ニュースレター

No.4 1997.9

あっという間に時間が流れ、学生の生活もう半年立ちました。朝から夕方まで毎日若者といっしょに勉強、なれるまで大変でした。家では「○○ちゃんのおかあさんは全部やってくれるのにうちのおかあさん最低」（ソーダ、ソーダ）といわれます。日本の社会では女性に対してとくに専業主婦は家の中で便利なメイドさんというイメージを感じます。ときどき日本人女性はえらいなと思います。感心します。でも我慢して、子供が大きくなった別居生活してしまう人も少なくない。タイの場合は夫婦の間でお互いにはっきり言ったり発散したり、とにかくおかあさんはみんなの便利屋より、自分のことは自分でするからです（メイドさんがいない家ではネ）。年をとったら夫婦で楽しい旅をします。どっちの方がいいのか、それぞれの人生を選ぶしかないです。

夏の間たっぷり休み、長崎に行きました。不況のせいか100円ショップがのびています。雑貨や化粧品や食品までとにかく安いものがたくさんアジアから日本に集まって売られています。びっくりしたのは、2年前私がデザインしたココナツの箸箱とそっくりのものがショッピングンターで安く売られていました。でもいくらまねしても中味の箸は守ろう地球のようにはうまくなっていません。

タイの民芸品とてもむずかしいです。特許もないし簡単にまねできます。でも村人も収入がほしいだろうし、守ろう地球が村を独占したくないし、いまエコロジーブームで自然から物を作れば売れるし、とくにアジアの労働力安いしどこの企業でもこういう商売したいでしょう。しかし実際は長い不況の中で競争激しい中で安く売らないといけない。「アジアの資源、日本のゴミ」といわれる時代になります。

12年前からタイの政府は外国からの投資を増やして、タイ全国で工業を開発し、輸出できる品物を増やすように軽工業、重工業、化学関係の工場に力を入れています。環境のことなどまったく考えません｡そしてバンコクだけではなくて北タイのきれいな所にもどんどん工業団地を作り、ほとんど外国の企業ばかり。安全基準のないタイ。お金を出せば何でもできるタイの社会。見た目はタイの村に収入が入って、仕事が増えてみんな豊かになる。しかし実際はタイ全国に複合汚染が広がって行く。知らない病気がどんどん発生しています。おそらく日本と同じ被害が起こるでしょう。でもタイの人はまだ知りません。

この前、タイの雑貨を輸入している日本人の社長さんから聞きました。「いまタイの人件費は高いからベトナムの方から輸入しないといけない。」このような考え方の企業が当然たくさんいると思います。しかしタイの人々のことを考えるより、利益や資源そして安い労働力、悪魔のようなことを考えています。
外国からばくだいなお金をを借りて、外国の企業に頼って、急激な経済発展と下落の中で自分たちの根っこのないタイ。最後に残るものは国全体の環境汚染と知らない病気で苦しむ人々。そして借金だらけのタイ。今のタイの姿です。

こういう考えなので、今年は民芸品の力を入れません。本当に欲しいもの、みんな気に入るものしか作りません。２年前私がデザインした草木染めの服が古くなってきたので、自分で新しい色に染めました。思ったより簡単で、物を大事にして何回も使えるようになります。私の民芸品もこういうふうにみんなに使ってもらいたいです。ただ単純に村を援助するより、じぶんがどうやって物を大事に使うかです。

今年はタイカレーとチリペーストを40カートン輸入しました。思ったよりよく売れました。最初大丈夫かなと心配しました。もし売れないと毎日カレーを食べないといけません。食べ物は民芸品よりあまりもうけないので、ぜいたくしないように考えています。厚生省の手続きまですべて自分でやります。レシピも日本にある無農薬野菜をアレンジして考えて、コピーで印刷しました。厚生省について私にとってとても苦労したけれどもいい勉強になりました。手続きは本当は簡単なのにややこしいシステムを作ってしまう。普通の会社だったら面倒なので高いお金を払って業者に頼んでしまう。＜守ろう地球＞は自分でやるので厚生省で有名になりました。

今回カレーペーストの手続きで厚生省に行ったとき、たまたま大きな会社らしいところがイギリスからハーブを輸入して、間違いで書類が＜守ろう地球＞のところに入っていました。ハイビスカスやいろいろなハーブのお茶なので検査があります。分析試験の結果は放射能濃度つまりティーバッグの中味についてセシウム134と137がありました。日本は食品の放射能の基準がゆるいので簡単に輸入できます。しかし輸入ハーブティーのラベルには放射能のことは書いていません。毎日私の口に入ってくるものはどのくらい安全なのか、私たちはまったく知りません。

私はいまハーブと薬草の研究をしています。ハーブの種類によっては長い間おくととくに無農薬は当然虫が出ます。よく干してないと当然カビも出るし、どうしても業者がたくさん輸入するために放射能をかけてしまう。

＜守ろう地球＞の食品とくに新しく開発したトムヤムセットとチリペースト、よく売れました。カレーペーストのようにたくさん輸入したくないのは２つ理由があります。
①大量生産ではなくて新鮮な新しいものをみなさんに届けたいと思います。作ってすぐ航空便で日本に送ります。今年タイでは雨が多いので天日干しなかなかできないのによく売り切れます。でもいいものおいしいものを食べるために待つことも必要です。＜守ろう地球＞は去年のように忙しいだらけより、今年は計画を立てて商売したいと思います。お金や忙しいよりゆっくり時間が欲しいです。

②日本の女性のために専業主婦だけではなくて育児をしながら仕事ができる場所を作りたいと思います。また障害者たちにも。トムヤムセットは原料をタイから輸入して、パッケージは日本の女性たちがやってくれました。ラベルも近所のおじいさん（脳出血で手足が不自由）の手作りです。来年私の研究している薬草やハーブをどんどん開発しようと思っています。そのときは日本の障害者たちに仕事ができるように考えています。タイと日本の国境を感じない社会で作っていきたいと思います。

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