好き? 嫌い?
クロス・レビュー

チェイシング・エイミー
(Chasing Amy)
監督 ケヴィン・スミス
アメリカ(1997)

んな恋でも、自分が恋する分と同じだけの量を相手に求め、その人のすべてを見せてほしいと願う。相手のすべてを(過去を含めて)引き受けてみせようとまでする。
ホールデンにもその覚悟があったはず・・・。
でも、その覚悟も覚悟と呼べるほど強くないのよねん。ホンの些細なことで崩れてしまうぐらいなのだから。彼の目標はアリッサと「普通のカップル」になることなんだし!

誰の心にもキモチとは裏腹に、相手に対する不信感や過去に対する嫉妬がある。
それに加え不寛容と差別と支配欲が潜んでいたりもする。
相手が傷つくと分かっていて、傷つけにいく。
他者であることを認める上で、それは必要な事だと思う。
そういうことを乗り越え、受け入れてこそ、愛なのだと思う。

ジョーイ・ローレン・アダムズ演じるアリッサには大いに共感。
久々に登場した等身大のヒロイン。
主体性があり、個性的でしかも魅力的。でもってキャンディボイス。

頭で理解は出来ても、本音で理解できない。
あっさりそのギャップが埋らないところが、この映画のいいところ。
身に詰まされること必至の、がんじがらめの青春を描いた傑作でしょう、これは。

by kote.

人の過去って気になりますか?
現在が大切なことはわかってるのに、その人を知りたくなるとどんどん深いところまで知りたくなってくる。そんなあなたは要チェックです。

思いをよせる彼女から“レズビアン”だと告げられ、悪友からは彼女のすごい過去(多くの男性と関係など)を耳にし、男子ホールデンは大ショックそして苦悩します。
この恋、成就するんでしょうか? それは観てのお楽しみ、です。

これほど全面にセックスの話(同性とのセックスってなんだろう? といった純粋な興味も含めた。もちろん悪意は全くなし!)が溢れているのにそういった場面がひとつもなく、ひたすら考えさせられる映画も珍しい。恋愛ダメ人間の人、一度これ観て勉強しましょう。

案の定、女子ウケの良い映画でしたが、レズビアン映画ではないので、レズビアンが楽しめるかどうかは疑問です(男子と交際してることを明らかにした時のレズビアン仲間の反応、とか複雑な印象ですが、リアリティ抜群)。

いまだに、私には主人公アリッサの言葉ひとつひとつが心に響いています。
(そうそう、"GO FISH" "WATERMELON WOMAN"のグウェネヴィア・ターナーもレズビアン歌手として出演してますよ)

by hana.


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