南半球旅行記
というほど,大したものではないですが.
「英語のようなもの」を駆使して,外人との仕事を乗り切りました.あとはジェスチャーゲームのようなものでした.それと,万国共通へらへら笑いです.
奉公11年目にして,初めて海外出張というものを体験させていただきました.季節が反対ということで,向こうは夏だったのですが,涼しかったです.もしかして,飛行機で同じところをぶんぶんまわって,北海道あたりに外人エキストラをたのんで,そこに連れて行かれただけのことだったかも・・・・なんて,思うほど涼しかったです.
日程
出発するまでのこと;
当日まで,仕事があって,あたふたでかけました. 私は乗り物に弱くて,飛行機に乗る前から,(乗る何日も前から)どきどきしてました. 英語はだめだし,発表の準備はしてないし,家族は風邪ひいているし,なんだか, すごく不安を感じてました.
出発の2時間前には到着しておきなさいといわれて,6時頃に関西国際空港へいきましたが,ただ,暇なだけでした.何を基準に2時間というのか??空港で1時間半くらい,いたずらに,どきどきしてました.ああ,こわい,飛行機恐い.大丈夫大丈夫って自分に言い聞かせても,頭でわかっていても,心が恐いもの.飛行機は双発のボーイング767で,とっても小さい飛行機でした.げ,これ,ほんまに太平洋わたれんの?まー,そんなこと,今更ゆうてもしゃーない.9時頃,飛行機は大阪をあとにしました.さー,夜だ,つくのは朝だ.とくると寝るしかないと普通思うでしょうが,おしぼりだ,飲み物だ,夕食だとサービスがつづいているとあっと言う間に12時,すっちゃんに,「私,もう寝ますからいいです」と言っても「まだ,お茶のサービスがあるんですけど」「チョコレートもあるんですけど」いらんいらん.私,飛行機恐いし,もう寝るわ,といって,とりあえず,寝る振りしました.
眠れんがな.
飛行機が揺れているのと,椅子があまり倒れないのと,周りの外人がうるさいのとで眠れません.そうこうしているうちに夜明けです.南半球の夜明けは早い!雲海から昇ってくる朝日はとてもうつくしく,思わず,写真をとってしまいました.と,私が起きたのに気がついたすっちゃんがすかさず,「軽食でございます」いらーん,ゆうに.でも,とりあえず,頂いて,ごそごそしてたら,照明がついて,「朝食でございます」あー,食欲ない.なんで,こんなに食べ物ばかり持って来たがるのか?そうこうしているうちに行きたくもないのに,経由してしまうブリスベンに到着しました.
降りたくもなかったですが,ブリスベンで一回降りろといわれて,降りました.ああ,眠い.なんと,そんなお客のためにブリスベンのトランジットにはシャワー室がありました.しかし,シャワー浴びる暇というほど長くはとまっていないので,とりあえず,本屋で,本をみて,ふと思いついて,おみやげやさんに行きました.かわいい動物のキーホルダーがあったので,早速買いました.するとレジで「あんたはトランジットだから買えない」と英語でまくしたてるので,なんやと?わし英語わからへんでと言っている間に飛行機の案内があり,わし,急いでんねん,はよしてーな,と英語(のようなもの?)でまくしたてていると,日本人の売り子がやってきて,いきなり税関に電話しはじめました.ひえー.そうこうしているうちに,空港の案内で直接名指しで私の名前を呼び始め「なにしてんねん,はよ,飛行機にのらんかい」と英語でアナウンスがはじまり,あーだこーだいっているうちに,お土産を売ってもらって走って飛行機に乗りました.一路シドニーへ.夕べ大阪をとんだのが9時前だったのに,ホテル着いたら12時でした.あー,昼ご飯食べる気がしない.というわけで,明日訪問予定の会社に電話して,「私,いまついた,時間あるね.あなた,だいじょぶ?じゃあ,そっち行くね」と英語(のようなもの)で了解をとり,1日くりあげて,訪問しました.(会社には内緒.社員の健康と安全のため,到着日は休憩をとらなくてはならない)
その会社は音場の人工現実感を作っている会社で,もしかしたら,その機械を使って実験するかもしれないということで,見学に行きました.対応してくれていた担当者がいなくて,まず,自分の自己紹介やら,仕事の内容やらを説明しなくてはなりませんでした.社長まで出てきて,ひゃーとおもいつつ,英語(のようなもの)で説明しました.なかなか忍耐強い人たちで,一生懸命聞いてくれました.で,デモとか見せてもらったり,技術説明をきいて,お仕事をすませてホテルにかえりました.
オーストラリアはサマータイムで5時でも全然明るいので,早速,名所オペラハウス近辺にいきました.さすがに金かけてるだけあって芸術的な建物です.でも,よく見る絵はがきのように真っ白ではなく,黄ばんでました.ロックスってとこがおしゃれだというので,そっち方面にいって,ほんまにおしゃれな町並みをその気になって歩きました.寝てないわりに元気な私.途中,やっとおなかがすいてきたので,スパゲッティを食べました.食べていると,少年がサンタの人形をおいて,「この人形を恵まれない子供達の為にかって」と言ってきました.日本ではそんなキャッチセールスは絶対お断りなのですが,まー,いいかと思って,2ドルで買ってあげました.この日はさすがに疲れて,風呂から出たらベッドになだれ込んでしまい,泥にはまっていくように眠りこんでしまいまいした.
昨日の代わりにオフとなりました.シドニーは観光地で,特に日本人にはみんな優しく,忍耐強いです.英語のようなものを喋っていると「ニホンデスカァ?」なんて聞いてきてくれます.日本のことをとても大きなマーケットだと思っていて,国全体が日本人を大事にしようと思っているようです.若い人達は皆日本語を習いたがりますし,最近,政治家で人種差別発言をしたひとも「でも,日本人だけは別」といった,わたしたちからするととても変に聞こえるようなことを平気でいったりします.
治安も悪くなくて,(といっても,恐いとこに行ってませんけど)1人でうろうろしていても,まず問題ありません.特に,私にとっては,シドニーは海に近く,気候が温暖で,田舎都市といった感じで故郷にとても似ているように思い,親近感を感じました.なんとなく形も似ているし.シドニーの人は明るくて,親切という印象を受けました.この日は博物館,水族館へ行きました.(遊んでばっかり)博物館も水族館も公営というのに入場料を2000円くらいとられてびっくりです.オーストラリアの物価は全般的に凄く高く,雑誌や食事も非常に高いです.博物館はいまいちでしたが,それに付属している軍艦にのってもいいよというのが結構面白かったです.ここで,軍艦にのっていたおっちゃんに写真とってもらいました.その後,橋をわたって,水族館へ.この水族館は趣向をこらしてあってよかったです.今でこそ日本でもポピュラーですが,ガラスのトンネルをつくってあって,水中を歩いている気分にしたりとか,最大級の鮫やエイを飼育していたり,結構堪能しました.
水族館の横でピラフを食べて,今日は頼まれていたお土産を買おうとモールへ行きました.職場のなかよしくんSちゃnが「カンタベリー」というので,2時間も探しまくり,やっとショップを見つけました.どうしてここまで彼のために努力しないと行けないのか??入ってみるとポロシャツがブランドとはいえ,2万もする!!オーストラリアは一体どうなっているのか?文句を心で日本語でつぶやきながら,英語のようなものを駆使し,売り子に注文をつけながら,1着買いました.後は本屋をのぞいたり,お茶飲んだりして,博物館にも行きました.蜘蛛の特集中でちょっと気味が悪かった(そうか,オーストラリアって大陸なんや.げっ,アデレードで毒ぐもでたらどないしよ)ですが,恐竜の化石なんかはすばらしかったです.さすがに疲れてホテルに帰りました.気候も涼しく,よく歩いて,なんだか健康的です.
ホテルで,テレビをみていると,ウイグルスというとんでもない番組をやってました.日本人だったら絶対恥ずかしくてできないようなことを大の男4人がオープンカーにのって楽しそうにやってます.クビを振りながらものすごくしょーもない歌をうたっています.最初あまりにもインパクトが強いので何かのコマーシャルかと思ったのですが,その歌がまた,長い.どうも子供向けの番組のようでした.12日ではないのですが,後日,このウイグルスの公式絵本というのを本屋でみつけて,あまりにもばかばかしいので購入してしまいました.しかし,これも,日本だったら500円くらいのものですが,なんと2000円もしました.オーストラリアはなんかおかしい.
この日はアデレードへの移動日です.本当はこの日に日本からアデレードに行くつもりだったのですが,先のシドニーの会社が19日の金曜日はクリスマス休暇にしたいということでくりあげて,こんなスケジュールになってしまいました.移動するまで時間があったので,チェックアウトをすませてから荷物を預けて,タロンガ国立動物園に行ってきました.船で対岸まで渡り,ロープウェーで山を登って動物園に行きます.そんなに大規模な動物園でもないのですが,なるべく自然なままに動物を飼っていて,そこそこ広さがあっていい感じの動物園でした.ここで,新年会用のトラの帽子を購入しました.動物園はなぜか外人カップルが充満していました.どうもハネムーンのようです.ああ,そういえば,シドニーは外人カップルがあふれていた.寂しい私・・・.などと思いつつも,元気に動物園をまわり,写真を1本現像してハガキを書いたりして,空港に移動しました.飛行機に弱い私は空港で早くも胃が痛い.飛行機にのっても緊張しまくっていました.となりにすわったおばちゃんにやたら話しかけられ,うーん,気持ちわるいのにぃ〜なんて思いつつも,へらへら笑いながら話を聞いてました.シドニーに息子が婿入りして,この6日前に初孫ができた,どうだ,かわいいだろう,息子はテレビにでてんだぞ,すごいだろうという話をえんえん聞いてました.途中夕食がでたので,すかさずワインをたのみ,へろへろになってアデレードへ到着しました.アデレードも涼しく,タクシーのおっちゃんに「お前はラッキーだ,こんないい町にきて.シドニーなんかアデレードに比べたらうんこだ」という話をきいて,ホテルハイアットリージェンシーへ.ああ,こんなごっついホテル,もう一生とまられへんやろな,ホテルライフを満喫しよ.なんて思いつつ,ホテルに入りました.しかし,どんなに偉いホテルだろうが,外国のホテルにはパジャマも歯磨きセットもスリッパもない.オーストラリア観光局は日本人を誘致したいのだったら,即刻パジャマと歯磨きセットとスリッパを置きなさい.しかし,枕は最高でした.吸い込まれるような感じ.家で枕を4個も買い換えた私ですが,いまだに朝起きると肩凝ってます.でも,ハイアットリージェンシーで寝ている間は肩がすごく快適でした.お風呂には必ずバブルジェルがついていたので,毎日泡風呂でした.しかし,シャワーが日本のようにホースじゃないく,壁にくっついているのです.これもなんとかしてほしい.
この日は夕方から学会でパーティです.昼は大学近くの博物館や美術館に行ってました.建物はきれいでしたが,内容は田舎だけにいまいちでした.パーティでは,なぜか韓国のひとと仲良くなり,しばらくお喋りしていましたが,やはり,日本人集団の中に入ってしまい,久々の日本語を楽しんでしまいました.その中になんとライバル会社で同じ分野のエンジニアがいて,二人で敬遠しあってしまいました.うーん,会社の名前いわなきゃよかった,これだとなんもきけん.失敗した.
さすがにこの間はずっとまじめに学会にいました.発表なんかもしたりしました.チェアマンに13日のパーティで英語のようなもので「わし,英語だめやねん,全然あかんねん,変な質問とかせんといて」と頼んで置いたのがきいたのか,発表はめちゃくちゃスムーズにおわり,ほっとしました.学会中はなんか忙しくて,質問受けたりしてもどうも落ちついて答えられず,惜しいことをしました.学会中にアデレード大学の学生でソプラノの女の子のソロを何度か聴く機会がありました.私はオペラのソロを生で聴いたのは初めてだったのですが,もうめちゃくちゃ感動し,後から後から涙が出てきました.素晴らしく美しい声でした.クラシックにしては少し癖のある歌唱だったのですが,これがまたすごくええのです.彼女はミーガンといってまだ22歳でこれからが凄く楽しみです.私は早速彼女にファンレターを出してしまいました.
朝めちゃくちゃ早く起きて,アデレードからシドニーまで行って,そっから日本航空で帰ってきました.日本航空のほうが全日空よりサービスがいいような気がしました.すごいすいてて,4席独占して横になったりしていましたが,すっごい揺れて,しょっちゅうベルト着用になってしまい,くつろぐわけにもいきませんでした.案の定緊張しまくっていた私は飛行機が揺れる旅にひえーーーーーって思っていました.途中グレートバリアリーフのあたりでとんでもなく飛行機が揺れてどかーんと落ちたことがあって,他の客もわーわー騒いでいました.あー,飛行機はこわい.なんとかならんか.