第一章 1 美帆、男にやさしすぎるのかな わたしは島崎美帆、二十二歳。半年前、大学の卒業と同時に結婚した、ほやほやの若奥様なんだ。 港を見下ろす、高台の豪邸に住んでいます。 坂道の上り下りは大変だけど、高級住宅街のど真ん中、お寺さんかと間違われるほどの敷地を持ってるんだ。 別に、自慢するつもりじゃないけど。最初、この家に来たときは、ほんと、びっくりした。背が低いせいもあるん だけど、門を入っても、家が見えなかった……森しか見えなかったから……。 とにかく、それぐらいの豪邸なんだ……。木立のずっと奥深くに家がある。そこに住んでいるわたしは、 文字通り、深窓の麗人ってことになる。 麗しいって、言葉の意味、単純に美人って意味だと解釈すれば、これも当たっている。美人は得だってよく 言われるけど、決してそうではない。才能があって、野心のある女性なら、美人は武器になるだろうけど、 |
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わたしのような、人が良いだけのお馬鹿さんだと、致命的な傷になる。 「頼まれたら嫌とは言えない性分だから……」なんて、わたしの父親、自慢気に言うんだけど、わたしもその遺 伝子受け継いでるから……もう、大変なんだ。大学に入学するために、都会に出てきて、最初に驚いたのは、 町の人っていうのは、お茶が好きなんだなあ……ってこと。 本当はお茶が目的じゃないってこと、後になってわかったけど、最初は言葉どおりに受け取って、繁華街、 百メートルほど歩く間に、紅茶を四杯も飲んで、おなか、ちゃぶんちゃぶんになったこともある。 「コーヒー飲むんですか、お茶、飲まないんですか」なんて言って、笑われたこともあるけど、いきなりホテル なんてのがあって……そのときは、いかにノー天気なわたしだって、どきどきした。 部屋に入って、お茶の用意がしてあるのを見つけたときには、ほっとして、 「ああ、ここのお茶がおいしいんですか」なんて言って、険悪な雰囲気になっちゃった。 |
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実害はなかったけど、危険な目には、いっぱいあってる。 それも、これも、わたしの美貌のせいなんだ……と、思う。 わたしが育った田舎は、みんな知り合いみたいなものだったから、そんなことなかったんだ。 田舎のお茶は、本当に飲むお茶、都会 のお茶にはエッチの意味も含まれています、なんて、辞書には書いて ないもんね。いずれにしても、美人であることが災いしたんだ。不美人もいやだけど……中くらいがいい。 中庸が一番。なんだって、同じことだ。旦那は四十歳。大学の教授で、わたしの恩師てもあるの。 早い話が、教え子に手を出した悪い奴。試験の点数、まけてくれるように頼みにいったのがいけなかったんだ …
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大阪弁は、男を男にする? 大学に入るのって難しいから、そこで先生している人って、立派に決まってると信じ込んでたから、 「僕と、真面目なおつきあいしていただけませんか……」って、頼まれたら、いやって言えないよな…… それに、試験の点数、負けてもらった弱みもあることだし……で、 食事をして、お酒をのんで、結局エッチ。 真面目なおつきあいをする、にも、エッチする、の意味が含まれているんだって、初めて知ったよ。 その他、思い出せる範囲で、「エッチしよう」の意味を含んだ言葉を列挙すると…… 飯、喰いにいこう/ドライブしよう/ノート、 見せてやるよ/送ってあげよう……とにかく、きりがない。 男はみんな、わたしの身体をねらってるんだって、最近、そんな結論に達した。 それから一週間、風邪をひいたなんて仮病使って、先生休講を続けてた。反省してるのかな、わたしにどう 対応していいのか、悩んでるのかな……同情心も芽生えてきた十日目に、彼、学校に出てきた。 |
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「許してやるよ」ってつもりでニコリとしてあげたんだけど……それがいけなかったみたい。 先生ったら、俄然元気になって、リターンマッチを迫ってくるんだ……もう……って感じ。 女を口説くの、トンネル工事みたいに考えてるんだね、男ってやつは。 一度貫通してしまうと、あとは何度でも、通行自由になるって。 あれは島崎先生との何度目のエッチだっただろうか、たしか、土曜日の午後だったと思う。 研究室でいきなり先生に抱きつかれて…… 「やだよう……誰かくるかもしれないよう……いや、やめて、せんせー……」 「スリルがあるよって、元気がでるんやないか。ええやろ、頼むわ、なっ、なっ、なっ」 先生、普段は標準語のくせに、セックスのときだけ大阪弁になるんだけど、大阪弁になると、 エッチ度が倍増するみたい。 とても元気になるんだ。 |
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イヤイヤを連呼しながら、先生と二人で組んず解れつ、スカートをまくり上げられたときに、 学部長が入ってきたんだ……。 で、その後、いろいろあったんだけど、省略して結果だけを言えば、……責任をとるってことで、 結婚することになってしまったんだ。 最初のうちは怒っていたわたしの父親、彼がかなりの資産を相続しているってことを知って態度が 一変、では責任をとってもらいましょうってことになったんだけど…… 二十歳近くも年上のおじさんとの結婚なんて……そんな責任なんかとってほしくないなあ…… なんて、思ったんだけど言い出せずに……結婚することになってしまったんだ。 広いお屋敷には、わたしと先生の他に、石辺健吾って名前の執事が一人(名は体を表すで、 お話にならないぐらいの頑固ものなんだ)と、住み込みのお手伝いさんが一人いる。 あとは、ドーベルマンが二匹いるだけ。 ・・・・・ |
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3 ドーベルマンは美帆のフェルモンがお好き? 太郎と次郎。庭で放し飼いになってるドーベルマンの名前。泥棒よけに飼ってるんだけど、チンやスピッツと |
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やだあ、エッチ、なんて思いながらも、最初のうちは偶然かな、なんて思ってたんだけど……、 どうもそうじゃないことがすぐにわかった。 太郎は正面から、次郎は背後から、ぐいぐい鼻先を押し当ててくるんです。スカートがまくれあがってきます。 「だめっ」 思わず声をあげてしまったんだけど、石辺と目があって、なんだか恥ずかしい。 いつものなつきかたと違うよぉ、美帆の匂いはいつもと同じはずなのにぃ……そう思った瞬間、 朝のシャワーのことを思い出して、真っ赤になってしまいました。 その朝、いつもと同じように島崎先生を送り出した後、シャワーを浴び、いつもと同じように鏡の前に 立ちました。で、そのとき、太股の内側、脚の付け根についた大きなキスマークを見つけたのです。 昨日の夜、一週間の予定でフィールドワークにでかけることになった島崎先生が、 「一週間分、まとめてやるよって……、ええやろ、うれしいやろ、なっ、なっ」 |
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と言いながら、美帆の身体を執拗になめ回したのです。で、最後の仕上げが、あそこへの強烈なキス。 ひとつ、ふたつ、みっつ……数えてみると、手のひらほどの狭い場所に、強烈なキスマークが三つも ついているのです。他にもないかな……なんて思って探しているうちに、 「あん……」 思わず声を上げてしまいました。わざとじゃなくって、偶然、指がクリちゃんに触れて しまったのです。バスタオルで拭いたはずなのに、いつの間にかすっかり湿っていて、で、 仕方なく慰めてあげることにしたのです。 「お茶の支度が整いました」 家政婦の種子さんが呼びに来たので、中途半端なままで終わったのですが、ちゃんと拭いてなかったから…… 太郎と次郎、その匂いを嗅ぎ分けて…… 二匹のドーベルマンに刺激され続け、気がついたときには、芝生の上に座り込んでいました。 美帆の中心、恥ずかしいほどに潤っています。太郎と次郎は、鼻先を美帆の中心に向けたまま、 子猫がするように、仰向けになって背中を地面にこすりつけています。そんなわたしたちの様子を、 執事の石辺さんはにこにこしながら眺めていました。 |
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4 美帆のラブジュースにはマタタビ効果があったんだ 美帆のお股の中心から溢れてくる、エッチな分泌物の量に比例するように、ドーベルマンの動きに 嫌らしさが増してきます。 「あーん、やめなさい……そんな……そんなこと……しちゃ……だめっ」 控えめな太郎は、スカートの上から鼻をこすりつけながら、身をよじらせているだけなのですが、 我が儘な次郎の方は、芝生に広がったスカートの端をくわえ上げ、その中に潜り込んできたのです。 助けてもらおうと、 「石辺さん……」 呼んでみたのですが……石辺さんたら、例のまじめくさった顔を向けて、わられもないわたしの格好を 見下ろしているのです。助けるどころか、頷きながら、 「若奥様は、本当に心のお優しい方ですねえ。動物に、これだけ愛されるといこうとは……はい」 そんなことまで言うのです。 |
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「石辺さん、窓の鍵が変なんです。修理してくださーい」 種子さんが二階の窓から顔を出して、石辺さんを呼んでいます。 石辺は、 「わかった、今、行くよ」 大声でそう叫んだあと、向き直って恭しく頭を下げ、 「それでは、奥様、わたしくは仕事がありますので、失礼いたします」 母屋に向かって、歩き去ったのです。 ……石辺さん、何、考えてるんだろ、美帆が、犬と遊んでると思ってるんだろうか…… ざらついた次郎の舌が、腿の内側を刺激し続けます。 「やめなさい、次郎」 執拗な舌攻撃を避けようと、お尻をよじりながら後ずさっていきました。でも、それがいっそうの不幸を もたらしてしまいました。それまで控えめだった太郎も、大きな身体をスカートの中に潜り込ませて きたのです。自分に向かって進んでくるので、許可が降りたとでも思ったのでしょうか。 |
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「やだ……太郎まで」 それまでお預けを食らっていた分、太郎の舌の方が動きが激しいのです。太郎の唾液を含んで、 Tバックのパンティ、後ろの紐がたちまちのうちに、ゆるゆるに伸びていまったのです。 太郎ったら、緩んだその紐をくわえて、顔を振るもんだから、お股の一番感じやすいところが、クック、 クックと引っ張られ、なんとも言えない気分になってくるのです。 次郎の攻撃を受けている前の部分、お股のデルタを隠す手のひらほどの布地も、ぐじゅぐじゅになって いるみたいで、腰を動かすたびに、冷たい感覚が割れ目の内側のお肉を刺激して、思わず声を 上げそうになってしまうのです。 ……やめなさい……やめなさいったら……もう…… 犬に舐められて声を上げてしまったら、そんなはしたないことをしたら、美帆、もう人間でなくなってしまう。 そんな気がして、じっと堪えていたのですが……ついに我慢できずに、 「しっ……しっ……しっ……死ぬう……」って、声を上げてしまったのです。 本当言うと、声を上げただけじゃなくて、実際に逝ってしまったのです。そして、それと同時に、 二匹のドーベルマンはスカートから這いだして、行儀よく二匹並んで、ビクターの置物みたいな格好で 座ったのです。 二匹は、訓練しに充分にしつけられた犬です。わたしのあげたクライマックスの声が、きっとお座りの 号令に似ていたのでしょう。 |
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