1999年4月の星空コラム
火星を観てみよう
「もうすぐ火星が地球に最接近!」
「火星が地球に最接近」といっても、なにも火星がどんどん地球に近づいてきているという話ではありません。これはあくまでも見かけ上の距離のこと。火星は、「水、金、地、火、木・・・」でおわかりのとおり、太陽系惑星の中で地球のすぐ外側を回っている外惑星です。地球と火星の距離が最も近くなるという状態は、太陽−地球−火星の並びが地球を真ん中にして一直線になるあたりだと、容易に想像がつくことでしょう。
さて、ここでちょっと、天文用語を使います。
地球から見て、太陽が地球の周りを1年かけて1周するように天球に描いた軌跡を黄道(「こうどう」もしく「おうどう」と読む)といいます。そして、この黄道と外惑星の見かけの位置の差が180度となる時刻を衝(「しょう」と読む)といいます。惑星は衝となる付近で地球と最接近するわけです。
1999年4月25日 11時05分 火星が衝
1999年5月02日 02時26分 火星が地球に最接近
この5月、2年ぶりに火星が地球に近づきます。
とは言うものの、地球よりもずっと小さい惑星です。小口径の望遠鏡では模様まで観るのは難しいかもしれませんが、丸い形をした赤い惑星が覗けるはずです。
4月から5月にかけては、一段と明るい(最接近時の明るさはマイナス1.7等星にもなる)火星の姿が宵の南東の空(てんびん座とおとめ座の間あたり)にあります。探査機の着陸、生命存在の議論、人面丘(?)などなにかと話題の多い火星を、これを機にぜひ天体望遠鏡で観測してみましょう。ちなみに、望遠鏡での惑星観測の場合、月明かりはあまり気にすることはありませんので、ご心配なく。
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