もともと引っ込み思案で,保育園では「優しいタイプの男の子」なんて,表現されていた息子なのですが、4年も5年も同じ保育園に居ると、すっかり慣れてしまって、本来のおちゃらけな性格が出てきました。つまり、内弁慶だったわけですね。逆を返せば、現在、保育園は彼にとってホームグラウンドなわけです。
うちの保育園はもともと乳児園で3才までしか預かっていなかったんですが、ラッキーなことにうちの子供が3才になったとき、4才保育も始めてくれて、現在6才で同じ保育園にお世話になっています。ただ現在、無認可なので、うちのクラスは6人しかいません。
当然、この6人は仲良しになります。すんごい連帯感あったりして、結構感動することも日々あったりします。が、そのことは、また別のページで書くとして。
うちのクラスには女の子が二人います。そのなかのNちゃんというのが、最近の息子のお気に入りです。が!しかし!!クラスにいる他の男の子二人もNちゃんのことが好き。普段は仲良しな男の子達ですが、Nちゃんのことで、一度話しあいになりました。
リーダー格のMくんがNちゃんと結婚すると言い出したのです。もちろん、そういうことに奥手なたかちんは「結婚」というものが一体どういうものかよくわかりません。で、結婚ってなに?ゆうことになり、そのMくんに、「結婚式をして、いっしょに住むこと」って教えてもらったようです。
当然、たかちんもNちゃんと結婚したい。3人は言い合いになり、たかちんは卑怯にも、「契約書をNちゃんに書かせて、なにがなんでも将来結婚する」という手を考え出し、普段親同士でもよく遊びにいってリードされている二人の男の子を一挙に引き離す作戦にでました。
他の子はその契約書がどんな効果を生じるかよくわかっていず、油断していました。Nちゃんも「書いてもいいよ」とのんきなことを言っています。
そんなこんなしているうちに、Nちゃんともぐっと仲良くなり、たかちんは家でもしばらく「Nちゃんと結婚する」といっていました。
余談ですが、このころ、たかちんは年のイメージがまだよくわかっていなくて、自分が結婚できる大人になったころにはNちゃんはおばあさんになっているのではないか?と心配し、「やっぱり、Nちゃんと結婚しないで、おかあさんと結婚する」というわけのわからないことを言ったりしていました。「たかちん、そりゃ、逆だよ。おかあさんのほうが先におあばちゃんになるよ」と諭すと、そんなものかと納得していましたが。
Nちゃんは将来のお婿さんのたかちんに「あれやって」「これやって」と色々要求してくるようになりました。たかちんはNちゃんと結婚したいので、最初はそれにいちいちしたがっていたのですが、だんだん、それにあほらしくなってきたらしく、「もう僕、結婚しない。だって、めんどくさいもん」と6歳にして、悟りの境地に達してしまいました。
しかし、Nちゃんは、さらに一枚ウワテだった。
6才児の一時の呟きなんか、諦めているわけではないのです。クラスでは女の子は二人。しかも、自分の方が、何かと勝っている(ことを自分で知っている!)
しばらくして、Nちゃんは、たかちんに貢ぎ物を要求してきました。(といっても、「折り紙でハコつくって」だけどね)あほな男、たかちんは、自分が何か頼りにされているという優越感で満足し、「じゃあ、土日でつくって月曜日に持ってくる!」と約束しました。
でも、そこは6歳児。2日もたったら忘れちゃうわな。
で、月曜日、鋭く覚えていたNちゃんに「ハコもってきた?」といわれて、「あ、忘れた」とたかちん。「も〜、なにやってんのよー」と怒られる。怒られた時は、持ってこなくちゃって本気で思うらしいのですが、いつもすっかり忘れちゃう。
女は貢ぎ物を要求する。男は忘れてしまう。
たかちん、一生そんなもんだよ。