ゲイにまつわる映画レビュー。
柔らかい殻(REFLECTING SKIN)
監督 PHILIP RIDLEY/イギリス(1991)
・クレイズ〜戦慄の絆〜で脚本デビューした、フィリップ・リドリーの初監督作品。舞台は50年代のアメリカの広大な田舎。この静かな土地に訪れる衝撃の数々。主人公が8歳の少年ということも忘れてはいけない。これは、吸血鬼、空想、死、愛、強迫観念、罪といった子供時代の悪夢を辿る旅を表しているようでもある。
・監督は童話を書いたり画伯でもあり、多才を絵に描いたような人。ゲイの人なんだけど、話のベースになっているのは怪奇っぽいファンタジーが主で、珍しいのでは? この作品では性の居所が不安定になっている。 ・少年の友達が連れ去られ殺害され、その嫌疑をかけられるのが主人公の少年の父親。過去の出来事を持ち出され自殺に追いやられてしまう。父の燃えていく姿を見ていた少年は「美しい」光景だとさえ感じる。美しい、と言えるのはこの作品の映像でもある。 ・遠くまで続く空の青と小麦畑の金色。そこに割って入ってくる人物の服の白と黒。少年達を連れ去ったキャデラックの黒。風景はワイエスやゴッホを彷彿させる。吸血鬼だと信じ込まれた女性の部屋に飾られた動物の骨がジョージア・オキーフを思い出させる。ゴシックな感触の作風。でもはっきり言って暗い映画なので好きな人しか耐えられないでしょう。

by hana.

ノー・スキン・オフ・マイ・アス
(NO SKIN OFF MY ASS) 監督 BRUCE LA BRUCE/カナダ(1990)
・騒々しい音楽が駆け抜けてゆきます。カメラワークは不安定で、台詞は後で録り直したため、微妙にズレが生じるのですが新鮮。プライヴェート・フィルムっぽい作風です。主人公は丸刈り (スキンヘッドともいう)のパンクで、美容師の男(監督自演)に拾われて、早い話がデキてしまいます。二人の音楽の趣味が真っ二つに分かれる部屋でのやりとりがコミカル。この丸刈り君と美容師氏の LOVE SCENE は正に RUB SCENE でもありました。 いい加減で無表情の丸刈り君には、やはりいい加減な姉がいまして、彼女の「ホモはレズの次に良い」という発言が少々気になってしまいました。

by hana.


「花火」(FIREWORKSだったかな?)
監督 ケネス・アンガー
・ジャン・コクトーが絶賛したこの映画、花火は何かが発射するものとピピッと感ずるところがあったんでしょうね(笑)。

by hana.


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