ケプラー鉤製作法のご紹介

1999.7.14  ぎょぎょ丸

昨年(1998年)の秋頃、東京のさしまさんからアシストフックのことを教えられ、時々使ってみるようになりました。はじめのうちは、ジグの動きを邪魔するのではという心配と、リングではなく糸(ケプラー)で留めることに抵抗があり、半信半疑でしたが、次第にその威力のファンになり、今ではジグのすべてにアシストフックを使っています。
また、本来の「お尻のフック」にも、トレブルフックよりも、もっぱらシングルフックを使っています。最近では、ミノーやポッパーに使うこともあります。


 新しい釣法が出て、各メーカーの商品が出そろうまでの段階は、他の釣り用の道具を転用したり、物色したり、自分で工夫したり、一番面白い時期ではないでしょうか。ジギング用のケプラー鉤は、まさに今、各釣り人の試行錯誤、創意工夫の段階だと思います。

 最初は、がまかつの石鯛鉤(18号)を使っていました。しかし、頭に2本、お尻に2本、合計4本のフックをつけると、結構なコストになるため、最近愛用しているのがヨーヅリのライブベイトフック(7/0から9/0まで)です。

 また、沿岸のネイリ、ハマチなど対象魚のサイズが小さい場合はヒラマサ鉤やアジ鉤を使います。ただし、いつまさかの大物が来るか分からないので、丹吉磯鉤など、サイズの割に太軸で、強く鍛えられた鉤で備えておくと安心です。

■近海の中・大物狙いに
1.ヨーヅリライブベイトフック8/0
2.ヨーヅリライブベイトフック9/0
3.がまかつ管付ムロアジ22号

■ネイリ、ハマチ釣りに
4.ヨーヅリライブベイトフック3/0
5.丹吉磯鉤
6.丹吉アジ鉤

■ケプラーなしで使うシングルフックは
7.丹吉ソルト用シングルフック
  ※現在、ワンサイズ、4タイプがあります。
   懐が深く、バラシが少ないようです。
   大物用を開発中ということです。

材料&用具
■よつあみケプラート30号(270lb)
市販のアシストフックは10〜15号ぐらいのようです。
私は鉤の大きさによって20、30、50号を使っています。
ケプラー糸には中芯の通ったものと通っていないものがありますが、
ジグへの取り付けにスプリットリングを使う場合は芯のあるもの、
リングを使わずに結ぶ場合は芯の無いものがいいように思います。
 
■よつあみセキ糸2号
いろいろ試してみて、2号に落ち着きました。
ロッドメイキング用のナイロンスレッドの残りを使うこともあります。

■ボビン
フライタイイング用のものを転用。
石鯛用品コーナーでも売っています。

■ハサミ
先の尖ったよく切れるものならなんでも良いでしょう。

■瞬間接着剤
ゲル状のものより、染み込むタイプの方が良いように思います。
(写真の木工用はあまり染み込まない)

■フィッシングマニキュア
たまたま家にあったので使っています。

バイス
 なくても作れますが、指が疲れます。
 ホームセンターへ行くと、小さなものなら800円ぐらいからありますので、鉤を大量に作る人や、工作全般が好きな方はぜひ購入しましょう。
 私が使っているのは1980円でした。
.  手順
(1)鉤にセキ糸を取り付けます
(2)糸端の方へ、巻きながら戻し
(3)サッとまばらに2往復ぐらいしたら下巻きの完成です。
バイスとボビンを使っているので、ここで両手を放して次の準備に入ります。
 
(4)ケプラーの先を針先などでほぐします。
(5)セキ糸を鉤に取り付けて、下巻きをします。
ケプラーを二つ折りにして、アイの上から下へ通します。(アイの無い鉤の場合は、シャンクの下にケプラーの二つ折り部分が出るように)
ケプラーが下を向いて出るのは、鉤先と同じ方向へフッキングの力がかかるようにするためです。
ほぐした糸端で鉤を包み込みます。(これは、ケプラーと鉤の摩擦を大きくするためです)
(6)セキ糸でケプラーを締め込みます。
(7)さっきと逆方向へ、クロスするように。
(8)隙間を埋めるようにセキ糸を密に巻きます。
この時、格好は悪いけど、ケプラーの端をセキ糸からはみ出したままにしておくと、最後に接着剤で固めたときにより強いように思います。
(9)10センチぐらいのナイロンライン(8〜12lb程度)を二つ折りにしてセキ糸を巻いた部分の上に置きます。
(10)ナイロンラインの上に、10回ぐらいセキ糸を巻き付けます。
(11)ここで5〜10センチぐらいの余裕を残してセキ糸を切ります。
切ったセキ糸を、ナイロンのループに通します。
(12)ナイロンラインを、セキ糸から引き抜いて行くと、
 
(13)セキ糸の端が10回巻いたセキ糸の下をくぐって出てきます。
(14)セキ糸の端を完全に引き出します。よく引っ張って、締め込みます。
(15)セキ糸の端をハサミで切ります。
(16)瞬間接着剤を染み込ませます。
(17)表面をフィッシングマニキュアでコーティングしたら、できあがり。(この工程はなくてもいいでしょう)
 さて、このケプラー鉤をジグにつける方法ですが、私は2本の鉤とアイをからめながらループトゥループで直結する方法をとっています。
 この方法の場合、ジグとの結節部がダブルラインになるので強度は申し分ないと思いますが、アシストフックも常時2本(合計4本)となり、最初からジグに付けておくので、ジグの4倍の数のフックが必要となります。
 今、興味を持っているのは石鯛用のスクリュー式のスイベルを使って、アシストフックを手軽につけることですが、強度が実証されていないために、ここ一番ではまだ使っていません。



Kyogyo Web Site巨魚捕獲団が行く!BBS
1