「中性脂肪」について

私の持病「痛風」には、「中性脂肪」が大きく関連していることが判りました。
そして、「中性脂肪」は「痛風」のみならず、命を縮める原因にも
なっていることが調べるうちに判ってきました。
その辺のところに少し触れてみます。
これが、みなさんの健康に、少しでもお役に立てれば幸いです。



日本人の平均寿命は、男性は77.01歳、女性は83.59歳といわれ、世界でも有数の長寿国と なっています。
その一方でここ数年、動脈硬化による死亡が急増しているのも特徴です。
致命的な病気の原因が、体内に必要以上の脂質がたまって起こるケースが目立っているのです。
エネルギー過多の食事や不規則な生活、そして運動不足など、現代の忙しい社会に暮らす私たちの 病気の多くは、こうした偏った生活習慣に起因していると言ってもいいでしょう。

動脈硬化の主な原因は、血液中の「中性脂肪(トリグリセライド)」とコレステロールの増加ですが、 最近特にこの中性脂肪をどれだけコントロール出来るかが、肥満やそれによって起こる糖尿病、 高血圧症、また動脈硬化などの予防の決め手として注目されています。


[肥満は外見だけではわからない]

「肥満」とは、体に余分な脂肪が付き過ぎた状態をさしますが、一般には外見が太った人という イメージがありますがそうとは限らない。
医学的には、肥満とは「食物を通して外から取り入れるエネルギーよりも、日常生活で消費する エネルギーのほうが少ないために、体内に余分な脂肪が蓄えられる状態」をさします。

通常、この脂肪を「中性脂肪(トリグリセライド)」と呼びます。

肥満は中性脂肪の付き方によって、二つに分けられます。
主に皮下の組織に蓄積する「皮下脂肪型肥満」と、脂肪が腹部とその周りの内臓に付いてしまう 「内臓脂肪型肥満」です。
皮下脂肪型については、おなかや腰、太股、お尻などの皮下に脂肪がたまるため、「洋梨型肥満」 ともいい、特に女性に多いのが特徴です。
これに対し、内臓型は「りんご型肥満」ともいい、男性に多く内臓に脂肪が蓄積する為、外見的には ちっとも太って見えない人もいます。
その為、本人もまさか自分が肥満などとは、まったく自覚できない場合もあります。


[中性脂肪の働き]

中性脂肪が過剰な状態を「肥満」といいますが、では中性脂肪はどんな働きをしているのでしょう。
中性脂肪は、人間の体の中に一番多く存在する脂質です。
運動や日常生活などで、からだを動かす時の主な活力源として使われています。

中性脂肪は肝臓で合成されるほか、食物を通して体外から取り入れられます。
たとえば穀物や砂糖、アルコール、果物などの糖質が小腸で吸収されると中性脂肪になって体内に 蓄積されます。
また、中性脂肪は善玉コレステロール(HDL)を生成する貴重な役割も担っています。
善玉コレステロールの増加は、悪玉コレステロール(LDL)の減少にもつながるため、 体中に中性脂肪を一定量蓄えておくことは必要なのです。

ただし、気を付けなくてはならないのが、必要以上にとり過ぎてしまうこと。
中性脂肪が増えて肥満の状態になると、悪玉コレステロールばかりが増え始めてしまいます。
悪玉コレステロールが増加すると善玉コレステロールの数は減ってしまうのです。


[死因のトップは動脈硬化だった]

悪玉コレステロールや中性脂肪は、増えると動脈の壁に沈着します。
そうなると血管は傷つきやすくなってもろくなり、しまいには動脈硬化をもたらします。
「動脈硬化」は、心臓病や脳卒中、腎臓病、「痛風」、糖尿病、高血圧症などの恐ろしい 生活習慣病(成人病)の引き金になるのです。

現在、日本人の死亡率の1位はガンですが、2位、3位は順に心臓病と脳卒中です。
後の2つについては、ともに動脈硬化が原因で起きる病気ですから、これを合わせると 死亡率の第1位は動脈硬化といってもいいわけです。

とくにこの病気は、動脈の壁が硬くなって弾力性がなくなり、血流が悪くなるのが特徴です。
また全身どこの動脈にも起こり得る、やっかいな病気といえます。

日本では戦前、コメ中心の食生活をしており、漬け物類などを多く食べていたため、高血圧に なる率が圧倒的でした。
ところが戦後、私達の食生活は著しく変化しました。
アメリカの食生活が急速に導入され、肉類や清涼飲料水を多くとったり、ハンバーガーなどの ファストフードを日常的に食べるようになったのです。
その結果、動物性タンバク質や脂肪の摂取量が増えて血管は丈夫になり、高血圧による脳出血 などは減少するようになりましたが、今度は心筋梗塞や動脈硬化などで倒れるケースが目立ち 始めました。
食習慣の欧米化に伴って、いまや国民1人一日当たりの脂肪摂取量は過去30年間で倍増。
総カロリーに占める割合も2倍以上にも達するようになりました。
更に、最近では、30歳以下の若年層に大動脈や冠動脈に動脈硬化の兆候が見られ、しかも 年代ごとに増加傾向にあるという報告もされています。


[知らぬ間に進む動脈硬化]

正常な血液のなかには、常に一定の脂肪分が保たれています。
しかし、何かの理由でこのバランスが崩れてしまい、基本量を超えてしまう状態を「高脂血症」 といいます。
高脂血症とは、血液中にコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が過剰に増えてしまう ことです。
ただし自覚症状はないため、血液検査などで突然判明するなどして、はじめて自分が高脂血症 だと知る人も少なくないようです。
この高脂血症という状態は、血管の中で確実に動脈硬化が進んでいると言うことです。


[中性脂肪と関係の深い病気]

中性脂肪の増加は、私達の体をまるで病気の百貨店のようにしてしまいます。
では、具体的にどんな病気になるか、次にあげてみました。

1.狭心症・心筋梗塞
冠動脈が狭くなって血液の流れが悪くなり、場合によっては血流が一時的に途絶えることもある。  発作を起こすと胸に強い痛みが走り、突然死の原因の半数以上を占める危険な病気。

2.脳血管疾患(脳卒中)
血液中の中性脂肪の増え過ぎが原因で脳の動脈が硬化して起こる病気。 主に脳出血、脳血栓、 脳梗塞などがある。

3.糖尿病
血中に溶けている糖が正常より多くなる事によって起こる全身病。 さまざまな合併症を引き起こす ことでも知られており、特に中性脂肪(トリグリセライド)を増加させます。

4.脂肪肝
文字通り、肝臓に中性脂肪が貯まってしまう状態をいう。 具体的には肝臓の体積の3分の1以上 蓄積される場合。 ひどいと肝硬変などの深刻な事態をまねく。

5.急性膵炎
30歳代以降の中年男性に多く見られる病気。 突然激しい痛みが上腹部を襲って、嘔吐を 繰り返す。

6.痛風
足の親指のつけ根に突然激痛が襲い、歩くことすらできなくなる。 罹患率は90%以上が 中年男性。 女性がかかりにくいのは、女性ホルモンの関係。



ご感想、ご質問、お問い合わせなどはこちらまで!!!

1