ニュースレター
1999年11月
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タイでは季節に対してあまり奥深くありません。タイの季節は3つしかありません。つまり夏、雨季、冬、しかし実際はいつも夏なので、暑い季節と、もっと暑い季節と、一番暑い季節と、タイ人はよく言います。
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だから天気がはっきりしてるので、付き合ってもさっぱりしてます。
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タイ人の生活は天気のようにはっきりさっぱりしていますので、なれないまじめな日本人から見るといいかげんと思われるかもしれません。
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文化が違う南国から日本に来ると冷たい感じをするのは当然と思います。寒い日本の社会になれない、精神的に日本の社会に溶け込めない外国人もたくさんいます。
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そしてよく相談が一番多いのはやはり秋です。秋になると日本では人恋しい季節とよく聞きましたけれども、仲良くしていてもいい気分のはずなのに、さびしそうな心でぶつかったりけんかしたり犯罪おこったりします。
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タイでは秋はないけれども10月によくいろいろな事件が起きます。1973年10月14、15日「血の日曜日事件」といわれて軍と警察がデモ参加者に発砲、使者行方不明多数、そして1976年10月6日「血の水曜日事件」未明タマサート大の学生民衆200人以上を警察が惨殺しました。大勢の友達、恋人、親子が別れたり、目の前で殺されたり、体で体験した人は頭で忘れても体で何年たってもなかなか忘れられないだろうと思います。体の中にしっかり記憶してしまう。だからタイ人は10月になると不愉快と感じる人もいます。体の記憶のこっても耐えられる人はいいけど、耐えられない人はやはり体をこわしたり自殺したり精神的に落ち込むけっこういます。その人が弱いから強いからではなくて、人間だれでも弱いときもあるし強いときもある。その人の体と記憶と体験どうやって関わることよく観察するととても面白いです。
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私は秋になると、外国人からよく相談を受けます。自分でも困っています。専門家ではない私はどうやって相手に指導できるでしょう。一般には人から相談を受けたとき、原因とその人の状況をよく観察しないで頭だけ感じて、ことばで一所懸命に相手に力をつけようとして先生のようにべらべら教えてしまう人もいます。合う人だったら力になって成長するかもしれない。合わない人は逆に落ち込むかもしれない。本当に人間を心理的に指導すること、その人に合っている方法で、とても難しい仕事です。人間の心となやみを見ること、そして生活史がどうやって体にあらわれるのかよく観察しないと、とても頭だけ理解することは限界のところがあると思います。私は人の心を理解することは、「先生」という立場または「評論家」としてとても下手です。人の問題を指導することは下手だったらあまり関わらなければ楽ではないか。よく人から言われました。しかし人間は生活の中に心と体とても深い関係があります。上手に心理的に指導すれば相手はどんどん変わって元気で成長していく。
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だから今私は<守ろう地球>以外に、人の相談を受ける役割とてもいい勉強になりました。いつも気をつけていることは、「先生」という立場で人の問題を考えないことです。つまり高いところから立って人を見ると、なかなか人をよく見えない部分があると思います。舞台に立って見ている当然体で密接できないし、本当に相手はAだけの問題だけなのに自分勝手にBかCではないかと思い込んで、自分の想像で余分なエネルギーを使ってしまう。最後は重い負担になって、関わることも面倒くさくなる気分になります。だから人間関係ますます難しくなります。
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私は日本の社会の中でときどき仕事の関係で人の前に立って講演したり、また偉い人と仕事することをよく頼まれます。おおざっぱなタイ人の私は、偉い人とがんばりやの日本人の社会の中でどうも緊張感が高まってしまう。
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子供のとき踊りの先生によく言われました。「自分の体ゆるまないといい踊りになりません。そして見る客も楽しくないんです。だから舞台に立ったらすぐバカになりなさい。」先生の言葉今でもまだ心の中にのこっています。仕事やるときとても役立ちます。だから大事な仕事を偉い人といっしょにするいい方法は「自分がバカになる」ことです。つまり自分を捨てて人を感じて人の体をゆるませることです。舞台に立ってない気分になるとその場が温かい和やかな世界になります。そこにいるだけで雰囲気にみんなが元気になって温かくなるし、偉い人も温かくなります。自分がバカになるとまわりにいい効果があります。とくに家のこと、お母さんたまにバカになると子供が偉くなります。しっかりします。わけわからない家のことや自分のこと、命令しなくてもよく動くようになります。人はよく舞台に立ったら立ちっぱなし、なかなかおりられません。「偉くなれるけれどもバカになれない」ことです。たまにバカしながら仕事をやってみると本当に楽な気持ちになれます。そうすると体がゆるんで、いらいらしなくてもうまく仕事ができるかもしれません。
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タイ人の社会では仕事や人の付き合いなどでよくこう言いながら、気楽に楽しく仕事をやっています。
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「マイペンライ」、「サバーイサバーイ」
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お互いに気を張らないしお互いに楽しくやっていく。日本の社会から見ればがんばらないタイの社会かも知れません。タイでよく日本の企業が「がんばって」といくらいってもタイ人にはなかなか通じません。タイ人は人からいわれるより自分でやる方です。しかし自分にきびしいけれども他人に対してやさしいです。相手が悪いことやっても相手に怒るより温かくやさしく伝えます。たとえば失敗することでも人をことばで傷つけるより、いつもほほえみしながら「マイペンライ」といってくれます。やさしくして温かさなので、だれが聞いてもほっとする気持ちになります。自分の悪いことと人にめいわくしたことすぐ気がつく、どんどん変わります。タイ人の心の中で「マイペンライ(気にしない、なんとかなる)」のことば、人を心理的にうまく指導すること、よく分かりました。きびしさの中にやさしさ温かさ、不まじめに見られるけれども、人にうったえたいこと、自分の体をうまくゆるめること、よく学びました。世界の人だれでも、やさしい人間のそばによりたいこと、よく分かりました。
神崎ソラダー Sorada
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