第十二章 鑑定
第百六十六条 鑑定人には、宣誓をさせなければならない。
第百六十七条 被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、
裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することが
できる。
(2) 前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。
(3) 第一項の留置につき必要があるときは、裁判所は、被告人を収容すべき病院その他
の場所の管理者の申出により、又は職権で、司法警察職員に被告人の看守を命ずる
ことができる。
(4) 裁判所は、必要があるときは、留置の期間を延長し又は短縮することができる。
(5) 勾留に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、第一項の留置に
ついてこれを準用する。但し、保釈に関する規定は、この限りでない。
(6) 第一項の留置は、未決勾留日数の算入については、これを勾留とみなす。
第百六十七条の二 勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行されたときは、被告人が留置
されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。
(2) 前項の場合において、前条第一項の処分が取り消され又は留置の期間が満了した
ときは、第九十八条の規定を準用する。
(2) 裁判所は、前項の許可をするには、被告人の氏名、罪名及び立ち入るべき場所、
検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓又は破壊すべき物並びに鑑定人
の氏名その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなけ
ればならない。
(3) 裁判所は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。
(4) 鑑定人は、第一項の処分を受ける者に許可状を示さなければならない。
(5) 前三項の規定は、鑑定人が公判廷でする第一項の処分については、これを適用しない。
(6) 第百三十一条、第百三十七条、第百三十八条及び第百四十条の規定は、鑑定人の
第一項の規定によつてする身体の検査についてこれを準用する。
第百六十九条 裁判所は、合議体の構成員に鑑定について必要な処分をさせることができる。
但し、第百六十七条第一項に規定する処分については、この限りでない。
第百七十条 検察官及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。この場合には、第百五十七
条第二項の規定を準用する。
第百七十一条 前章の規定は、勾引に関する規定を除いて、鑑定についてこれを準用する。
第百七十二条 身体の検査を受ける者が、鑑定人の第百六十八条第一項の規定によつてする身体
の検査を拒んだ場合には、鑑定人は、裁判官にその者の身体の検査を請求する
ことができる。
(2) 前項の請求を受けた裁判官は、第十章の規定に準じ身体の検査をすることができる。
第百七十三条 鑑定人は、旅費、日当及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な
費用の支払又は償還を受けることができる。
(2) 鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当に理由が
なく、出頭せず又は宣誓若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納
しなければならない。
第百七十四条 特別の知識によつて知り得た過去の事実に関する尋問については、この章の規定
によらないで、前章の規定を適用する。
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