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Micheal Phelps
ケーブルテレビの導入がオリンピックに間に合い、テレビに釘付けになりながら毎晩楽しみました。しかしアメリカのテレビのひどいところは、とことんアメリカびいき、いやそれ以上で、他国の金メダリストにあまり敬意を払いません。一番ひどいかったのは男子柔道でギリシャ選手が優勝した放送で、最後の表彰式でギリシャ国歌が流れ始めた直後に放送終了という編集がされていました。体操の表彰式で金メダルの日本(男子)やルーマニア(女子)を映さずにアメリカ選手だけで画面を独占するのはまだ可愛い方です。そろそろ、アメリカ人は世界中で嫌われている理由に気づいても良さそうなものなのですが、ピーターに言わせるとかなり前からこのままで、全く改善していないそうです。やはり国際国家アメリカはあと200年は登場しそうもありません(アメリカ人は移民国家イコール国際国家だと勘違いしている)。閉鎖的でやはり国際国家とはほど遠い日本の国民にそうは言われたくないでしょうが。
さて、ボルチモアでオリンピック関連の話題と言えばこの人、水泳のマイケル・フェルプスです。この人はボルチモア北の郊外のタウソンという町の出身で、地元でなくてもアメリカ中の話題ですが、ボルチモアの盛り上がり様は半端じゃありません。そしてオリンピックが終わってしばらくして、ついにマイケル・フェルプスの地元凱旋の日がやって来ました。なんと9月11日です。
テレビでは朝から追悼番組が流れ、全米が3年前の出来事を悼んでいたのですが、朝9時にボルチモアのテレビはいきなりお祭り気分の凱旋実況中継に変身。よりによってこの日にしなくてもと思うのですが、切り替えの早いアメリカ人の事です。すっかりボルチモアだけ別世界。パレードの場所がアパートから15分ほどの場所だったので、ひらぴーとあこちゃんもせっかくだからとその別世界に行ってきました。
パレードは地元の学校の子供たちのお遊戯のようなダンスやブラスバンド、スポンサーの宣伝等々の前座が延々と続き、時々上院議員やボルチモア市長、それに副知事などの政治家たちまでが通って行きました(政治家の皆さん、いいんですか、こんな日にお祭り気分で)。そしてさんざん待たされた後とうとうご本人の登場です。車から静かに手を振りながらに微笑んで、という日本風ではなく、特性Tシャツを沿道の人々に投げてばらまくというアメリカンなファンサービスパレードです。そのTシャツひらぴーの手の5センチ横に飛んでいき斜め後ろの人の手中に。おしい!
前座パレードではこんなバスも走っていきました。
"What are you going to do next?..."
「次は何をやらかすのか?」
答えはDriving under influence of alcohol(飲酒運転)でした(笑い)。19歳で飲酒運転とは先が思いやられます。
この時は、数ヶ月後に飲酒運転で捕まるとはつゆ知らず、凱旋パレードを楽しんでいますね。
912
翌日の日曜日はダウンタウンの映画館に行きました。この映画館はいわゆる流行ものの映画を上映する一般映画館と異なり、マイナーな作品や他国の映画を上映するところで、なかなか良いところです。実はアメリカでも「たそがれ清兵衛」が各地で上映されていて、ここの映画館に来るはずだったので心待ちにしていたのですが、上映スケジュールが変更に変更を重ねどんどん延期され、ついに気づいたときには、たけしの「座頭市」にすり替わっていました。ずっとボルチモアに「たそがれ清兵衛」が来るのを楽しみにしていたのでとてもがっかりですが、まあいいかと「座頭市」を観に出かけたのです。お昼の一番ショー(アメリカの映画館は昼から始まる)を見終わって車に終わると、あこちゃんが凍りつきました。車の後部座席の窓が割られていたのです。昼間だし、映画館の客が沢山路駐しているし(中にはベンツもあった)、それなりに交通のある通りなので大丈夫だろうと路駐していたのですが、やられてしまいました。さすがは全米でも指折りの犯罪都市ボルチモアです(フィラデルフィアのセンターシティーなら絶対大丈夫なんだけど・・・)。2004年の全米危険度ランキング11位(2003年は8位)というくそったれの街にはフィラデルフィアでの5年間で培ったリスク管理は全く通用しませんでした。ちなみに窓を割られるのはここボルチモアでは全く珍しいことではなく、この数週間前に学生の一人とプログラムの秘書さんの二人が既に被害に遭っています。
さて、とりあえず警察を呼び、次にに盗られたもののチェック。車内のコンソールに隠しておいたカーステレオの操作盤が最大の被害品。アメリカではカーステレオの盗難防止のため操作盤が取り外しできるようになっているのですが、フィラデルフィアで安全ボケしてしまったため、車から持ち出さず車外から見えないところに隠しておけば良いだろうとコンソールの中に入れるだけにしておいたのです。後は同じくコンソール内に入れておいたCD。これはみんなコピーなので(オリジナルは全部家にとっておいて車には積まない)ショックはさほどではありません。それと灰皿に隠しておいた小銭。フィラデルフィアでは目に付くところにものを置いておかなければ絶対大丈夫だったんだけど・・さて、電話をかけて数分でお巡りさんが到着しました(早い!)。お巡りさん、話を聞いて状況をざっと見て一言「助けになることは出来そうもないな」。唖然とするひらぴーにお巡りさんが聞きました。ノートパソコンか何か、非常に高額なものは盗られた?Noです。保険の免責額は?250ドルです。じゃ、今回の被害額は250ドルもしそうもないから保険も使えそうもないし、あとは自腹で窓を修理してカーステレオを何とかするしか無いね。さすがは慣れたもの、見聞きするだけで被害額の見当がついてしまいます。万が一保険を使うようなら連絡をくれと、名前と電話番号を残してお巡りさんが去って行きました。最後に一言、保険を使えない額なら保険会社には連絡するなよ、掛け金が高くなるだけだから、と非常にありがたいアドバイスを残して。その時は唖然としたのですが、今考えれば非常に理屈にあった対応かつアドバイスです。
仕方がないのでまずはガソリンスタンドに行き、掃除機でガラスの破片をお掃除。次にイエローページで調べた車の窓ガラス屋さんに電話をして修理の依頼。最初の所は190ドルと言うので断り、次に電話した所は160ドル。まだ高い気がしたのでもう一件ためしに電話したら140ドル、もう少し安くならないかと交渉してみましたが、うちは他より安いはずだがと言われてしまいました。確かにその前の2件より安かったので140ドルで妥協することに。次はカーステレオの操作盤です。メーカーのカスタマーサービスに電話したらなんと70ドル(プラス送料手数料)。確か全部込みで100ドルで買ったのに。予想より高すぎるので、買うのかい?という質問にebay(ネットオークション)で探してみると答えて、実際にebayのオークションを探してみました。すると、やはり操作盤を盗まれたであろう人々がいて、操作盤だけのオークションに30ドル前後の値が付いていました。数日様子を見ましたが、どうやらこれが相場のようです。きっとうちのもここで売られているんだろうなと思いつつ、毎日チェックしているとある日、中古の同型カーステレオ一式(本体と操作盤)が出てきました。なんでも近所のガレージセールで2ドルで仕入れたものだそうで、丁寧にシリアル番号まで載せていました。幸いうちのではありませんでした(本体が車に残っているのですからあり得ないことですが、万が一自分のを買い戻すことになったら癪なので)。ありがたい事に、この売り主は15ドルの入札ならオークションの締め切り前でも売るというオプションまでつけていました。これなら30ドルまで競る必要は無く、早い者勝ちです。即、入札し送料も入れて22.5ドルで売買成立。操作盤の他に本体が故障した場合も交換できるという有り難い条件で何とかカーステレオも復旧し、被害額162.5ドルプラス盗られた小銭で納まりました。以降、操作盤は車から離れるときは持ち歩いています。
アメリカ人は9月11日を忘れることは無いでしょうが、ひらぴーとあこちゃんは次の日、9月12日を決して忘れません。
Baltimore Sucks (ボルチモアは最低だ!)
フィラデルフィアに帰りたい・・・・