鳴き砂(にま海岸)
知られざる秘境(日本の一押し海岸!)
鳴き砂とは,砂と砂をこすりあわせると,「きゅっ,きゅっ」とかわいい音のする砂のことです.このとても珍しい砂がこの海岸にはどっさり(というか,海岸全体)あります.一面白い鳴き砂で,歩く度にきゅっきゅっていいます.ここは,島根県でもはずれ(って言ったら現地の人に悪いか)で,こんなすばらしい景観と砂があるのにほとんど観光客がいません.そして,観光地図にもあまり載っているのを見たことがありません.私が行ったときは8月のはじめでしたが,現地の小学生が数人泳いでいるだけでした.近くには「世界一巨大な砂時計」という,一応「観光名所」を現地の方がつくられているのですが,企画倒れだったのか,ここもほとんど訪れる人がいませんでした.でも,本当に美しい海,美しい砂,そして,ほとんどだれもいない静けさ,最高の海です.
しかし,ここに来るには車で山を越え,谷を越え,そして,場所がわからないので,人に尋ね尋ねくるか,1日数本しか汽車が通らない単線のにま駅(普通しかとまらない)に行くか,どちらにしても,非常な労力がかかります.でも,海岸をみたとたんに,そんな苦労もふっとぶことでしょう.
最近,気になっているのは,ロシアの船が落としていった油です.鳴き砂は非常にデリケートで少しほこりがはいっただけでも,鳴かなくなってしまいます.油の影響が小さければいいのですが・・・.(こんなに美しい海なのに,地元の人があんまりアピールしないのは,あんまり人を呼ぶと海が汚れるからかな??)
私が行ったときは台風が近くにいて海が少し荒れてました.でも,泳げないほどではなかったので,ビーチボールをもってぷかぷか泳いでました.で,浅はかな私はそのまま沖の方をむいたまま,泳ぎもせずにぷかぷかやってました.波が私を勝手に沖へ沖へ,そして,遊泳禁止区域ラインへと運んでいくのも知らずに・・・.ふと,気がつくとものすごい沖に流されていてしかも,波がとても高くなっていました.あっぷあっぷなっているとすぐよこに遊泳禁止のつながあり,そのつなに体からまり,本当に体が沈んで浮かなくなりました.本当にこわかったです.海に沈んでいく.このまま死んでしまう.誰にも気づかれず・・・.そこからは自分でどう泳いだのか覚えていませんが,なんとか,岸にたどりつきました.本当に海が恐く感じました.今でもときどき,その海のこわさを思い出すと体の動きが止まってしまいます.以後,必ず,海では浅いところでちゃぽちゃぽするだけにしました.