ニュースレター
1998.7
<守ろう地球>のニュースレター、わかりやすくておもしろい、そして感動的
とよく手紙で聞きました。「楽しみにしているのでまた書いて」。でもなまけも
のの私になかなか難しいです。
不況不況大変だ、まわりの商売友達よくいいます。商品いっぱいあってもなか
なか売れない。お客さんだんだんさびしくなってくる。
日本の経済危機になると当然アジアの経済もおちこみます。
いままで日本の経済のあり方は「金、物、人」でした。もうけるために物を売
らなければなりません。物を作るために人を使わないといけない。もっともうけ
ようと思ったら安い賃金、安い資源のアジアからとらないといけない。しかしわ
れわれも本質的に豊かな生活や商品化を考えていません。ただ安いとおいしいだ
け考えている日本人も多いだと思います。当然企業も経済のあり方では私たちを
うまく利用しています。
日本の国内総生産(GNP)高いといわれます。経済成長どんどんのびて20年間
に経済大国といわれる日本。しかしよく考えるとGNPあがるために「貨幣」しか
動いていません。
例えばあついあついみんなのどがかわいて自動販売機で缶ジュースを買ってく
る。自動販売機置くだけで電気エネルギーを使わなければなりません。
のみ終わったらごみも出る。そしてみんな買うとお金も集まってくる。全国に
集まるとGNPもあがっていきます。しかしよく考えるとわれわれの経済が上がっ
ていく中にエネルギーも使う、ごみ問題になるし、環境も汚染するし、そして日
本の「企業社会」は4K社会になっていく。(KAISHA、KAIZEN, KARAOKE, KAROSHI)
。会社の改善のため働かなければならない。働いて疲れてカラオケにいく。も
っと働いて疲れて過労死の道にいく日本のサラリーマンの状態。
長い労働、貧しい生活の日本の社会の中でわたしたちの生活は本当に豊かなの
か。いままでの日本の経済のあり方は本当にいいのか。<守ろう地球>はよく疑
問をもっています。今日本の経済が不況なのはいいチャンスではないでしょうか
。みんな貧乏ときびしい状況をゆっくり時間があって考える力があるかも知れま
せん。いい企業も生まれてくるかも知れません。<守ろう地球>も日本とアジア
の不況の中でいいチャンスだと思って、ゆっくりタイの村の経済価値と本質的豊
かさの商品化も考える時期です。
今エコロジー商品ブームでタイのNGOがたくさん生まれて、村人の自立のた
めに経済援助をしています。日本でも援助のためによく買ってくれました。タイ
のNGOとタイの村の経済をよく考えてくれる。民芸品やかばんなど手作りで、
環境にやさしい、そして安いし、日本向けのデザインなど、私たちが買ったら、
自然にやさしいし貧しい人に援助します。
しかし本質的豊かさの商品化は本当に自然にやさしいのか、私にとって疑問で
す。いま日本人のライフスタイルは例えばくつが安いから一人で何足ももってい
る。服もたんすの中に一人で100着ももっている人がおおぜいいます。安いから
アジアの資源も日本の社会にあふれています。
いらないものをどんどん貧しい人に作らせて売るのは、またタイの村に日本向
けどんどん作らせるタイのNGOのりっぱなプロジェクトも本当にいいことなの
か、<守ろう地球>はよく疑問をもっています。人間は最初何か始めるとき「私
はいいことをしたい」と理想をもって、しかし走る間に気がついたら「自分で自
然を汚している。」よくタイのNGOに話してあげます。
いまダイオキシン、環境ホルモンが日本の社会にとってとても深刻な問題です
。
他人の援助より、本質的な商品の豊かさのことを考えること、ごみを出さない
ためには商品をたくさん作らないことです。とくに手作りのもの安いから買って
ためる日本人、もうちょっと本質的な商品化とシンプルな生活を考えたほうが、
今の日本の社会に対して重要だと思います。
こう考えたら、この間、長い間<守ろう地球>が育てたNGOから爆発おこら
れました。
「<守ろう地球>といっしょにやるのは、もうからないからやめたい」
「そう、気がつくまで自分なりにやりなさい」
冷静的に答えました。民芸品やいろいろな意識を5年間育てた縁(えん)が切
れてしまいました。
「<守ろう地球>といっしょにやるのはかなり大変と思います。みんなの経済
のために考えるだけではない。もうけるだけだったらかんたんの道です。しかし
価値をもってもうけるのはかんたんの道ではありません。ついていきたいなら努
力が必要だと思います。」
いっしょにやる前にちゃんと意志を伝えてあげたのに。
しかしたまに貧乏になると人間のよさが見えてくる。もっとゆっくり考える時
間もあってときどき宝物を見つけてくるかも知れません。国際化の味もよくわか
るし、人間のたくましさや本当の姿もよく見えてくるし。大事な人を育てていこ
うと思って別れるのはつらいけど、心の中を「無」のようにして何も残っていま
せん。しかし前向き歩くしかない私の心では「あなた好きだから」「あなた嫌い
だから」感情的に判断するより価値で判断しています。
人間は気がつきやすい動物だと思います。いつか気がついて、<守ろう地球>
の考え方を理解すれば、そのときいっしょに走りましょうではなくて、いっしょ
に歩きましょう。
最後に大好きな歌、沖縄の嘉納さんの歌「花」をプレゼントします。
河は流れてどこまでいくの
人も流れてどこまでいくの
そんな流れがつく頃には
花として花として咲かせてあげたい
いつの日かいつの日か
花を咲かそう
P.S.
薬草
今大学で白ありを育てて研究しています。とってもおもしろいです。自分の作
った薬草で実験しようと思ってNeemの成分を調べているところです。
ニーム(続き)
【ニームの歴史】
ニーム(インドセンダンまたはマルゴッサ)はインドの原産で、今ではアジ
ア、アフリカ、アーストラリア、フィジー、パプアニューギニア、フィリピン、
中南米などに広まっている。
利用法はインドで昔からよく知られている。
樹木のほとんどの部分か苦く、種子の仁がもっとも苦い。
合成殺虫剤が作られるまでの数百年、インドの農民はインドセンダンの果実と
葉からの天然忌避剤で作物を保護していた。現在でも、乾燥させたインドセンダ
ンの葉は貯蔵穀物や羊毛の衣服の防虫に使われている。またインドセンダンの実
から油をしぼった後の粕、ニームケーキは1932年以前から稲畑でも使われ、土を
苦くして害虫を防ぎ、さらに肥料にもなる。
バッタに対する食欲忌避剤としてインドセンダンからメリアントリオールと
アザディラクチンが分離されたが、その後DDTに押されて利用は後退した。D
DTの害が認めらてくると、天然殺虫剤の原料としてインドセンダンが再び脚光
を浴びた。1980年以来、西独、インド、フィリピン、ケニヤ、オーストラリアで
、インドセンダンの殺虫剤としての可能性を探るための会議が開かれている。