関西弁とタイの日本語学習者
「 関西弁 」これは、一般の日本語を勉強しているタイ人にとって、聞きなれない言葉だろう。関西弁とは日本のある一つ方言なのだ。方言というのは 、同一国語内における言語の地理的な変種だ。例えば、青森と東京と大坂で、土地が離れていることによって言語が相違している場合、それらは、共通語と似っていようがいまいが、それぞれ青森方言、東京方言、大坂方言ということになる。 方言は一人の人間にとって、生まれて最初に学ぶ言葉だ。その言葉は両親の言葉でもあるが、それよりも強力なのは、生まれたところの言葉だ。あるところに生まれて、少なくとも小学校を出るころまで同じところに住むなら、その人の言葉の骨組みはその土地の言葉になる。そういう言葉は、英語で Native Languageタイ語で ÀÒÉÒ¶Ôè¹à¡Ô´ という。言葉通り、「生まれつきの言語」だ。
普通の日本語( つまり、共通語 )もまだまだどんなに理解できない我々のようタイ人の日本語学習者にとって、関西弁は叶えない夢のよう捕まえないものだろう。しかし、日本では、最近 ラジオ、テレビなどで関西弁を耳にする機会も増えてきて、「関西弁ブ-ム」まで言われて、すごく流行している。そして、本当の日本語を本当に理解できるようになりたい我々は、そのことを無視して、このまま勉強し続けるのは、本当にいいだろうか。
関西弁には共通語と同じ言葉もたくさんあるが、アクセントが違うものがある。また、関西弁しか使わない言葉や共通語と違う言葉もある。例えば、共通語の「ダメ」という言葉は、関西弁で「アカン」という、共通語では「修理する」という意味の「なおす」は関西弁では「片付ける」という意味などだ。
それだけでなくて、文法や文の形も共通語と違う。例えば、
共通語の「..だ」は、関西弁で「..や」と言う。
男 だ → 男 や
男だろう → 男やろう
男だった → 男やった
共通語の「..ない」は、関西弁で「..へん」と言う。過去形は「..へんかった」だ。「しない」と「来ない」は特別だ。
行かない
→ 行かへん 食べない → 食べへん しない →
せえへん 来ない → けえへん
共通語では男性は 「わ」という語尾を使いませんが、関西弁では男性も女性も「わ」を使います。男性が使う「わ」は「わ↓」と音が下がります。これは、共通語の「よ」に当たります。
•共通語 「女性」 今日は休みですわ。↑
•関西弁 「男性」 今日は休みですわ。↓
関西弁は、大坂を中心とした近畿地方で話されているが、それぞれの地方で少しずつ相違点がある。例えば、大坂は言葉を短く省略して言うことが多いのに対して、京都ではゆっくりと話す。それは、大坂は昔から商業の町として栄えたため、短い時間にたくさんの話をして品物を売ろうとした表れ、京都は、天皇や貴族が住んでいたことから、のんびりとした話し方をするかもしれない。
最近は、日本に関西弁がとても流行っていて、関西弁を使った
テレビ番組、ラジオ番組、cm、お笑い、マンガなどのものは以前と比べて、着実に増えてきていると感じている。「ブ-ム」のレベルまで人気があると言われているが、ブ-ムであるからには、いずれ熱がさめて、人気もそのうち下火になるのではないかという気もする。ところが、今日まで まだ人気があって、関西弁ブ-ムの根はかなり深いところにあるもののようだ。
そんなに人気がある原因は、マスメディアに出演する芸能人やお笑いが関西弁を、よく使用するからだ。例えば、フジテレビのHey Hey Hey
Musicchamp という音楽番組の司会者「ダゥンタゥン」という二人のお笑いグル-プは、番組の始終ずっと 関西弁しか話さないこともある。
そのような番組の始まった当初は、放送に関西弁を出すことに対する抵抗が各方面で見られたが、時間の経過とともに抵抗は消え、だんだん慣れて、面白いことのよう、好きになった。
関西弁は、本、音楽、レンタルビデオなどの日本の文化のマスメディアとともにタイに伝わってきたが、タイ人の日本語学習者に、大切にされなかった。なぜかというと、普通の日本語も大変難しいし、テキストや先生もないので、勉強しにくいからだと思う。
しかし、このまま放っていけば、本当にいいだろうか。今、関西弁は、日本にそんなに流行っているのに、日タイ文化接続橋のような我々は、夢の中にいるように迷っていて、将来のタイの日本語界、将来のタイと日本の関係は、どうになるか..?
さあ..皆さん、目覚めて、これからは、普通の日本語だけでなく、本当の「日本」が理解出来るように、関西弁を勉強しようよ。
以上