裏版こちらユグドラル警察:第3話フィンとラケシス〜二度目の婚礼初夜〜
この話は、本編第3話のエピローグから続きます☆
「ああ、疲れた……」
「ええ、全くです。突然な物で……」パーハラコロニー中央に位置するロイヤルホテル・グランベルのスイートルームの一
室。
そのダブルベッドに腰掛けているのは、ユグドラル警察監察課課長のフィン警部と、
前大戦時に行方不明になったが、このほど生還したユグドラル警察のラケシス警部であ
る。
正式な結婚式を挙げていなかった二人は、ユグドラル警察の聖戦士達全員による極秘
結婚式をプレゼントされ、その後ロイヤルホテル・グランベルにての披露宴に移り、そ
して今、新郎と新婦は本日の泊まり先であるホテルのスイートルームに移動していた。
ちなみに、二人以外は未だ披露宴会場で飲んで……いや、宴の最中であると思われる。「全く……私達をダシにして楽しみたかっただけじゃないんでしょうか?」
「ふふっ、良いじゃない。お陰でこんな素敵な時間が得られたんだし」
「……まあ、そうですね」苦笑するフィン。
そのフィンの胸に、頭をもたれさせるラケシス。
その瞳には、一筋の涙が現れ出していた。「ごめんね……私の勝手で貴方やデルムッド、ナンナにつらい思いをさせて……」
「もう良いんですよ」
「ううん……よくなんかない……よくなんか……」言葉にならず、すすり泣くラケシス。
その肩を優しく抱き、顔を上げさせ、そして、涙を唇で拭う。「……!! 昔の貴方じゃ考えられないわね」
「周りの子供達がね……愛情表現が過多なのが、どうやら私まで伝染してしまった
ようですね……」
「まあ、フィンったら……」十七年前のあの時……。
レンスターエリア内での動乱時に、二人だけで挙げた結婚の誓い。
そして、ティルナノグポイントへの旅立ちの時。
それからの闇の中の記憶……。
ラケシスの記憶の飛んだ時期、その時期にフィンは例えようもない程の苦難の時を過
ごし、そして聖戦に至り、今の地竜一族との戦いに至り、それ相応の風格が増してきて
いた。
その大きな力と心は、ラケシスにとっては多少の戸惑いはあるものの、計り知れない
安堵を与えてくれた。
(しかし、いきなり涙を唇で拭うなんて……性格も変わったのかしら)
そう小首を傾げるラケシスを、フィンはぎゅっと抱きしめる。「きゃ……ど、どうしたのよ……」
「いえ……貴方が、いるんだと、この手の中に、いるんだと……」十七年前のあの時……。
フィンにしてみれば、行かすべきではなかった、行くとすれば二人で行くべきだった
と、何度後悔と絶望の淵に自らを追いやったことだろう。
しかし、情勢と状況がそれを許さなかった。
エリア内の動乱、聖戦、地竜一族との戦い、それらが続くこの世の中、その戦いに責
任を持つ一人が、自らの想いだけで動けようか。
自らの心を殺し続けてきたこの男にとって、ラケシスの帰還は、彼の心を癒すに十分
すぎる恩寵であった。「……お互い、苦しかったんだね……」
「……貴女も、でしょう……」
「……ねえ、三人目、欲しくない?」
「な! 何をいきなり!!」ラケシスの言葉に、驚愕するフィン。
かまわず、ラケシスは続ける。「デルムッドとナンナ、二人はもう十分に育って、私達の道からは分かれて進んでる
わ。そして、私達はこの結婚式で、新たな道が出来たと思うの。その道の、証が欲しい
の……」
「ラケシス……さ……あ、いやいや、ラケシス……」
「ふふっ。仕方ないわよ。慣れがあるものね……ねえ、だめ?」猫のようないたずら気の、そして寂しがり屋のない交ぜになった表情で、フィンを見
つめ上げるラケシス。
その瞳に捕まったら、もはや回避は不可能であった。
あきらめたように頷くフィン。「……分かりました……」
そう言って、ベッドにラケシスの身体を横たえさせる。
その横にフィン自身も寄り添い、そして、顔を近づける。「いなかった分、思い切り、愛してね」
「ええ……」そうして、二人は、唇を接点にして、深く寄り添いあう。
フィンはいったん唇を離すと、ラケシスの唇の上下をついばみ、今度は舌を差し入れ
る。
「ん、ん、ん……」
「ん、く……」舌を絡ませ、身体を絡め合う。
ぴちゃぴちゃと、互いの口の端から存在を確かめ合う水音が聞こえる。「ん……ドレス、皺になりますよ」
「構わないわ。そのまま、愛して……」ラケシスの服装は、今も結婚式に着ていた真紅のドレス。
フィンが心配するのも当然であった。
しかし、ラケシスは意に介さず、そのままフィンを求める。「どんな格好でも、私は私……邪魔だったら、フィン、脱がせて……」
「……貴女は私にいつも無茶な注文ばかりしますね……全く……」
「いや?」
「……誰もそんな事は言ってませんよ」頬や耳たぶを唇で愛しながら、背中にあるボタンを手に掛ける。
一つ、二つと外していき、上着を取り、肩を露わにさせ、腰を覆っている飾りを外し、
徐々に、ラケシスの纏う衣を取り去っていく。
その間も、唇と、フィンの片腕はラケシスの身体に触れ、彼女を徐々に高めていく。
熱にうなされたように、艶っぽい声をあげだすラケシス。「うっ……は、はあ……やんっ!!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫……続けて……もっと、もっと……」やがて、ドレスのたっぷりした布地が彼女から離れ、レースに飾られた純白のシルク
の下着姿になる。「脱がせ方、うまくなったわね……フィン……」
「誰かさんの趣味ですから。例え十七年離れても覚えてますよ」
「もう、フィンったら……」改めて口づけを交わし、そして、首筋から鎖骨に唇を走らせ、下着の上から、胸の突
起を口に含む。
下着と舌の刺激が、ラケシスの全身を駆けめぐる。「や、や、やあん!! そ、そんな……」
「どうしたんですか?」
「どうしたの、私……変……こんなになっちゃうなんて……」
「時を取り戻したいと、思っているからですよ……」
「ねえ、フィンも……」
「ええ。私もです」身体を密着させるフィン。
心臓の鼓動が混ざり合い、一つになる。「どきどきしてるわね」
「貴女もですね、ラケシス」
「ええ……だから、もっと、もっと愛して……貴方の、好きにして……」ブラを外し、露わになった双丘を揉みしだき、先端の桜色の部分を口に含み、歯で擦
る。もう片方は指の背で摘み上げ、爪で擦り、こね回す。
胸全体から沸き上がる感情が、ラケシスの身を焦がしていく。
心の奥に眠っていた、快感が呼び起こされ、覚醒していく。「や、やん!! どうしよう……おかしくなっちゃう……」
「……ここにいますよ、私が。だから……」そう言いながら、フィンの手は太股の付け根の辺りをまさぐる。
その辺りを覆う絹の布地は、すでに水分を含み、うっすらと覆われている部分の全体
を露わにしていた。
金色の切りそろえられた草むらと、その下の秘密の泉が……。「嘘……こんなになんて……信じられない……」
「可愛いですよ、ラケシス」そうラケシスに言いながら、その布地も取り去る。
ラケシスの身体に残るのは、ドレスに付いていたレース地の手袋と、白く透けたストッ
キングに、それを止めるガーターベルトのみとなり、さらけ出すには恥ずかしい部分は、
全てがフィンの目にはいるようになっていた。
その状態を知ったラケシスは、思わず顔を覆う。「やだ……恥ずかしい……あまり、見ないでよ……」
「なぜです……綺麗です……可愛いし……あの時のままですね……」
「うん……なんだか……取り残されてしまった感じ……」
「けど今、こうやって貴女と同じ時を歩めるようになった……すごく……すごく……
幸せですよ……」
「本当? フィン……」
「ええ、天地神明に誓って……」そうして今度は、太股の辺りに顔を埋める。
草むらをなで上げ、泉の先にある突起を下で舐り、指で摘み回す。
泉の中に指を侵入させ、湧き出る水を指に纏い付かせ、そしてもっと湧き出させるよ
うに動かす。
指を一端離し、今度は舌でその水を舐るように、激しく、優しく愛していく。
フィンのこの行為に、ラケシスはすでに魂を浮きだたせていた。「あ、あ、あ、あ……も、もう……ね、ねえ、フィン……お願い……」
「どうしたいんです?」
「……意地悪……言わせたいの……」
「分かりました、姫様の思うがままに……」
「もう、ラケシスって呼んで……」
「ええ」やがてフィンも服を全て脱ぎ、下腹部で肥大している熱塊を、ラケシスの泉の辺りに
押し当てる。「じゃ……行きますよ……」
「うん……来て、来て……フィン……!!」腰を前にやり、ラケシスに身体を押しつける。
熱塊がラケシスの身体の中に埋め込まれ、炎を上げる。
お互いの熱が快感を呼び、さらにお互いが熱くなる。「はうっ……あああああ……や、やあんっ!!!」
「くっ……あ、熱い……」
「やあん……壊れる……けど、けど……お願い……もっと、もっと動いて……」
「ええ……分かってます……」身体を密着させ、抱きしめながら、腰を動かす。
淫らな水音を立てながら、ラケシスの身体を掻き回していく。
強烈な快感がラケシスを灼き、そして一歩一歩絶頂に近づく。
フィンもラケシスの身体から送られる熱と感触に、それらが快感となってフィンの身
体を蝕む。
言葉で余裕を装いながら、すでに身体の方は限界に近づいていた。「ぐ……も、もう……」
「待って!! 待って!! 私も、私も……く、くううっ……あ、ああっ!! も、
もう……あっ! あっ! ああっ!! やぁっ…………」一歩先にラケシスが絶頂を迎え、全身を痙攣させる。
その律動が止めとなり、フィンもラケシスの中で爆発させ、抱きしめながら二人、闇
の中に落ちていった……。ちゅん、ちゅん、ちゅん……。
夜明けの陽射しがカーテンの隙間から差し込み、フィンの顔に突き刺さる。「ん……」
目を覚ますフィン。
しかし、抱きしめていた温もりがなくなっていた。「ラ、ラケシス!!」
「ん? 何?」慌てて起きたフィンに、ラケシスの声が掛けられる。
何のことはない、ラケシスの方が先に起き、ソファーに腰掛けていたのだ。
フィンと一緒に気絶した格好のままで……。「なんだ……先に起きていたんですか……」
「いなくなったと思ったの? 無理もないけど……大丈夫。一人でいたいなんてもう
思わないもの……はい、コーヒー飲む?」
「あ、頂きます……」ラケシスの差し出す、コーヒーを手に取る。
湯気の立つ漆黒の液体を口に含み、その苦みと香気を全身に行き渡らせる。
ほう、とため息を一つ付く間に、ラケシスがフィンの隣に、寄り添いながら腰掛ける。
「けど……こうして見ると、フィンにもロリコンの噂が立ちそうね」
「あ、あのですね……」
「あ、でもシャナンもいるし、大丈夫よね。感謝しなさいよ。誰にも何も言われずに
この若い身体を堪能できるんだから」
「…………そんな事を言うのは、この口ですか?」一言言って、ラケシスの唇を一気に奪う。
さらに、ひとしきりラケシスの舌を舐る。「ん……ん、ん、ん、ぷふあぁ……ひどいわね……事実じゃない」
「あまり馬鹿なことを言うんじゃありません。どんな事があっても、貴女は、貴女な
んですから……生涯掛けて、愛しますよ……」
「……フィン……」頬を染めながら、ラケシスがフィンに縋り付く。
その身体を受け止め、抱きしめる。時間は、まだ始まったばかりである……。
FIN
後書き
ああああ、とうとうやってしまいましたよ。フィンラケ裏三話。
書け書けとせっつかれていたからなんですがね(汗)
まあ、この二人はすでに子供を二人も作ってますから、もっと激しくやっても良いん
でしょうけど、さすがに、初夜だからお互いの存在を確かめるように、てな感じで(爆)
ちなみに、ここしばらくの子作りで、三人目が誕生します。
名前は「オードリー」と言って、子供世代の子供、すなわち、孫世代に置いてオイフェ
とパメラの一子である「アルフォンス」と共に孫世代を指揮監督しながら、ユグドラル
シティを暴れ回ります。
まだしばらくは無理ですが、今度はその孫世代の話も書いてみたいですね。さて……今度の犠牲者はどのカップルになることやら……(爆)
あ、けど、幸せいっぱいな感じにするように、極力頑張ります。
ではでは。文責:清原 竜騎
<コメント>
何をかいわんや。ト書き入ったら辛口度アップしましたねぇ(笑)
おまけにラケシスの衣装(というのか)まで私の指定通りなのでツボはまりまくりで
笑わせていただきました。(笑えるネタなのか…)
それにしても…ますます表現にみがきがかかったというか…うーんと…見えてなかった?(笑)