5 5 5 悲 話


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 5 5 5 悲 話  ( 1 )
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《はじめに》

これは、1999年9月から12月にかけて、
CLUB21「ヒーローSMクラブ」に連載した 「555悲話」のリニューアル再放送です。
この話は、そのボードの常連の一人が書かれた“555のショウを捕まえて、
怪人や戦闘員の嬲りものにして、最後は強制射精させる”お話の続きになっています。
全部で19話までありますが、1〜4話のみリニューアルして再放送します。
なお、「555(ゴーゴーファイブ)」というマイナーなヒーローを
主人公にしていますが、「555ってなんじゃい」って人は
こちらを参考にして下さい。

では、どうぞ。



薄暗い地下牢で、ショウは後ろ手に鎖で繋がれた身体を横たえていた。
下半身は丸出しのままだ。
敵の罠にはまり、このアジトに連行されてから、もうどれ程の時間が過ぎたろう。
捕まった時に受けた傷は、たいしたものではない。
だが、様々な怪人や、挙げ句はザコの戦闘員にまで嬲りものにされたショウの心は
深く傷ついていた。

ガチャッ。ギー。地下牢に通じる扉の開く音が聞こえた。
「おい、食事だ。明日も忙しくなるぞ。せいぜい体力を付けておくことだな」
入ってきた戦闘員は、そう言うと、鉄格子越しに一切れのパンを地下牢の中に投げ込んだ。
パンが薄汚れた地下牢の床に転がる。
「あっ、そうか。手が使えなかったんだな。悪いが俺は鎖の鍵までは持っていないんでな。
 床に顔を擦り付けて食うんだな。ははははは」
「くっそー」
戦闘員が出ていった後も、ショウは床に落ちたパンなど、食べる気にもなれない。
明日からも続くであろう屈辱を思うと、このまま死んでしまいたい気持ちにもなる。

「ショウ」
ふと、父の顔が目に浮かんだ。
「と、父さん。ごめん。こんなことになってしまって」
「仕方がない。誰にだって苦しい時はある。
 だが、諦めてはいけない。555は5人揃ってこその555だ。
 みんなは必ず助けに来る。仲間を信じて屈辱に耐えるんだ。
 それまでは、どんな事をしても生きろ。
 早まった行動は、つまりは仲間を信じていないと言う事だ。
 いいな。分かったな」
「う、うん。分かったよ、父さん」
ショウは我に返った。
目の前の床に落ちたパンに向かって、芋虫のように身体を進めると、
口を床に着けるようにして、パンを食べ始めた。

「ははは。“分かったよ。父さん”か。うるわしき親子愛だ。
 空調に混ぜた幻覚ガスの効果は抜群だな」
地下牢に設置した隠しカメラからの映像に、慎也は満足した笑みを浮かべる。
さっき、ショウが見た父の姿は、慎也が作り出した幻覚だったのだ。
「これでショウはどんな屈辱にも、ひたすら耐え抜く気持ちになったはずだ。  さてさて、明日からどうやって、いたぶってやるか」

「こら、ヒーローがいつまでも寝てるんじゃない!。さっさと起きろ」
翌朝、ショウは戦闘員の怒鳴り声で目を覚ました。
牢の内と外に一人ずつ、戦闘員が立っている。
「おやっ?。昨日の食事がきれいになくなっているじゃないか。
 正義の味方も、腹が減っては恥も外聞もなくなるんだな。
 今朝のメニューも昨日と同じだが、どうする?。食うか?」
戦闘員はそう言うと、ショウの目の前にパンを差し出した。
「あぁ」
ショウが答えると、戦闘員は手にしたパンを床に放り出した。
「どうする?。これでも食うか?」
「うっ。あっ、あぁ」
「そうか。だいぶ、素直になったようだな。
 褒美に、今朝はたっぷりとバターを塗ってやろう」
戦闘員は、今度は床に落ちたパンを足で踏みつける。
「さぁ、味付けはすんだぞ。遠慮なく食え」
「うっ、くそー」
ショウの顔が怒りに震える。
「んっ?。今、何と言った?。食いたくなかったら、無理にとは言わないぞ」
戦闘員は、パンを牢の外に蹴り出した。
「さぁ、どうするんだ?。食うのか食わないのか?」
“誰がそんな物を食うか!”
ショウは心の中で叫んだ。
だが・・。
“どんな事をしても生きろ。
 早まった行動は、つまりは仲間を信じていないと言う事だ”   
ショウの心に、昨日の父の言葉が甦る。
「く、食う。食うよ」
「えっ?。何と言った?。ちょっと、さっきから言葉遣いが気にくわないんだよな」
「食います。食べさせて下さい」
ショウは唇を噛みながら、屈辱の言葉を吐き出した。
「ははは。最初からそう言う素直な態度なら、苛められなくても済むんだぞ」
今度は牢の外にいた別の戦闘員が、パンを牢の中に蹴り戻す。
「さぁ、今日の朝食だ。遠慮なく食えよな」
昨日と違って、戦闘員は出ていこうとしない。
今日は戦闘員の見ている目の前で、屈辱の食事を強いられるショウ。
「これでもヒーローかよ。まるで犬じゃないか」
「まったくだ。所詮、555など、5人揃って一人前。
 1人だけでは、何の役にも立たんわ」
「ははは。555も今は111(ワンワンワン)だからな。
 チンチン丸出しの犬のお巡りさんだぜ」
床に顔を押しつけるようにして、パンを食べるショウの背中に、
戦闘員の嘲笑が浴びせられる。

「ヨシ。きれいに食べ終わったな。
 それじゃ、これからお前を慎也様のところに連行する。
 さぁ、さっさとこれを着るんだ」
そう言うと、戦闘員は昨日、ショウから奪い取ったジャンパーと短パンを返してよこした。
両手の鎖も外される。
緑のブリーフはないものの、今はフリチン状態から解放されるだけでも良い。
しかも、今は牢の外と内の戦闘員が2人だけ。
“こいつら、俺が言いなりになったと思って油断しているな。
 やっぱり、父さんの言うとおりだ。屈辱に耐えればチャンスが巡って来るんだ”
「着替えは終わったようだな。ノーパンも涼しくて良いだろう」
牢の中の戦闘員が、ショウの股間に手を伸ばしたその時、
「ふざけるな!!」
ショウの拳が戦闘員を目がけて炸裂した。
が、しかし・・。
バシッ。
拳が戦闘員の顔面に届く前に、戦闘員がショウの手首を掴んだ。
「何のマネだ、これは」
戦闘員はショウの手をねじ伏せ、足をかけてショウを倒した。
仰向けに倒れるショウの上に、戦闘員が馬乗りになる。
“どうしてなんだ。たとえ変身できなくとも、
 こんな戦闘員なら、5人や10人、相手にしても勝てたはずなのに”
「ふふふ。正義の味方は、清く正しく美しいものなんだ。
 悪の怪人にしごかれて、勃起させられたヒーローに、正義の力はないんだよ」
ショウの心を見透かしたように、戦闘員が言った。
「さぁ、どうしてくれよう。抵抗すれば、殺しても良いと言われているんだが」
「お、お許し下さい。どうか命ばかりは・・」
「おやっ?。さっきは元気だった坊やが、今度はお許し下さいか」
「は、はい。何とぞ、命ばかりはお助け下さい」
“仲間を信じて、どんな事をしても生きろ”
ショウは再び父の言葉を思い出し、戦闘員に命乞いするのだった。

「ふふふ。パンに仕込んでおいた体力減退剤の効果も上々のようだ」
地下牢から送られる映像を見ながら、慎也は満面の笑みを浮かべていた。

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 5 5 5 悲 話   ( 2 )
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ショウが慎也の前に連行される。
特に手錠などで拘束される訳でもなく、護衛の戦闘員もさっきの二人だけだ。
“今の俺は、こんな戦闘員にも抵抗できないのか”
ショウの心に別な意味での屈辱感があふれた。

「ショウを連行しました」
戦闘員の一人がアジトの一室をノックして、ドアを開けた。
ショウが戦闘員に背中を押されて中に入る。
手前に応接セットがあり、奥のデスクに慎也の姿がある。
あたかも普通の会社の社長室のような造りだ。
「やぁ。よく来てくれましたね。君がショウ君ですか?」
ショウが沈黙していると、「おい!。返事をしないか!」と戦闘員がショウを小突いた。
「おいおい。弱い者イジメはほどほどにしてやりなさい」
“弱い者・・か。今の俺は、たしかに弱い者かも知れない”
慎也の言葉がショウの心を傷つける。
「さて、報告によれば、君は我がヒーローSM倶楽部の事業活動を
 何度も妨害したばかりか、制止しようとした戦闘員・怪人など多数を
 殺傷したそうだね。
 酷い事をしてくれたものだ」
「うっ」
ショウは言葉を挟もうとしたが、すでに敵の捕虜となった身では、
何を言っても仕方がなかろう。
諦めにも似た想いが、ショウを沈黙させた。
「まぁ、一寸の虫にも五分の魂と言うからね。
 君にも何か言い分があるんだろう。
 裁判でじっくり聞いてやるよ」
「裁判?」
「そう、裁判だ。それも公開のね。
 我々は君が思っている以上に、公平で紳士的なんだよ。
 ところで、ショウ君は地下牢では大人しくしていたかね」
慎也は今度は戦闘員に尋ねた。
「まぁ、少し抵抗しましたが、おおむねは・・」
「抵抗した?。それはいかんな。
 裁判まで、まだ時間もある事だし、チョットお仕置きしてあげなさい」
「はっ。承知しました、慎也様」
慎也の背後で、戦闘員はオモチャをあてがわれた子供のような笑みを浮かべた。

それからしばらくして、ショウの姿は燦々と照りつける太陽の下にあった。
十字架に両手両足を縛られた姿で、磔にされている。
太陽は容赦なくショウの身体から水分を奪っていく。
オレンジのジャンパーの中では、汗が滝のように流れていた。
「み・・水・・」
「んっ。何だぁ〜」
「水を・・水をくれ」
「水をくれだとぉー」
十字架の側で昼寝をしていた戦闘員が立ち上がった。
「水を・・水を・・水を下さい」
「ふん。最初からちゃんと言えば良いものを」
戦闘員は、ペットボトルの水をコップに移すと、
「今日は暑いからなぁ。少しは身体を冷やさないと」と言いながら、
ショウの短パンの腰の部分を前に引くと、短パンの中に水を注ぎ込んだ。
「どうだ。少しはオチンチンも涼しくなったか」
「の・・飲ませて・・」
「えーっ。飲ませろ。
 ふん。お前の分は、もうないよ」
ショウは思わず肩を落とした。
これまで、何人の怪人と闘い、悪を懲らしてきたろう。
その自分が、戦闘員にすら辱めを受けねばならなくなるとは・・。

「おい、何をしているんだ」
別の声がした。
「まったく、あまり弱い者イジメはするなと、慎也様からも言われているだろう。
 私は弁護士戦闘員だ。これからショウ被告人と話がある。
 縄を解いて水をやりたまえ」
戦闘員は命令に従って、ショウの縄を解くと、水を用意した。
「さぁ、好きなだけ飲みたまえ」
言われるまでもなく、ショウはペットボトルの水を飲み干した。
「あ・・ありがとう」
「まぁ、仕事だからね。
 さて、裁判の話だが、君は何人もの怪人や戦闘員を殺傷した罪で起訴されている。
 状況は極めて不利と言わざるを得ない」
「し、しかし、それは怪人達が平和を乱して・・」
「そういう話ではないんだ。
 裁かれるのは君の殺人罪であって、怪人の罪じゃない」
「そっ、そんな」
「有罪はまず確実だろう。判決は死刑だろうな」
「死刑!」
「もっとも、君が罪を悔いて、反省の意志表示をするなら無期懲役も考えられる。
 悔悛の情を示せば死刑にはしないのが、ヒーローSM倶楽部の方針だからね。
 だがね。懲役と言っても、君たちの世界の懲役とは違うんだ。
 ヒーローSM倶楽部の懲役は、奴隷になる事を意味する」
「奴隷に!・・」
「そうだ。君もヒーローの一員だった男だ。
 まさか、奴隷として辱められながら、一生を過ごしたいとも思わんだろう」
その時、さっきの戦闘員が戻ってきた。
「弁護士戦闘員。面会時間は終わりです。
 これからショウを慎也様のところに連行します」

ショウが慎也の部屋に戻されると、慎也はテレビのスイッチを入れた。
「君のようなヒーローが行方不明になったものだから、世間は大騒ぎだよ。
 世間様にご心配をかけてもいけない。
 これから、みなさんに今までの事を詳しくお話ししてあげなさい」
ショウは最初、慎也の言葉の意味が理解できなかった。
テレビは昼のワイドショーが報じられている。
『555のショウ氏、ヒーローSM倶楽部に監禁さる!』
派手なタイトルが画面に踊った。
続いて、レポータが登場する。
「昨日から行方不明になっていた555のショウ氏が、
 実はヒーローSM倶楽部の罠にはまり、アジトに監禁されている事が判明しました。
 ショウ氏は怪人殺害の罪で起訴され、間もなく裁判が始まる事になっています。
 我々はヒーローSM倶楽部の招きにより、
 裁判直前のショウ氏にインタビューを許されました」
ショウは愕然とした。
“囚われの身となった自分の姿が、マスコミを通して全世界に報道されるのか”
「ふふふ。さっきも、君の裁判は公開で行うと言っただろ。
 報道の自由というのは、ありがたいものだね。
 さて、ショウ君。記者会見に行こうか」

ショウは顔をこわばらせて、記者会見に臨んだ。
レポータは次々に質問を浴びせてくる。
レポータ「捕まった後はどうなったんですか?」
 ショウ「手・・手錠をされて、磔状態にされました」
レポータ「それから」
 ショウ「一種の拷問を・・」
レポータ「拷問とは、どういうものですか?。具体的にお願いします」
 ショウ「ジャンパーを脱がされ・・胸を・・あぁ、これ以上は勘弁して下さい」
レポータ「困ります!。国民には知る権利があり、我々には報道の義務がありますから」
 弁護士「ショウ君。ここで何もかも話した方が、裁判では有利になりますよ」
 ショウ「怪人に乳首を・・」
レポータ「それで、感じてしまった?」
 ショウ「いえ!。決してそんな事は!」
ブブー!
 弁護士「ショウ君。ウソをつくとブザーが鳴りますよ」
 ショウ「か・・感じました。感じてしまいました」
レポータ「それから」
 ショウ「短パンを降ろされ・・パンツも・・」
レポータ「すると、下半身は何も!?」
 ショウ「はい。その通りです」

ショウは屈辱で半泣きになりながら、ここに連行されてからの一部始終を告白させられた。

夕方からは、各テレビ局が挙ってニュース特番を組んだ。
『哀れショウ氏、敵アジトでフリチン!』
『股間を責められ、感じてました!』
様々な報道が世界を駆けめぐった。

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 5 5 5 悲 話   ( 3 )
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ショウの裁判は、テレビの夜のゴールデンタイムに合わせて行われた。
全世界に向かって、555の、ひいては正義の敗北を知らしめる作戦なのだ。
傍聴席には、報道関係者が押し寄せている。
「被告人・ショウ、入廷」
ショウが連行されてくると、一斉にカメラのフラッシュが焚かれた。
ここでは、カメラ報道も許されているのだ。
裁判の会場は、ほぼ本物の裁判所と同じように作られていたが、
被告人席だけは違っていた。
中央の裁判長席の下に十字架が置かれ、
ショウはそこで傍聴席のカメラに向かって磔にされる。

「では、これよりショウの怪人大量殺人事件についての審理を始めます。
 検察官戦闘員、起訴状を朗読して下さい」
「はい」
裁判長・慎也に促され、検察官戦闘員が起訴状を朗読を始める。
起訴状には、555が「いつ・どこで・どの怪人を・どうやって」倒したかが
細かく記されていた。
それを聞くショウの脳裏には、自分が勇敢に戦い、輝いた日が甦る。
しかし、そんな自分も、今は敵の罠にはまり、磔にされる身である。
しかも、その姿が全世界に報道されているのだ。
ショウは惨めな気持ちで目を上げる事も出来ず、じっと下を向いていた。
だが、そんなショウをより惨めにする事態が起きる。

「さっ、裁判長!」
ショウが突然、声をあげた。
「何かね、被告人。今は起訴状の朗読中だ。言いたい事は、後で聞きます」
「いっ、いいえ。トイレに行かせて欲しいんです」
「なにっ?!。トイレ!」
“昼間、外で日干しにした時に飲ませた水が効いてきたんだな。
 排泄制御液の効き目もまずまずだ”
慎也は笑いを噛み殺した。
「被告人。今は、君の大量殺人の審理中なんだよ。
 ふざけた事を言ってないで、静かにしていたまえ」
「しかし!」
「戦闘員、静かにさせなさい」
慎也に命じられた戦闘員は、磔にされ、身動きのできないショウの股間を目がけて
鞭を振るった。
「ギャー」
ショウの悲鳴が、響きわたる。
「黙るまで続けなさい」
さらに鞭が振るわれる。
「うぅっ」
さらに一発。
「うっ、あぁ・・あぁっ」
ショウの諦めにも似た声が響くと、ショウの股間にシミが瞬く間に広がっていった。
漏らしてしまったのだ。全世界の見つめる前で。
「なっ、何という事を!。しばらく、休廷にします。
 戦闘員、その汚い短パンを脱がせなさい」
慎也の“休廷”の言葉を聞くと、カメラマン達は一斉にショウの周りに群がった。
レポータもそれに続く。
これから、ショウが短パンを脱がされるのだ。
このスクープを見逃すはずがない。
「静粛に!。報道の自由は保障するが、整然と行動するように!」
戦闘員が制止し、カメラマンは整列させられ、レポータは代表者が呼ばれる。
「では、戦闘員。被告人の短パンを脱がせなさい」
騒ぎが一段落するのを待って、慎也が再び命令した。
「そ・・それだけは許して下さい」
「どうしてですか?。ショウさん。
 別にフリチンになれと言っている訳じゃないんですよ」
レポータが嫌がるショウに質問する。
「ぼ・・僕は」
「僕は、何なんですか?!」
「僕は・・あぁ・・僕はパンツを穿いていないんです」
「えっ?!。パンツを穿いていない!。と言う事はノーパン!」
「は・・はい。だから・・」
ショウの目には涙が流れる。
「さぁ、とんでもない事実が発覚しました。何と555のショウさんはノーパンでした。
 そして今、短パンを脱がされようとしているのです」
だが、レポータの非情な言葉は世界に流された。
戦闘員も非情だ。
身体を十字架に押しつけ、最後の抵抗を試みるショウの短パンを
一気に足下まで引きずり降ろした。
カメラのフラッシュが焚かれ、ショウの股間がTV画面にズームアップされる。
「戦闘員。被告人の股間を拭いてあげなさい」
戦闘員が雑巾を持ってくる。
戦闘員の手が、丸出しにされたショウのチンポをつまみ、雑巾で拭き始める。
いや、それは拭いていると言うより、しごいていると表現すべきだろうか。
「あぁ・・」
「どうしたんです、ショウさん。まさか感じているのでは?」
「あぁ・・いえ・・僕は・・そんな・・」
しかし、身体は正直だ。
ショウのチンポは、見る見る勃起を始めていた。

「それでは、開廷します。起訴状の朗読を続けて下さい」
10分後、再会した法廷の十字架に磔にされたショウのチンポはすっかり萎縮していたが、
その先端からは、白い糸が小便にまみれた足下の短パンに落ちている。 
戦闘員の手によって、全世界の注視する中、強制射精の屈辱を味わったショウは、
もはや、検察官戦闘員の起訴状など、耳に入らなかった。

「被告人!。どうなんですか?!」
慎也の声で、ショウは我に返った。
「えっ?」
「罪状認否を聞いているんです。あなたは検察官戦闘員の述べた罪状について、
 認めるんですか、否認するんですか」
「み・・認めます」
「罪を認めるんですね」
「は・・はい」
「では、弁護士戦闘員。何か申し述べる事は?」
「はい。被告人・ショウはこうして罪を認めております。
 何とぞ、寛大なご処置をお願いいたします。以上です」
検察官戦闘員の長々とした起訴状朗読に比べ、あまりに短い弁護士戦闘員の言葉だ。
「それでは、被告人。申し述べたい事があればどうぞ」
ショウの両手足の縄が解かれる。
証言台に向かって歩み始め・・ようとした時、ショウは足下の短パンに引っかかり
無様にも前のめりに倒れた。
短パンは、まだ足下まで降ろされたままだったのだ。
傍聴席から、失笑が起きる。
だが、ショウは無表情で立ち上がると、足下の短パンを脱いで、
フリチンのまま証言台に進んだ。
チンポからは、まだ白い糸が垂れている。
証言台に立つと、ショウは泣きはらした目で一瞬、慎也を見上げると、
その場に土下座し、額を床に擦り付けた。
「裁判長様、ヒーローSM倶楽部の皆様。申し訳ありませんでした。
これからは皆様への罪滅ぼしとして、一生、皆様の奴隷として仕えさせてください。
 どうか、命ばかりはお助け下さい。お願いします。命ばかりは・・」

「判決を言い渡す。被告人・ショウを無期懲役とする」

“これで良かったんだよね、父さん”
慎也の言葉を聞きながら、ショウは心の中でつぶやいた。


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 5 5 5 悲 話  ( 4 )
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裁判を終えたショウを護送する為の大型ヘリが、基地の正面に止まっていた。
基地の出口からヘリまでの間には、カメラマンが左右に分かれて列を作っている。
「これより、ショウの護送を始める」
士官戦闘員の声とともに、奴隷となったショウが姿を現した。
上には555の戦士の証明であるオレンジのジャンパー、
しかし、下はフリチンである。
後ろ手に縛られ、丸出しのチンポに結ばれたロープを引かれての登場だ。
カメラマンのフラッシュが一斉に焚かれる。
「ショウさん、今のお気持ちを一言」
レポータが何とかショウに近付こうとして、警備の戦闘員ともみ合う一幕も見られた。

「君は、私のショウ君に対する仕打ちに不満があるだろうね。
 武士の情けを知らぬ男だと」
慎也はヘリの窓から外の様子を見ながら、隣に座った武士道仮面に語りかけた。
古いタイプの無骨な性格で、いささか耄碌(もうろく)もしているが、百戦錬磨の怪人だ。
「いいえ。武士は『死して虜囚の辱めを受けず』と申します。
 ショウめは、すでに武士ではありません。
 私なら、とっくに舌を噛み切っておるところです」
武士道仮面は、吐き捨てるように言ってのけた。
「ともかく、ショウの仲間は必ず助けに来る。その時は頼んだよ」
「心得てございます」
武士道仮面は慎也から渡されている、反エネルギービームを手に持った。
555が変身時に放つエネルギーに対し、反エネルギービームはマイナスのエネルギーを照射する。
これによって、555の変身が解除される・・はずである・・理論的には。
「さっきも言ったが、十分にテストもしていない代物だ。
 君に危険が及ぶかも・・」
「主君の為には、命も投げ出すのが武士たる者の勤め。
 では、私は外で警備にあたります」
“ふふふ。主君の為には、命も投げ出す・・か。
 だから、君たちは消耗品なんだよ”
ヘリを出る武士道仮面は、その背中に注がれる慎也の冷たい視線に
気づく事もなかった。

ショウにマイクを突きつけるレポータと、排除しようとする戦闘員の間で、
小競り合いが起きていた。
「えぇい。通れんではないか。レポータは道を開けろ!」
力自慢のゴリラ怪人が割って入り、力づくでレポータを押し返そうとする。
「邪魔なのはお前の方だ。お前こそ、引っ込んでいろ!」
いきなり、レポータの一人がゴリラ怪人にパンチを浴びせる。
突然の攻撃に怯むゴリラ怪人。
「きっ、貴様。何者だ!!」
「ショウ、助けに来たぞ。今までのお礼を、倍返し、いや十倍返しにしてやろうぜ」
レポータに化けていたマトイが変装を取る。
別な場所では、ナガレ・ダイモン・マツリが、すでに戦闘員相手に暴れ始めていた。
「ははは。現れたな、ゴレンジャー!!」
「えっ?!」
武士道仮面のコトバに、敵味方なく、一瞬動きが止まる。
だが、ショウを護送していた戦闘員は、この一瞬の隙を見逃さなかった。
ショウを取り囲むと、ヘリの中に押し込もうとする。
必死の抵抗を試みるショウ。
しかし、身体は次第にヘリの中に押し込まれていく。
「うっ、まずい。着装だ」
マトイの合図とともに、4人は変身態勢に入った。
「着装!」
しかし、変身の瞬間、わずかながら555に無防備な時間が生じる。
武士道仮面の手にした反エネルギービームから、青白い光が放たれたかと思うと、
変身中のマツリに命中した。
「キャー」
光が数秒間、マツリを包む。
が、光が消えると、そこにはいつものピンクのスーツに身を包んだ、
ゴーピンクの姿があった。
「うっ。やはり試作品では、効果なしか」
いや、違う。身を包んでいるのはスーツだけで、下半身には何もない。
ビームは下半身に命中したのだろう。
そして、ビームの効果も下半身だけだったのだ。
「キャー」
自らのあらわな姿に気づき、再び悲鳴を上げるゴーピンク。
前を隠して、その場に膝をついてしまった。
「テメェー。よくも妹を」
「黙れ、エロレンジャー。戦(いくさ)に女・子供の出る幕はないわ。
 貴様も丸出しにしてくれようぞ」
再びビームの引き金を引く武士道仮面。
しかし、ビームは発せられず、その隙をつかれて、ゴーイエローのパンチを食った。
「よーく覚えておけ。俺はエロじゃなくて、イエロー!。ゴーイエローだ!」
「くっ。やはり種子島(火縄銃のこと)はアテにはならんか。
 さらば、剣で勝負だ」
体勢を立て直した武士道仮面が、ゴーイエローに襲いかかる。
各地で、白兵戦が展開された。
その間に、ショウを乗せたヘリが離陸する。

すでにゴーピンクは戦闘不能の状態である。
ゴーピンクに襲いかかる戦闘員を、ゴーレッドが何とか防いでいる状態だ。
ゴーブルーもゴリラ怪人の怪力の前に苦戦を強いられ、
ゴーイエローは武士道仮面の巧みな剣裁きに、近付く事もままならない。
もはや、ショウの救出など、不可能であった。
そして、ついにゴーブルーがゴリラ怪人の前に力尽きる。
ボコボコに殴られ、大の字に倒れるゴーブルー。
その股間をゴリラ怪人が踏みつけた。
「うぅっ。わぁー」
声をあげ、必死に起き上がろうとするが、力が入らない。
その首筋に、武士道仮面の刀があてられる。
戦闘員がゴーブルーを引き起こし、荒縄で縛り上げた。
「どうする?、ゴレンジャー。まだ闘いを続けるか?!。
 尻尾を巻いて、引き上げるというなら、今日のところは見逃してやる」
「うぅっ」
拳を握りしめるゴーレッド。
だが、今戦って勝ち目はない。
「き、今日のところは引き上げる。
 だが、この借りは必ず返させてもらうぞ」
「ははは。負け犬の遠吠えにしか聞こえんわ。
 いつでも相手になってやるぞ、エロレンジャー」
武士道仮面の笑い声の響く中、3人になった555は無様に逃げ出すしかなかった。

闘いの一部始終は、詰めかけていたマスコミによって世界に流された。
ショウの救出に出場したものの、目の前でショウを連れ去られたばかりか、
マツリは下半身丸出しの屈辱を受け、ナガレはボコボコに殴られて捕らえられたのだ。
555の、いや地球の正義に対する信頼は、一気に失墜した。
だが、この様子を最も悔しい想いで見ていたのは、奴隷の身となったショウであろう。
「ショウ君。ご兄弟は、残念な結果になったねぇ。
 まぁ、生きていれば、良い事もあるさ。
 それまで、奴隷として生きながらえる事だね」
ショウの心を読みきったような慎也のコトバが
ショウの心を冷たく突き刺した。
「うっ。せ、正義は、正義は必ず勝つ!。
 正しい者が最後には勝つんだ!」
「ふふふ。学校では、そう習ったよねぇ。
 しかし、君も少しは大人になる事だ。
 正義が勝つのではない。勝った者が正義なんだ。
 歴史はそうやって作られてきたんだよ」
慎也の笑い声が、ショウの心にこだました。

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