1998年12月の星空コラム
流星群の宴のあと
「”33年ぶり”を終えて」
しし座流星群を富士山五合目で観た。
17日午前中、公衆電話からインターネットでアクセスした天気予報ホームページによれば、翌朝「晴」となるのは関東では静岡のみ。それを知り、東名道を西へ向かう。
午後、御殿場インターをおり、霧の富士山スカイラインを走り、五合目到着。曇天に突風吹き荒れ、「雲行きは・・・?」と心配しつつも、NHKハイビジョンカメラのスタッフはさずがいい場所をキープしてるし、夕方まで待とうと一眠り。
目覚めれば、相変わらず風は強いものの、雲も薄くなり、西の空には鮮やかな夕焼け。実はこの時、流星群のピークがもう過ぎていたとは誰も知らず・・・。
日付がかわり、しし座も東から昇ってくると、いよいよ観測体制本番。ひとつひ
とつの流星に歓声が上がる。ただ、思っていたほどの出現数にならず、近くにいた観測者たちにポツリと漏らす私。
私 「このぐらいの見え方だと去年とあんまり変わらないですよね」
一同 「・・・・・・・・・・?!」
どうやら皆、この流れ星、”33年ぶり”にしか絶対見えないものだと思っていた模様。
去年からだいぶ数も増えてきたし、来年だってチャンスがあることを教えてあげる。
夕方から駐車場はとっくに満車で、「午前2〜4時頃」と言われていたピークに向けて五合目付近は大渋滞に。
そして、午前4時13分、路面が一瞬照らされたように明るくなり、あの大流星が流れた(マイナス10等星ぐらいの明るさだったらしい)。流星痕は大きく弧を描き、数分間も空を漂った。
残念ながら流星雨にはならなかったけれど、今年のしし座群、十分楽しめたのではないだろうか。天候が思ったより
早く、そして多くのエリアで回復したのも幸運だったかも知れない。
はじめて流れ星を見た人、いやいやそれより、満天の星空すら初体験という方も多くいたと思う。そんな人たちがまた星を楽しみに観測地へ戻ってきてくれるとうれしい。そして、もちろん、来年の11月18日にも期待して欲しい。
観測を終えた朝、御殿場のマクドナルドへ寄る。観測帰りの老若男女でお店はいっぱい。流星群の宴のあとの気怠さと興奮が入り混じった不思議な空気の中で、来年の観測に思いを馳せるのはちょっと気が早いかぁ・・・。
「ライブラリINDEX」へ
ホームへ戻る
This page hosted by
Get your own Free Home Page