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ランラン
ランランを見てきました。と言っても別に動物園にパンダを見に行ったわけではありません。もちろん「♪リンリンランラン龍園♪」のランランを見に行ったわけでもありません(いったいいつの頃の話やら)。郎朗(Lang Lang)のピアノ・リサイタルに行って来たのです。
ランランの演奏を初めて聴いたのは1年ちょっと前。フィラデルフィア・オーケストラが新しいKimmel Centerに引っ越す前の会場Academy of Musicでの最後のプログラム "An Academy Farewell(アカデミーとのお別れ)"でProkofievのPiano Concerto No.3をランランと協演した時でした。この時は当時19才だったランランの若さと演奏の迫力に驚かされたのですが、まあ演奏したのがProkofievのPiano Concerto No.3という分かりにくい曲だったので、どのくらいランランがすごいのかがよく分からず、でもとにかく衝撃的な印象を受けたのを覚えています。
次に聞いたのは今年の1月。フィラデルフィア・オーケストラはKimmel Centerに引っ越した後も年1回Academy of Musicの誕生記念日にはAcademyにもどって演奏するのですが、その演奏会にランランがやってきたのです。この時の曲はGriegのPiano Concerto。数あるピアノ・コンチェルトの中でももっとも人気の高い曲なのでワクワクして聞きに行きました。そして演奏は予想通りダイナミックな迫力のあるものでした。少々音が雑な感じは否めないものの、その欠点を補って余りある迫力のある演奏で、そのすごさに息を飲んだのでした。多少荒削りなのは若さのためでしょうが、将来この演奏に円熟味が加わったらどうなるのか楽しみな、末恐ろしい才能です。もっともこの時の演奏は旧会場であるAcademy of Musicであったので、新しいコンサートホールの音響にすっかり耳が慣れているためか音響に不満が残りました。
そしてランランの演奏を新しいコンサートホールで聴きたい、と思っていたところなんとピアノ・リサイタルがあるというので今回さっそく行ってみたのです。今までのオーケストラとの協演とは異なり、今回はピアノ独奏。その迫力を余すところ無く存分に楽しんできました。それにしても、よくまああれだけ忙しく指が激しく飛び回るものだと感心するほどの演奏。力強さと迫力はあっても雑な印象はありません。意外にもChopinの叙情的な曲も限りなく優しく丸いキータッチで聴かせてくれ、演奏の幅の広さに驚きました。
コンサート後にはサイン会があり、当然ながらサイン用CDがぼったくり価格で売られていたのですが、ここは仕方がありません。2枚のCDを$40で買い行列に並び、ランランのサインをもらってきました。アメリカ滞在中に入手したサイン入りCDが喜多郎だけでは寂しいですから。それにちょうど税金の還付を受けたばかりで少々懐が暖かかったので。きっとKimmel Centerのギフトショップはいい売り上げだったに違い有りません。