- 死亡推定時刻 (うんうん良く聞く!)
- 死後硬直 (あ、これも聞いたことある!)
- 死斑 (なんとなく聞いたことある。)
- 生活反応 (う〜ん、何だそれ。)
- 毛髪鑑定 (髪の毛で何が分かるの?)
- ルミノール反応 (基本用語なのか!これが!)
もう少し、増やした方が良いのは、分かってるんだけど…。 時間があったら、そのうち、追加して行きますんで、勘弁してください。
- 死亡推定時刻
ドラマや小説などで、殺人事件が発生したあと、「鑑識にまわせ!」なんて言って、刑事なんかが、「鑑識の結果、死因は…、死亡推定時刻は…」なんてセリフが出てきます。
たいていの人は耳にしたことがあると思います。では、どうやって、死に至った時刻を決めていくのでしょうか?
結構難しいのよ。 pH-時間曲線っていうのがあってね、死亡推定時刻を算出する方法があるんだけど、分刻みで正確な時間を算出するって訳にはいかないのよ、これが。
何故かというと、死んだ後に現われる症状っていうのは、死体が置かれた状況とか、個人の体質や体格差によっていろいろと変化するもんだから、絶対的な数値化っていうのは決まらないってわけ。
だからどうしてるかっていうと、死斑、死後硬直現象や胃の内容物の消化状況とかたくさんデータを採って総合的に判断するしかないのよ。 だから、「死亡推定時刻は昨日の午後10時から11時の間で…」なんて具合なセリフになったりするの。
死語経過時間を算出する場合に参考になるデータとして、次のようなものがあります。
1. 角膜の混濁の具合
人が死んでしまうと、その後どんどん体の中の水分が蒸発するの。 血液などから運ばれる水分の供給がストップしてしちゃうから、皮膚なんかが乾燥したりするの。 なんとなく、想像つきますよね。 でもって、人の体の中で、一番乾燥しやすいのが、実は角膜なのよ。 っていうか、一番変化が分かりやすいってことなんだけど…
この角膜は乾燥するほど透明度を失っていくんですよ。 だから、角膜の乾燥具合とか、透明度を調べると、ある程度の死亡経過時間が割り出せる事になるの。
角膜の乾燥は、まぶたが開いている場合と、閉じてる場合は症状の変化も変わってくるんで、その辺も考慮しなきゃいけないのよ。
でもって、角膜の混濁もいっしょで、目を開いたまま死亡した場合は早くて、死後10分で始まって、目を閉じていた場合は、早くて6〜7時間、平均では12時間で混濁し始めることになるの。
経過時間 角膜の混濁状況 1〜2時間 まだまだ、角膜に湿り気と生気がある。 3〜4時間 湿り気も生気もあるけど、白く曇り始める。 5〜8時間 角膜が乾燥し初め、曇りがちょっと強くなる。 9〜11時間 そろそろ、角膜がわずかに濁り出す。 12〜23時間 濁りが強くなり、瞳が見えにくくなる。 24〜40時間 さらに、濁りが非常に進む。 48時間以上 濁りが強くなり、瞳が見えなくなる。
2.直腸内温度
生きてる間の体温っていうのは、ぶっ倒れるほどの熱が出ていない限り、大体36.5度前後ですよね。
でも死んだ人の体温って、結構冷たかったりしません???(触ったことないですか?)
人の体って、死んでもすぐには体温は下がらないものなの。 特に、体内の体温は緩やかに下がっていくから、棒状の体温計を肛門に挿入して(痛そう!って死んでるんだよね)、直腸内温度を測定して、既存データと比べて死亡経過時間を推測することもできるの。
外気温が24度のときで、死んだ後7時間までは体温の下がりかたは1時間にだいたい5分ずつ下がるって言われてるの。
ある資料を読むと、死後1〜2時間までは平熱の37度で、以降は3時間で36.5度、4時間で36度と低下していくって書いてあるのもあるの。(どっちかにして!!!)
直腸内温度の他にも、蛆(うじ)の成長具合から死亡推定時刻を算出する方法もあるのよ。(気持ちわりー。) 蛆の成長は季節によって大きく異なり、10月であれば6ミリで死後六日、8月であれば2ミリで死後12時間、6ミリで三日というデータがあるの。(よく分かんな〜い。)
その他には、電気刺激を与えて、筋肉の反射作用も参考になることがあるの。(なんじゃそれ。)
死後4〜5時間の遺体の口の端上部に電極を挿入すると、口をすぼめて前へ突き出す運動をするの。(ちょー不気味。)
- 死後硬直
1.死後硬直が発生する仕組み
死後硬直という現象はみなさんお馴染みだと思います。 実は、運動している間に起こる筋肉内での現象と同じ感じなの。
人間の体は筋肉の収縮によって動きますよね。
この筋肉の収縮は、筋肉を形成する遷移の中で行われる複雑な化学反応によるものなんです。(やばっ、訳分からん。)
アデノシン三燐酸(さんりんさん[注:三輪車でもチャン・リン・シャンでもない])を主とした化学反応により、分子が急に収縮し、それが筋肉の収縮となる。(やっぱ、訳分からん。)
要するに、人が体を動かす時には、何か難しい化学反応を起こしてるのよ。
それで、この時に筋肉中のグリコゲンが消費され、乳酸ができるって話は聞いたことある? そんでもって、こういった化学反応は、死んだ後も緩やかではありますが進行したりするの。 なので、筋肉に収縮が起こって、緊張した状態になってしまうことを死後硬直といっています。
2.死後硬直と運動量
アデノシン三燐酸を主としたグリコゲンの消費と硫酸の派生という反応(この辺はどうでもいいですが…)が、ある程度進行した状態であれば、死後硬直は通常よりも、速やかに現われたりするの。
要するに、運動中に死亡した場合は硬直も速く発生するってこと。(最初からそう言えよ。)
3.死後硬直と経過時間
一般的には、下顎(あご)から始まって、頚部(けいぶ[首のこと])、上半身の関節(上腕・前腕・手の関節)から、足の先へと順々に硬直していくんだって。 だけど、状況によってはその逆も有り得るので、あくまで参考にしかならない。(じゃどうすればいいの?) ちょっと、死後硬直の進行と経過時間をまとめると…。
経過時間 状態 2〜3時間 死後2〜3時間で硬直状態が現れる。 6〜8時間 硬直が全身の筋肉に見られるようになる。 12〜24時間 この辺で、最も強い硬直状態が続く。 3〜4日 硬直が緩み、全く緊張のない状態になる。
4.死後硬直と温度
死後硬直は上記の通り、化学反応によって起こるので、37℃くらいでもっとも速やかに反応が起こるんだって。
つまり、暖かい場所と冷たい場所にあった遺体では、死後硬直の具合が異なるってこと。 暖かい場所であれば硬直が速く、冷たい場所では遅いのよ。
よく、推理小説なんかで、ドライアイスか何かを使って、死体を冷やして『死亡推定時刻』をごまかすなんていうのもありますよね。 だから、死後硬直を手がかりとして、死亡指定時刻を考える場合は、温度に対する配慮が肝心(データって重要なの)。
- 死斑
読んで字の如く…なんだけど、死んだ人の体にできる斑点があって、この様子で、死亡推定時刻を割り出したりできるわけ。 でも、死斑ってどんなもんか、普通の方はご覧になった経験はあまりないと思うんで、ちょっと解説します。
1.死斑っていったい何なんだ!
人が死しんだ後、皮膚表面が変色するの。 赤紫色で、死体の下部に出てくるの。 つまり、仰向けの状態で、亡くなった場合は背中に出てくるし、縊(い)死体(いわゆる首吊り)であれば下半身に現われる。 生きてるときは、心臓や血管の働きで、血液は重力に逆らって体内を循環しているんだけど、死んでしまったら、それらの機能がすべて停止してしまうでしょ?
そうなってしまうと、血液は重力に逆らえなくなっちゃって、下の方へ移動するの。 こうして血液は、体の下になっている部分の毛細血管に流れ込むのよ。 要するに、死斑っていうのは、皮膚を通して見たときの血の色のことなの。 なので、肩甲骨(けんこうこつ)などの出っ張った部分や、衣服で圧迫された部分にはあらわたりしないの。
2.死斑で死亡推定時刻が出せるか!
死斑の状態は時間の経過とともに変化するんで、死亡推定時刻を割り出すときに参考になるの。
経過時間 状態 30分 死後間もなく現われた死斑が、はっきりと確認できるようになる。 7〜8時間 濃い紫赤色の斑点となる。
この時点では、遺体の位置を変えると血液も移動する。
遺体の向きを変えたり、死斑の生じている部分を指で圧迫すると、
その部分の血液が移動するので紫赤色でなくなる。8〜9時間 死斑は移動しなくなる。
長時間経過すると血管の性質が変化し、血液が組織中に染み出すためである。
また赤血球が壊れて、色素が血漿のなかに流出する。
このため、一部の色が染み付き移動しなくなる。
死斑の色も、遺体の状態や死因によって様々に変化するから、逆にどういった状況であったか分かりやすいのよ。
- 生活反応
聞いたことあるかも知れませんが、死んだ後にできた傷と、死ぬ前にできた傷って違うのよ。 こんな時は、専門家みたいに…「生活反応に違いが見られるなぁ。」なんてつぶやくと、それっぽく聞こえます。
死ぬ前にできた傷ならば、生活反応があるが、死んだ後のものであれば生活反応はないの。 生活反応の有無により、生きてる間に受傷したか、死んだ後の受傷かを判断することができるのよ。(すごいでしょ。)
1.生活反応とは何?
受傷した時点で、その人が生きていれば、傷口周辺に見られる反応を総称して生活反応って言ってます。
これは、人の体ってすごいなぁって思うんだけど、出血の有無や白血球による傷口の修復作用等で体の防衛システムがあるからなの。
ちょっと、まとめてみると…。
状態 生前の受傷の場合 死後の受傷の場合 化膿が始まっている傷 膿が出ているということは、受傷してから少なくとも半日が経過している証拠である。 膿は細菌を取り込んだ白血球の死骸であるから、生前の傷であるといえる。 死亡後は生体としての諸活動がすべて停止する。 外部から侵入した異物に対する免疫反応も例外ではない。 よって、死後にできた傷は化膿しない。 打撲による皮下出血部に白血球が集中している場合 通常なら存在しないところに大量の血液が集中するため、白血球が異物として排除するために集まっている状態。 同上 打撲による脳内出血の場合 皮下出血した赤血球を排除するために、脳の場合はグリア細胞が動員される。 このため、解剖時に傷口周辺でグリア細胞がみとめられれば、被害者は殴られてから暫くは生きていたということになる。 同上 ナイフ等による刺傷に膿が溜まっている場合 外傷を受けてから、腹腔や胸腔に膿がたまるには一日はかかる。 そこから、被害者が刺されてから、どれくらいの期間を生き延びたのかが分かる。 同上 傷口が大きく開いてる場合 人の肌には縮もうとする弾力性がある。 このため、生前の傷ならば、周囲から引っ張られるため傷口が開く。 死後は皮膚の弾性が失われるため、傷口は開かない。 出血もみられない。 乾いた擦過傷の場合 傷の中でも、上皮が削り取られた状態になる擦過傷の場合、傷口には出血と乾燥がみられる。 上皮が取り除かれることで、真皮の水分が蒸発し、傷口がかたくなる。 また真皮の毛細血管のはそんから血液が滲み傷口が暗赤色になっていれば、間違いなく生前の傷であるといえる。 注意1:しかし、皮膚の弾性は死後ただちに失われるものではないので、死後の受傷でも同様の所見が選られることがある。
注意2:傷口の乾燥は死後にも起こり得るが、この場合は出血がみられないため区別できる。
死んだ後の受傷では、心臓が停止しているんで、血管内に圧力がないから出血しないの。(不思議)
だけど、傷口周辺に出血がないからと言って、死後の受傷であるとは断定できないの、これが。 瞬間的に押し切られる、電車などによる轢死(れきし)の場合では、傷口が押しつぶされるんで、傷より深い部分も調べてみる必要があるの。 腹腔(ふくこう)内に大出血している場合も、外部の傷口には出血がみられないことになるわけ。 生活反応を確認する場合は、組織内にまで目を向けることが肝心なんです。
- 毛髪鑑定
人の髪の毛の中には、いろんな情報が潜んでるのよ。 で、毛髪鑑定で、何が分かるかというと…、
- 発生部位 (どの辺に生えていたか)
- 性別と年齢
- 毛髪の損傷 (凶器の推定に役立つ)
- 脱毛の原因 (自然に抜けたものか、無理矢理引き抜いたものか等)
- 散髪後の経過時間
- パーマなどの有無 (見りゃ、分かるって?)
- 血液型
性別判断は、どうやって、調べるかというと、毛を無理矢理引き抜くと、根元に白いものが付いてくるんだけど…。 (実際にやってみれば分かります。) 毛髪鑑定での性別判断は、この白い物質を利用するのよ。 この白い物質を、『毛根鞘』(もうこんしょう)というんです。 これを染色して1千倍の顕微鏡で観察すると、なんと細胞核で性染色質の出現率に男女差があることが分かるのよ。
男性は一つの細胞核に対して、性染色質が出現する割合が0.2〜0.5%。 女性は8%から27%と差が開くので、簡単に分かる。(めちゃ簡単。)
血液検査も髪の毛でできちゃうのよ。 毛髪での血液検査が実際の捜査で利用されるようになったのは、昭和42年だって。(まだ生まれてませ〜ん。)
なんと、長さ3〜4センチで、ABO式血液型の判定が可能になるのよ。 毛髪の元素含有量毛髪には体内の物質構成が、忠実に反映されます。
ナポレオンの遺髪から砒素(ひそ)が検出されたように、毛髪から服用していた薬品を判定するのも可能である。(すげー) 麻薬使用していたかどうかも分かっちゃうわけ。
- ルミノール反応
別に難しくありません。 現場検証の際、事件に関するほんのわずかな手がかりでも見逃すわかにはいかないでしょ。 場合によっては、そのちょっとした手がかりが事件の解決に向けて非常に重要だったりします。
ドラマや小説なんかでは、指紋を一生懸命調べたりしてます。 もちろんそれも重要なことです。 その他に、現場検証で見逃しちゃいけないものは、被害者または、加害者の血痕があります。
血痕を探索する時に利用する、代表的な操作方法の一つにルミノール反応というものがあります。 肉眼で確認することができないものや、広範囲において血痕の有無を調べるときに便利なの。
ルミノール溶液っていうのと、過酸化水素水の混合溶液を使うのよ。 で、この混合液は、血色素やヘミンと反応して化学発光(蛍光)するの。(う〜ん、良く分かんないけど、何か光るの。)
この性質を利用して、殺害現場や凶器を特定する際の手助けとなるの。 それでもって、この試薬はものすごく鋭敏度が高いため、1〜2万倍に薄めた血液にも反応しちゃうの。 だけど、特定の金属や植物といった、血液以外のものにも反応しちゃうので、あくまで予備捜査としてしか利用できないという欠点があるんだけどね…。
だから、ルミノール反応で血痕の存在を確認した後、血痕が付着している物品などを持ち帰って、検査しなおすことになるの。