星空コラム
October 2000
10月4日、晴れ。いよいよ山歩き出発の日。
宿で朝食を済ませ、リックの荷物をチェックして出発。8時、荒川分かれにクルマを駐車。
ここからしばらくは舗装された林道を歩く。途中、タクシーに何度か抜かれるが、そんなことは気にしない。時間はたっぷりあるのだ。
ヤクスギランドは樹齢数千年の屋久杉を誰もが楽しめるようにと遊歩道が整備された自然林。木道はとても歩きやすい。80分コースという周遊コースをしばらく歩くと、花之江河への分岐点に出る。ここからは本格的な登山道である。
屋久島では登山道のことを遊歩道と区別し「歩道」と呼ぶ。この安房歩道はあまり歩かれていない静かなルート。深い深い森の中である。
思っていたより蒸し暑い。途中何度か倒木をくぐったり、またいだり、必ずしも道は良くないが、10メートル以内感覚に赤いテープのマーキングがあるので、それを慎重に追うようにして歩く。
出発して3時間半経過。水の音が右手に聞こえてくると、しばらくして沢に出る。安房歩道のほぼ中間点。いいところにオアシスがあるものだ。
早速、水を汲んで飲んでみる。さほど冷たくはないがおいしい。ここで、昼食。バターパンとむらさきはな豆の缶詰。甘くて旨い。パンにも良く合う。
登山道はこの沢を越えて先に続いている。雨天時は増水するので徒渉となるが、今回を水量もそれほどではなく、跨いで渡ることができた。
ここからは小屋をめざし、ひたすら森の中を行く。この道はアップダウンがキツく、ところどころ荒れている。地図上の等高線以上に登り降りがあるように感じられ、少しつらい。午後からは雲も出てきて、日差しが遮られるようになってきた。
結局ここまで誰ともすれ違わず。さすがに寂しくなってくる。と、そのとき、向こうから草を掻き分ける音。「こんにちは」と声をかけようと思ったらヤクザルだった。
ほどほどに疲れて、ようやく今夜の宿泊地、石塚小屋到着。
標高約1600m、2階建てのブロック造。夕日が差し込んで、部屋の中はとても明るい。
小屋日誌を見たら、8月に利用したパーティは5、6組ほど。もちろん、記入されない方もいるだろうが、利用者は少ない。ひとつ隣の尾根に淀川小屋というのがあり、宮之浦岳へのアプローチが短いこともあり、そちらの小屋のほうが利用者は多いとのこと。静けさを求めるなら石塚小屋がベターということか。
今夜の宿泊者は私を含めて二人のみ。もう一人の方も東京からの来たのだという。屋久島登山はもう13回目(スゴイ!)という超ベテランの方。
安房市街地=(クルマ40分)=荒川分かれ=40分(林道)=ヤクスギランド=6時間=石塚小屋
<登山メモ>
・荒川分かれには駐車スペースがある。ヤクスギランドまで行ってクルマを駐車しても良いが、今回は縦走であり、帰りのことも考慮し、登山口と下山口の中間点に駐車することにした。
・石塚小屋は水場が遠い。途中の沢で給水を済ませておいたほうが良い。
※「=*時間**分=」で示すコース時間は目安です。天候や残雪の具合、登山者の体力または疲労度などによって変わりますのでご注意下さい。
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