長崎港(戦艦の夜景)

いつも論文を読んでいて尊敬していた方が,あるセミナーのレセプションで偶然いらっしゃって,恐いもの知らずだった私はつかつかと駆け寄って,自己紹介して無理矢理知り合いになっていただきました.そして,その方はとても心の広い方で,研究所に招いてくださいました.その研究所が長崎にあり,私は自分の会社の出張者寮に泊まりました.そこは,グラバー邸の近くにあり,ロケーションは最高だったのですが,古い建物で,壁はベニヤ1枚,扉は鍵がかからない,おまけに隣は宴会でうるさいといった最悪の宿でした.しかし,窓から長崎港が見え,私は生まれて初めて戦艦をみました.戦艦は夜も工事をしていたのか,戦艦のシルエットに沿って照明がほどこされ,夜の港の闇に豆球のような光が戦艦を灯していました.戦艦の剛健なイメージとはほど遠く,何か幻想的な船がそこに停まっているかのように見えました.同じような夜景で,瀬戸大橋の四国側の夜景で,工場のシルエットがあります.瀬戸内工業地域として,昼間はがっかりするような風景なのですが,夜は闇に照らされた明かりで全く別の印象を受けます.

街がクリスマスに美しくデコレーションされて,夜が灯にともされて美しく見えますよね.でも,あれって,いかにも狙ってつくりあげてしまうし,街のそこいらじゅうでやっているので,最近あまりありがたみがないと思いませか?それにくらべて,戦艦の夜景は,まさかそこで,そんなもので,あんなきれいな風景がみれるとは思ってもいなかったので,とても感動しました.


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