>日記:03年の日記 ◆リニューアル ◆浸水? ◆3度目 ◆郎朗 ◆風船 ◆マエストロ ◆ヤツ
境界線くっきり
それは2月9日、日曜日の夕方でした。あこちゃんは洗濯をし、ひらぴーは山に芝刈りに行っていました。家に帰ったひらぴーがダイニングを歩くとなんとカーペットにくっきりと濡れた足跡が残るではありませんか。おや?スリッパの裏がびちゃびちゃなのかな、と思って確認すると確かに濡れています。どこでスリッパを濡らしたのだろうと歩いてきた方を見ても水はありません。不思議に思い再び足下のカーペットを見てみると、なんとひらぴーが体重をかけたところから水がしみ出ていたのです。そうです、水源はカーペットの裏なのです。最初の一声は「ひぇー!」でした。あわてて床を見渡すと家具の置いてあるあたりはあちこちから水がしみ出し始めています。とにかくあちらこちら歩いて水のしみ出し具合から被害状況を探ると、洗濯機のある物置部屋とダイニングがカーペット下浸水被害に遭っていることがわかりました。水源は浸水の程度よりすぐに洗濯機と判明。ただちに使用中の洗濯機を止め、アパートのメインテナンスに連絡です。日曜の夕方なのでアパートのオフィスはすでに閉まっていましたが、非常用番号に電話をすると30分ですぐにメインテナンススタッフが飛んできてくれました。ちなみに、この素早さはこのアパートだからとも言えるもので、アメリカのアパートで一般的に素早く対応してくれるところはそう多くはないそうです。
助けが来るまでの間に、カーペット下浸水した部屋においてあるものは全てリビングやキッチンに移動です。幸い発見が非常に早かったので家具もほとんど水に浸かることなく避難できましたが、リビングは当然ながら足の踏み場も無い状態。ベッドルームとキッチンはそれなりにスペースがあるので最低限の生活はできそうなのが救いです。助けに来てくれたメンテナンスは洗濯機からこれ以上水漏れがないことを確認し、あふれ出た水を吸い取る水掃除機を持ってきてカーペットの吸水を始めました。途中何回か水掃除機のタンクがいっぱいになり、吸い取った水を捨てたのですが、その水と言ったら泥水です。カーペットがこんなに汚れていようとは思いもしませんでした。とりあえず吸えるだけの水を吸い取り捨てましたが、カーペットはまだべちゃべちゃに濡れています。メインテナンスは次にカーペット裏を乾かすための送風機を持ってきて、乾燥するまでの数日間は送風機を回しておくように言い、去っていきました。それから数日、何度かメインテナンスがやって来て、カーペットの乾燥具合を見ては送風機の位置を変えたりあれこれしましたが、いかんせん冬なので温度が低くなかなか乾きません。それに泥水を見たあこちゃんは「こんな泥水に使ったカーペットではたとえ乾いても嫌」と言います。もっともな意見なのでアパートのオフィスマネージャーにカーペット交換をお願いに行きましたが、あいにく外出中。そこでマネージャーが帰った頃をみはかり仕事場から電話をして、現場を見てカーペット交換の必要性を見て欲しいと話しました。マネージャーは翌日あこちゃんがいるときにやって来て、即座に物置部屋のカーペット交換を約束しました。しかしダイニングのカーペットはすでに乾いていたので現状のままと言うことでした。しかし、これにはあこちゃんが納得いきません。その場でマネージャー相手に交渉をはじめ、ついには濡れた部分は全交換という約束を取り付けました。さすがにアメリカ滞在4年目、英語でここまで交渉が出来るようになっていたとは。ひらぴーはあこちゃんの英語力の成長ぶりに目を細めたのでした。
あとはカーペットの交換を待つだけのはずでしたが、それを妨害する出来事があったのです。そう、大雪です。この冬は1996年以来の雪の多い冬だそうですが、今回の雪はけっこうすごいものがありました。日曜の朝、雪の降り始めた頃外を見たひらぴーは直ちに天気予報を確認。おそらく今日の夕方頃から交通が麻痺して月曜は仕事には行けないだろうと判断したひらぴーは、すぐさま研究室に向かい止められる実験はすべて止め、細胞は手入れし、水曜日までは研究室に行けなくても被害がないように手配しました。このへんは、3年前にTakiが追加の1泊を余儀なくされたあの大雪での経験が役に立ちました。さてカーペット交換ですが、火曜日にするはずが大雪の混乱で木曜日に延期。水曜日に古いカーペットをはがしに来たのでその後をきれいに掃除したところに新品のカーペットを敷いてくれました。カーペットの新しくなったダイニングと古いカーペットのリビングの間が一目で分かります。洪水が発生して10日でようやく収拾がつきました。ついでながら今回はちょうど良い大掃除にもなりました。新しいカーペットはふわふわして気持ちがいいものですが、毛がやたら抜けるので掃除機のゴミパックがすぐにいっぱいになるのが難点です。