宮之浦岳（標高1935m）
10月5日。九州最高峰・宮之浦岳、山頂アタックの日。朝食をカロリーメイトとポタージュスープで軽く済ませて、6時40分、小屋を出発。今日も天気はよさそうだ。
しばらくは昨日と同じような雰囲気の森の中を歩く。地図にない小さな沢を丸太でいくつも渡る。1時間ほどで花之江河に到着。黒味岳（標高1831m）も見える。ここは、標高1600mの高地にひっそりと広がる日本最南の泥炭湿原だ。冬の積雪のある時期のこの湿原の美しさも、また格別なのだという。
湿原を過ぎるといよいよ視界が開け、快適な登山ルートとなる。翁岳（標高1860m・写真左）の西斜面をまくようにして登山道は続く。やがて、左手には穏やかな東シナ海が見えてくる。山の稜線を歩きながら、海を見渡すという感覚がなんとも不思議。少し風も出てきた。天気の変わり目なのかもしれない。
この縦走路は登山客も多い。登山道も踏まれているので迷うことはない。
水場を経て、急峻な道となる。大きな露岩の散乱した栗生（くりお）岳（標高1867m）を過ぎて40分も登れば、宮之浦岳山頂到着である。
10時半。しばらくは山頂でのんびりしようかと思う。
まずはお湯を沸かして、昼食は塩ラーメンと焼酎お湯割1杯。
さえぎるものが何一つない雄大な展望。目前には、九州第二の高峰・永田岳、そしてその向こうにうっすらと口永良部島も見える。
屋久島の魅力とはなんだろう。百名山のひとつでもあるこの頂か。深い深い森の中の縄文杉か。それとも豊潤に涌き出る水の旨さか。いやいや、こうして長い時間をかけて歩いて、ようやくたどり着いた山頂で思うのは、この島の全体の空気そのものにこそ人を惹きつけるものがあるのではないかということ。
永田岳（標高1886m）
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石塚小屋＝1時間＝花之江河＝2時間40分＝（栗生岳経由）宮之浦岳＝15分＝焼野三叉路（永田岳への分岐点）＝2時間＝新高塚小屋＝1時間＝高塚小屋 |
| ＜登山メモ＞ ・焼野三叉路から永田岳山頂までは５０分。ピストンで2時間見ておけば余裕。時間的に余裕があれば、永田岳にも登りたい。永田岳からは、宮之浦岳からは見えない屋久島でいちばん美しい浜、いなか浜が見える。 ・栗生岳手前に水場あり。宮之浦岳山頂前の「最後の水場」との案内あり。確実に給水しよう。 ・高塚小屋の水場は案内もなく遠くて不便。新高塚小屋で給水を済ませておいたほうが良い。 |
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