レズビアンにまつわる映画レビュー。
■「ショー・ミー・ラブ」 "Fucking Amal" by ルーカス・ムーディソン(89分)/配給:KUZUIエンタープライズ

スウェーデン映画っていう前振りだけで興味をもってしまったクチなのですが(笑)。『2ガールズ』観たんじゃないか?という位にているものを感じましたので、同じページに感想を記しておきます。スウェーデンの田舎町を舞台にした、十代の女の子同士の恋をコミカルに描いた作品。
ル・シネマで上映、チラシには一切“レズビアン”という言葉を極力入れていないのがおかしかった。
ちょっとダサめ(頭は良い)アグネスが気になるクラスメイトは美人のエリン。対照的な二人が恋におちるまでの過程、その後の周りへの対応ともども予想できる内容でした。やっぱり2ガールズに酷似! アグネスのお部屋がよくでてくるのですが、自分の恋心を綴った日記をエリンに読まれてしまう場面がありました(それを書いてるのって紙じゃなくってMac(ちょっと前の型)なのよねー。父上に買ってもらったかお古か?)。壁にはられたモリッシーを敬愛するのも14歳にしてはませガキ、って私は思いました。
今時の日本の中学生よりもなんか純粋で可愛かったというある意味ファンタジックな作品でした。

2ガールズ ()  監督 /アメリカ()

 主人公のランディ(白人、落ちこぼれ)、ランディと恋に落ちるイービー(黒人、秀才)。二人とも実に魅力的に描かれています。人種の違い、貧富の差などの環境の違いを乗り越えた究極の愛、なわりには重たくならず大変テンポ良く話は進んでいき、同性愛が主題であるこの作品を初めて観る異性愛の観客の胸を躍らすこともできたと思います。
 過去に、やはりスタッフもゲイ関係者で固めた作品で「GO fish」というのがありましたが、それと対比させてみると興味深く感じます。というのも、「GO fish」は完全なレズビアン社会が舞台なので異性愛の観客からすると斬新さはあっても置いてきぼりにされた感じを拭えなかった気がするから。
 女子同性愛映画といえば、どうしても自立(→孤立)ものや新しい形の愛“開拓”型(→破滅)、はたまたSF、サスペンスもの(つけあわせ的)など、代表になるような作品は男子同性愛ものと比べてかなり少なかったのではないでしょうか。こういう形の作品がでてきたことは素晴らしいこと。

 ただ、主人公の家族がレズビアンで構成されていたり、すでに彼女がレズビアンとしての自己が確立しています。この点は少々急進的で、私からみると現実性に乏しい気がして、出来すぎなドラマという印象を覚えましたけれど…。

 でも。ひとを好きになるって、こういうことなんだ。
 理屈は抜きにして恋愛の基盤を見た発見、がうれしい気分な映画でした。

by hana.


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