レズビアン&ゲイにまつわる映画レビュー。
最近やたら同志愛に抵抗のない香港電影。たくさん書きたいのですが今回は少しだけ。
「洪興十三妹(ポートランド・ストリート・ブルース)」
(古惑仔情義篇洪興十三妹/Portland Street Blues)
 監督 葉偉民(イップ・ワイマン)/HongKong(1998)


99年の東京L&G映画祭でも大人気だったのは、やはり香港映画ファンなら知らない人はいない「古惑仔」シリーズの番外編だから。日本では「欲望の街」シリーズとして公開されています。レンタルでは借りられるのか不明ですが、最近になってVCDで観ることができましたので感想を書くことにしました。

父親を殺されて復讐に燃えて闘う十三妹!(アクションの部)
恋人(女)との楽しい時間そして別れ。(ドラマな部)

主に回想シーンを軸に展開されています。
香港映画に多いアクションものとしては、「バウンド」等を好む方には余りオススメできません。余りスリルを感じないというか、回想シーンの十三妹があまりにさわやかジャリタチ風(?、なんかTOMBOYチック)なのせいか観ている時間は結構長く感じられました。レズビアンが主人公なだけで、あまり役にたってない。見た目はハードタチな格好もしていたり、子分を引き連れて出陣するところなんかはカッコいいのに。もっと活躍させてよ! なぜ彼女が地域のボスに相当するようなステイタスを築いていったのかが全くもって幸運としか思えず。レズビアンであることが、この映画の中では役にたっているのかは不明です。レズビアンでありながら男子へのほのかな恋心があったり、ドラマ的要素はチョロチョロとあってそれなりに楽しめる娯楽作ではありますが。
主演のサンドラ・ン(呉君如)は、コメディ女優からの転向だそーで興味深いです。この映画からは想像できませんが(笑)。
またまたスー・チー(舒淇)がでてました。なんか私が見る映画に必ずでてるけど、もしかして舒淇の時代か。

「君のいた永遠(とき)」
(心動/Tempting Heart)
 監督 シルヴィア・チャン(張艾嘉)/HongKong(1999)


回想を巧みに多用した、ラヴ・ロマン。過去の自分を振り返る現在の彼女は監督のシルヴィア・チャン自身。
金城武(男)、カレン・モク(女)、ジジ・リョン(女)を起用した、せつないせつない作品。

<あらすじなど。以下ネタばれにつき、これか観る方は読まないで!>

70年代、同じ高校に通う3人。2人の女の子・小柔(ジジ)&陳莉(カレン)は1人の男の子・浩君(武)が気になっていた。互いに意識しているような小柔と浩君。逢瀬を重ねるようになるがたった一度の朝帰りで厳しい親により小柔と浩君は離れてしまった。その後、傷心で苦しむ小柔に陳莉が愛の告白を!(←なんかヤ〜なタイミングだと思うな。)陳莉は浩君じゃなくてなんと小柔が好きだったのだ。しかし浩君とのことで悩む小柔はそんな陳莉を突き飛ばして行ってしまう(残念!)
年月は過ぎ、アパレルの仕事をしていた小柔は偶然東京で浩君と再会してしまう。その後、街中では陳莉とバッタリ。陳莉と腕を組んでいたのは一目でわかるオナベなスーツ姿の彼女!(それだけでもう、“これってもしかしてネタ?ねた?ネタ?”と三度も問いただしたくもなるステレオタイプのレズビアン感だよ)。言葉も交わさず去って行った陳莉を、小柔はどう思ったんだろう?
その頃の浩君は陳莉と結婚して東京で暮らしていた(陳莉は小柔への想いを捨てきれず、恋愛相手に女性を選んでいたように私には見えました)。陳莉は浩君に小柔への気持ちを正直に明かす…そして「私とあなたはいい友達でしょう?」
その後(展開早い?)陳莉はなんと病死してしまう(可哀想な陳莉)。
何回となく小柔と浩君は関係をもつ。初恋の頃と同じように、気持ちが残っているかのように。しかし最終的には浩君と小柔は結ばれないのだ(女性の小柔の気持ちは複雑な感じがします。浩君の性格のほうが分かりやすいです)。

二人の男女に愛された、小柔。トライアングル・ラブ、のような感じもしつつ、実際にはそうならない不条理。レズビアンを踏んだり蹴ったりな結果にしてしまうのが気に入らない点でした。陳莉(カレン)の側から見た人生も描いてほしかったです。
シルヴィアは男女問わずもてたんでしょーかねぇ。事実であれば仕方ない、レズ不幸を恨みません(笑)。

★香港・台湾では1億台湾ドルの興業収入をあげたそうです。日本では武主演というだけでそれほど注目されませんでしたが(^^;)3人そろっての舞台挨拶のための来日まで果たしたんですよね。夏、やっとビデオ、DVDともリリースされました。
★舞台挨拶での武の人気はすごかったみたいです。あまり今まで良い役だなって思うのが多くなかったのですが、ちょっとボーッとした役のほうが味があって似合うような気がしました。
★結構カレンってキャラ的にはいつも厚かましい感じがしてたんだけど(「タイフーン・シェルター」「天使の涙」ほか)実際はカワイイんですよね〜。特に歌手の仕事してるとき。
★ジジは高校生から大人の女性まできちんと演じていて立派でした。女優としては今までで一番の仕事であったはず!
2000年に入ってからも大忙しのジジですが「山鶏的友情歳月」(香港では公開済み)では人気の陳小春(コハル!=「BE MY BOY」)と共演。(話も「古惑仔」シリーズと同じような出演者で、「洪興十三妹」の十三妹(呉君如)と韓寳(ワン・ヤンミン/尹揚明)の結婚シーンまであるとか)9月に香港で公開予定の映画「愛與誠」はもしかしたら日本で公開されるかもしれないし、楽しみなのですが、香港映画はどうしてもアクションもの・黒社会ものが多いので願わくばそういうのじゃないものをもっと観たいものです。

by hana.

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