大阪の思ひ出

:京都...一度は住みたいとこなのねん、の巻:

 

「ちょっとまっててな、ここでもう一組待ち合わせしてんねん」腕時計に目をやりながらかずぞうが言う。「あ、きたきた」遠くからおーいと両手を振るこれまたちいこくて華奢な女性とその直ぐ後ろには背のたっかーーーい男性の姿が。マロンさんとご主人のモンブラン(←勝手に名付けてみた)さんである。朝5時(ほんと、スミマセンでした)に起床させてしまったというに、とても元気そうに振舞っている。「はじめましてー!」すごく元気である。マロンさん(田中裕子似と勝手に決めている)。ついつられてこちらも元気になってしまう、といった感である。ご主人も「はじめまして、えっちゃん」とニッコリと流暢な日本語で優しくご挨拶してくれた。う〜ん、素敵なカップルじゃのう!腕を組み、頷く私。「さて、いこか」かずぞうの声に一同駅へ。さぁ、いよいよ憧れの地、京都です!!

「え〜、あちらがかの有名な京都タワーでございます」かずぞうがツアーガイドとなって事細かにあない(案内)をしてくれる。開口一番、「なんか変なかたち〜」と私(文句が多いときた)。「ちなみに、キャンドルをイメージして作られたそうでーす」「絶対見えなーい!(←一同)センス悪ぅ〜っ(←これは私のみ)!」「え〜、こちらがバブル時に建てられた京都の駅ビルでございまーす。無駄が多いデース」うぉぉっ!と口をあんぐり開けて見上げてしまった田舎者約一名。なんとも京都=寺というイメージからは程遠いほどの超近代ビルヂング(←おやじ風に)である!!!!「せっかくだから、中に入ってみましょう」というかずぞうを先頭に一同ずらずらとエスカレーターに乗り、一番上を目指す。いやぁ、乗ってる間もやれこんな吹き抜けなばっかりに雨が降ったら最悪、だの京都なんだから木造(っぽいの)にすりゃあよかっただの、なんで京都なのに伊勢丹が入ってるんだ、だの好き勝手言い放題で頂上では写真撮影になった途端はい、ポーズ。

駅ビルをでて「タクシーで清水寺まで行こうか」ということでタクシーを探す。途中途中で「はいはい、観光タクシーこちら」「観光タクシーありますよ」というおじさんたちが声をかけてくる。やっぱ、観光地だなぁ。それにしてもやたらうちらに声かけてくんなぁ...とぼんやり思った次の瞬間、「はっ!!!」っと己の姿を振り返り愕然。この日のえっちゃん、でかいリュック(カメラバックね)を背中にしょい、片手にはカメラ、胸元にはビデオカメラをぶら下げてみんなの後ろを一歩遅れて歩いていたのだった。つ、つまりはえっちゃんのみに語りかけていたのか、おっさんたちは...。「ぎゃぁ〜、恥ずかしい〜!」っと笑うみんなの元へ走り寄り、タクシーに乗る。

いやぁ、さすがは観光地。しかも連日晴天続きのために人、人、人である。車で渋滞していたので入り口を目前にして下車、しかしうきうきなえっちゃんはもう地に足が着かない状態でフワフワと皆と一緒に元気に歩く。途中立ち寄ったのが八橋屋さん。実はもう一人待ち合わせをしていたので、清水寺に行く前にその場所へ。驚いたのが、試食させてくれるところが多かったということ。しかもお茶まで「どんどんお飲みください」である。えっちゃんはさくらあんこの八橋を食べ、お茶を飲んだあと設置してあった横長の椅子に腰を下ろした。かずぞうからはごまだんごを一つ貰い、お、これは上手いねなどとおしゃべりをする間もマロン夫妻は試食を続ける(マロンさんは、どうやら「痩せの大食い」な傾向があるらしい)。と、ここで待ち合わせていたクーヘンさん到着。ったくぱたのうちは美人だらけだね。クーヘンさんは洋装していても和服でしゃなりしゃなり、と歩いてるようなしとやかな雰囲気を醸し出してしまう文字通りの京美人だった。「はじめまして」にこっ!..でオオゥ。後光に包まれたような笑顔でおじゃった。これで一同勢ぞろい、でいよいよ目指すは清水寺なり!

何年ぶりかに訪れた清水寺。でも季節も違うし当時は案内してくれる人がいなかったので、まさにこれが私の清水寺デビュー(←この表現は嫌いなのだが...)とも言える。悔いのないように建造物一つ一つの細かいところまで漏れなく目に焼き付け、写真を撮り、他のツアー団体のガイドの説明に耳を傾けた(オイオイ)。「清水の舞台から飛び降りる...」所以の説明をこともあろうにマロンさんのご主人から受けてしまい、「ほ、ほぉ〜」っと頷きつつもかなり恥ずかしい。他のみんなもそれぞれに楽しんでいた様子で、とにかく一同「緑がすっごく綺麗〜!」と感動していた。あんなに人だらけだったのに、静寂な空間を至る所で体感する。う〜ん、これぞ京都。「縁結び神社(?)」では、再び好き勝手言い放題見学となり、お守りケースを覗いては「嫌だ、あんなお守り」と文句を言い、「夏までに彼が欲しい」期間限定絵馬を発見するやいつまでも突っ込みを続け、神社な筈なのに天使が飾ってあるショーケースなどは見逃すはずもなく、見事成就したカップルの奉納額にアジア人のそれには金額が書いてあるところへ西欧人のそれには「THANKS」とだけあることに「ケチだ、ケチ」と言い張った。しかしやはり後味が悪いということでお賽銭をして身を清める(?)。

お昼はお茶漬けバイキングの店へ。マロンさん、あなたのセンスは素晴らしい!みんなで感動&おもしろがりながらお茶漬けをすする。(かずぞうは3種のご飯全部クリアーしたな?)その後は坂道を途中お土産屋等に寄り道をしながらバス停へと向かう。(えっちゃんはここで1枚300円の手裏剣を3枚購入)次ぎに向かった祇園では裏道の人通りを避けた静かな「これぞ京都!」という軒並みが連なる通りを歩く(えっちゃんはここでかなり写真を撮りました)。鴨川縁をその後散歩したあと、またもやマロンさんのお勧め喫茶店に行くも、残念ながら行列のため他の店へ。しかしそこでの「抹茶あんみつ」もおいしかった。「ごめんねぇ〜、食べ物ばかりで〜!」っとマロンさん。いえいえ、これぞ旅行の醍醐味でおじゃる。

楽しかった半日京都ツアーもあっというまに終わり、マロンさんご夫妻、クーヘンさんとのお別れの時間。しかし中身の濃い半日だった。冗談を言いつつも、やはり気になる夫々の今後について話すときは、皆真剣だった。マロンさん、モンブラン(うーん、この名前、どうも馴染めないなぁ)さん、そしてクーヘンさん、お互い不安も抱えているけれど、皆さんの前途が楽しくて賑やかで幸せでありますように。

「こうやってこのメンバーで集まることも当分ないやろうね」にちくっときたきた。3人ともほんとにありがとう。そしてこれからもよろしくね!皆に元気に手を振ってみた。

つづく

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