バーコード
「安い 速い 簡単 正確」お菓子から雑誌まで、スーパーやコンビニエンスストアに並ぶ商品のほとんどに付いているバーコード。「売れ筋」がすぐにわかる“魔法”のしま模様はすっかり暮らしに定着した。コンピューター社会を支える裏方でもあるバーコードの素顔に迫る。
JANコードの登録メーカーは約八万四千社に達している。小売店にPOS(販売時点情報管理)システムの導入が進むとともに、普及に弾みがついた。 JANコードは十三けたの数字を表す。最初の二けたが国番号で日本は「49」と、昨年から使い始めた「45」。次の五けたがメーカー、続く五けたが商品を表し、最後の一けたは読み間違いを防ぐための「検算」用だ。八けたの短縮コードもある。 棒がどう数字を表すのか。実は太く見えたり細く見えたりする棒は、幅〇・三三ミリの細長い七本の部分(モジュール)からなり、どこを塗りつぶすかで数字を表している。真ん中にある長いバーの右と左では数字の表し方が異なり、読み間違いを防ぐ工夫をしてある。また左半分では同じ「3」でも「白黒黒黒黒白黒」、「白黒白白白白黒」の二通りの表し方があり、その組み合わせで最初の一けた目の数字を示す。左端が空白になっているのはそのためだ。 客 層 入 力
レジではバーコードを読み取るとともに、客の性別と推定年齢も入力し、「どんな人がどの商品をいつ買ったか」という情報もわかる。全国六千五百八十六店(今年七月末現在)の約三千種類の商品の売り上げ状況は毎日午後十一時にホストコンピューターに送られる。翌朝午前八時には本部に分析された情報が届く。情報をもとに、売れない商品は消え、一年間で約七割の商品が入れ替わる。「バーコードはマーケティングの最高の道具」(同社)である。 バーコードはモノだけでなく、電気代の請求書にもついており、請求金額や顧客番号などが分かる。入金と同時にバーコードで読み取ったデータが通信回線で本部に送られ、まとめたうえで電力会社に渡される。セブン−イレブンでは八七年の東京電力を皮切りに、ガス、電話などのほか、通信販売や通信教育の料金の受け取りも代行する。バーコードでコンビニで取り扱うサービスは広がった。 馬も選挙も
昨年七月の参議院選挙で、岩手県花巻市では投票所入場券に八けたのバーコードが印刷された。三十七か所の投票所にはパソコンとバーコードリーダーが置かれ、選挙人名簿との照合が瞬時に行われる。同市総務課は「有権者は待ち時間がなくなり、職員は作業が楽になった」と振り返る。 数年前には「バーコードバトラー」というおもちゃも登場、バーコードのデータを生命力、攻撃力などに読み換え、競うゲームで、約八十万台が売れた。バーコードが子供たちに知られるきっかけをつくった
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