page.2●「○丁目の論理」とは?

 だけどホント、読者の皆さんの中には驚愕したり、呆れ果てたり、怖れおののいたりする方もいらっしゃると思うけど、あの町では(総じてっ言うと語弊があるから、「一部では」ってお断り申し上げておきましょうね)兄弟姉妹、親子関係が渦巻いたりするのも確かだと思うのね。「あ、このひとの前の前の彼女と、○○ちゃんが今交際してるんだ」とか「××ちゃんの前の彼女が、今のあたしのこ・い・び・と」とかね。これって一般社会ではタマにあるけど、『○丁目の論理』では日常だったりするわけよね。
 これは先日、○丁目の男の子の店に遊びに行ってきたときの話。いわゆるホモバーに勤務する友人に「今晩○ズの女子たち(当たり前か)が遊びにくるから飲みにいらしゃいよううう」って電話もらって友人たちとほいほい出向いたわけ。で、飲酒しながら「今晩飲みにくる○ズの女子たち」の素性を聞いていくうち、その「女子たち」は、どうやら一緒に行った友人の元彼女ってことが判明。「こりゃ会っちゃマズイわ」ってな具合で、逃げるように退散してきたわけだけど、女の子の店でならともかく、男子の店でこんなことが生じるのよ(あたしなんぞ、新たなで・あ・い!てな感じで目を輝かせて行ったのによ)。まったくもって狭い世界なのねえ、って改めて痛感してしまった次第。こんな狭い世界だから、貞操感覚もずれていくのだろうか?
まあ確かに世界が「狭い」ことと「貞操感覚が麻痺」することは違う次元の問題のような気もするけどね、さまざまな要因の相乗効果で、狭いがゆえの独特の貞操観念を築いちゃっているってことは言えると思うんだ(たぶん)。以下、思いつきではありますが、なんとなく考察してみました。

  • 考察1:同じセクシュアリティ、恋愛に対する価値観を同じくする絶対的な人口が少ない(潜在人口を除く)。したがって、据え膳食わぬは女の何とかって感じで(勿体ないって感じで)、貞操感覚が次第に鈍る
  • 考察2:あの町は基本的に夜の町である。ほとんどが酒の席の出来事である。したがって酒の力により貞操感覚が麻痺していく
  • 考察3:同性だという安心感、連帯感が、(異性との恋愛よりも)心的なつながりを結び易くさせ、したがって浮気も遊びも行ないやすくなる
  • 考察4:背信行為そのものが、殊に女子の場合はあいまいである。何をもって「浮気」とするのか、「裏切り」とするのかが判然とせず、したがって魅力的な話があると、ついふらふらと目がくらむ
  • 考察4:そもそも○丁目の論理として、「貞操」なぞという言葉はない(……でも「これは絶対内緒ね」って自身の背信行為を擁護する会話も飛び交っているのも事実だから、浮気や遊びに対する(一抹の)後ろめたさはあるんだよね、きっと)。
……どうかしら。

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