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♪雪は降る あなたは来ない♪ 登場人物はこちらを参照
研究室の引っ越しの後はアパートの引っ越し。住み慣れたPhiladelphia郊外Bryn Mawrのアパートともお別れです。問題は引っ越し作業。当然Johns Hopkinsなりボスなりが引っ越し屋を手配してくれると安心しきっていたのですが、そうにあらず。ボスは研究室の引っ越しの日に一緒にメンバー各自の引っ越しも同じ業者に頼むつもりでいたのですが、Johns Hopkinsがけっちいたらしいことにダメと言ったらしい。ふつう引っ越しの時は出すもんだけどねえ。ならボスが出せばいいのに(Johns Hopkinsから自由に使える支度金はたっぷりと用意されている)、ボスもケチでOKを出さない。「みんなが同じ日に引っ越すなら、引っ越し業者に頼んでまとめて引っ越してもらうんだけど(ボス談)」、みんなが日程を合わせるのは無理ってもん。「それぞれ別々に引っ越すなら自分でトラックを借りてくれ。その分のお金は出すから。」だそうな。もちろんミーティングで思いっきり抗議をしたが、他のメンバーからは援護射撃一切無し。黙っているみんなは納得したのかと思えば、ミーティングの後で不平たらたら。だったら一緒に抗議しろよ。結局それぞれが研究室の引っ越しに関わる問題を他に山ほど抱えていて、自宅の引っ越し交渉までには手がまわらなかったこともあり、ボスの言うがままに引っ越しトラックとなったのでした。
ここアメリカでは引っ越しと言えばU-HAULというくらい、U-HAULというレンタルトラックで引っ越すのがとても一般的です。でも荷物の運搬は全て自力なので、とてもひらぴーとあこちゃんだけでの自力引っ越しは無理です。そこで学生のAaronと一緒に引っ越すことにしました。それなら双方最低一人分の男手が手に入ります。さらにトラックの運転をしなくてはならないひらぴーや高速道路の運転が出来ないあこちゃんの代わりにAaronがひらぴーの車を運転してくれるので、車の移動もまとめて出来ます。Aaronにしてもトラックの運転ができない(自信が無い)ので、ひらぴーが運転して家具を運んでくれればとても助かります。ということで、トラックを予約し、旧アパートと新アパートでさらにそれぞれ手助けの手配をして後は引っ越すだけだったのですが・・・・。
悪夢1
引っ越しの数日前から天気予報が嫌なことを言い出しました。「週末は雪になりそうです。」まあ、雪にも色々あってパラつく程度から交通がマヒするくらいまでなので大した雪で無いことを祈っていましたが、当日の朝、外は一面真っ白で結構激しく降っています。こりゃダメかと思いながらAaronに電話すると「大丈夫じゃない?天気予報だと、こっちさえ出てしまえばBaltimoreは大したこと無さそうだよ」と言うので引っ越しを決行することに決定。早速U-HAULに行きトラックを借りたのですが、アパートに戻る道の途中で突然トラックの警告ランプが点灯。何かエンジンにトラブルがありそうです。慌ててU-HAULに引き返したところ、なんとU-HAULの駐車場でトラックが雪にはまり身動きが取れなくなりました。U-HAULのおじさん達と悪戦苦闘すること約2時間、ようやくトラックが動くようになりましたが、この頃には疲れ果ててすでに引っ越す気力が尽きていました。それに雪は降り止む気配もなく、トラックが再び雪にはまる可能性もあります。雪にはまったのがU-HAULの駐車場だったのは本当に不幸中の幸いでした。「今日は中止!」と決めて、Aaronや手伝ってくれることになっていた人たちに連絡。ボスにはU-HAULのおじさん達と電話で交渉してもらい、この日の料金が最低になるようにうまいことやってもらい(最終的には料金はボスの支度金から払い戻されるので、ボスのためなのですが)、3日後に再予約を入れてこの日は終了です。
思えば5年前、大学の短期滞在アパートから郊外のアパートに引っ越ししてきたときも、雪でした。その時はアパートに到着した頃に降り始め、雪がぱらつく中をあれこれ買い出しに出かけた記憶があります。それにしても転入・転出の両方が雪にたたられるとは夢にも思いませんでした。
悪夢2
さて、引っ越しが延期となり思わぬ時間の余裕ができたので、映画ザ・ラスト・サムライを見たりしてのんびりしていたのですが、3日後はすぐにやってきました。最初の予定日は土曜だったので人手が簡単に手配できたのですが、今回は火曜日でそう簡単にはいきません。いっそのこと1週間延期すれば良かったのかもしれませんが、そんな先までは天気が読めないのでまた雪にたたられるかもしれません(実際に1週間後は再び雪で、引っ越しなどもってのほかでした)。3日あれば積もった雪もそこそこ溶け、かつ天気予報でも問題無さそう、という判断です。そして火曜日、平日にもかかわらず積み出しは親切なご近所さんが二人見つかりAaron・ひらぴーと合わせて計4人の男手で何とかなりそうです。問題は積み降ろし。Peterが手伝ってくれるはずなので男手3人でなんとかするしかなさそうです。さて、当日トラックを借りてまずはAaronの荷物です。荷物はテレビとテレビ台とステレオと数箱だけと言っていたのですが、実際には箱詰めすらしていない荷物が山ほどあり、+10箱くらいでした。しかも箱詰めされていないため積み上げることもできずトラックの荷台にうまく整理して納めるのは困難。予想以上に荷台スペースを占領したAaronの荷物を載せひらぴーのアパートに到着。こちらも荷造りで予想以上に荷物が多くてびっくりしたのですが、全部トラックに乗るかという心配通り、全然積みきれませんでした。荷詰めのときはどうやったらうまくトラックに納まるかという複雑な立体パズルを必死に解いていたのですが、無理とわかったとたん一気に力が抜けました。これは仕方がないのでもう一度取りに来るしかありません。こりゃ絶対無理ですよ、というご近所さんの声でようやく往復する覚悟を決め、出発。途中Peterに何度か電話したのですがいつも携帯は留守電。メッセージを残したものの結局到着するまでは連絡がつかず。しかたがありません。Aaronと二人でなんとか荷下ろしをし、力つき果てた頃ようやくPeterから連絡が入るものの手遅れで、ひらぴーの荷下ろしは終了。Aaronの荷下ろしには途中でようやくPeterがやって来たものの、あれほど手伝いを約束しておきながら連絡不通になり(本人は携帯電話は電源を入れて身につけていたのでどうしてつながらなかったのか原因不明だと言い訳しているが)、しかも夜まで何の連絡もなく、不満爆発です。普通は夕方までに連絡が届かなかったら「どうなったんだろう?」って電話くらいするもんでしょう。しかも晩飯もご馳走してくんない。とりあえず新しいアパートをお世話してくださった親切なご近所さんが夕食を差し入れてくれたので、ひもじい思いだけはしないで済みましたが。
悪夢3
翌日は不本意ながら残りの荷物を取りにフィラデルフィアへ。ようやく部屋が本当に空っぽになりアパートのオフィスに鍵を返して後はボルチモアまで運転するだけ、なのですが二日連続の引っ越し運転で肉体的にも精神的にもくたくた。さらに渋滞が二人を襲い、迂回した道で集中力が無くなり、気がついたら道ばたに置いてあったオレンジ色のポールをトラックに引っかけて、はねたポールがサイドミラーを直撃。見事にミラーが割れました(オプションで保険に入っていたのでU-HAULからは一切おとがめ無し)。いやー、疲れたときの運転は怖いですね。さらに豪雨が降り始め、このままでは重大な事故を起こすかもしれないと、ハイウェイに乗るやいなやすぐさまサービスエリアに入り、しっかり休憩を取ることに。ついでにPeterに連絡を取るも夜10時まで都合がつかないとの返事で、この日も全く当てにならない事が判明。それでも休憩で息を吹き返したひらぴーは、あこちゃんの人間サイドミラー(右後方を直接目視で安全確認して、運転手に伝える)の手伝いもあって、何とかボルチモアにたどり着き、荷物も部屋に入れてあとはトラックを返すだけ。と言ってもU-HAULはとっくに閉まっているので返却は翌朝。そして翌朝、1日間180マイルまでの約束で借りたトラックを2日間400マイル近くという時間オーバー、距離オーバー、そしてミラーの割れたトラックを返しに行ったところ、以外と簡単に手続きが済み、追加料金も予想より少なく、あっさりと終了。この時ばかりはU-HAULとの交渉を手伝いにと早朝からU-HAULに姿を現したPeter(後から考えれば、Peterが引っ越しを手伝ってくれたのはこれだけ)も、到着したときにはすでに解決済みで拍子抜け。ようやく一段落です。
U-HAULでの自力引っ越しにすっかり懲りたひらぴーは、まだ引っ越ししていない他のメンバーには引っ越し業者を手配するようPeterに忠告したのですが、わざとかそれともうっかりか、Peterはこの忠告を都合良く忘れたようで、ひらぴーが気づいたときには半年後に引っ越すApril以外は全員自力引っ越しを終えていたのでした。
次の引っ越しは(もちろん日本への帰国になって欲しいが、たとえアメリカ国内引っ越しだとしても)日通さんにしよう!。