はじめに、この物語に登場する主な人物を紹介しよう。
■うめぞう師匠=磯の達人と呼ばれ、チヌの扱いにはとくにその才能を発揮する。
作者が乗った船には前述の5名であるが、別の百手丸に乗った有志5名もここで紹介しておこう。 ■釣具ビンボーいのうえ=会員数十名を数える巨魚捕獲団の団長。そして本ホームページの管理人である。
時は、1998年8月15日深夜。酒好きなアルフレッドEYは、またしても飲んでいた。前回釣行でもそうだったのに懲りないやつだ、まったく。しかし、今回は違っていた。少し早めに帰宅、適度な睡眠をとるという普段では考えられない行動にでた。驚いたのは一緒に飲んでいた他のメンバーである。しかし、今まで満足な結果を出していないアルフレッドEYにとって、せめてもの己への挑戦であったのだ。(なら最初から飲みに行かなかったらいいのに。) 日は移り8月16日午前4:00、アルフレッドEYの車がダディ万作のもとへとひた走る。前回より参加のダディ万作。漁師の血をひく彼にとって、このような巨魚を狙う仕業は、大変血沸き肉踊るものだったに違いない。家族サービスで疲れているはずなのに、全く意に介さないその行動、男前だぜ!ダディ万作。 |
手結港。その精鋭8名の有志が出発する地である。この朝の景色を幾度目にしたことだろう。何度目にしてもいいものだ。これから起るであろう事を頭のなかでイミテーションしてみる。自然と全身のテンションが高なり心も体も大海原へと同化していくのである。
この釣行記を読んで頂いている方の中にも、釣りが嫌いな人がいるであろう、かくいう私もそうであった。しかし、この興奮、そしてその後起るであろう感動、そんな事を考えていたら知らない人はなんて不幸なんだろうと思ってしまう。一度参加してみませんか?皆様方の積極的なメールをお待ちしています。
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出発。今回は一路くろぼく14号へと向かう。時間にして1時間強。その間、うめぞう師匠に釣りとはなんであるかとのご教示を頂いた、誠にありがとうございます。素人の私ですが今後共よろしくおねがい致します。
くろぼく14号で釣行前の団長からの作戦指令では、最初はミノーで表層を攻め、そしておりを見てジグに変え特に今回はキハダを狙ってみるという事だった。我々信香丸、そして百手丸共々キャスティング開始。 我々のファーストヒットはやはり名人うめぞう師匠だった。彼にしてみればたんなる第1章が幕開けただけのことだったのかもしれない。その後度重なるキャッチアンドリリースがそのこと物語っている。 そして、ヒット〜の声、だれだっ! 私です私、アルフレッドEY。今回の釣果次第でウラ釣行記が晴れて表扱いになると団長との約束があったため、俄然、竿持つ手にも力が入る。しかし...バラシてしまった。遠く口にルアーを加えたシイラが跳ねている。 ウラ釣行記1のバラシの岩井再現かと思った時だった、1番キャッチャー村山がヒット、確実性のある取り込みで見事シイラをゲット。そして、うめぞう師匠の幾度となるヒットが続く、師匠は大きさ的に好みでないものはリリースしている。 しかし、ついに、うめぞう師匠の好みが来た!一体何をヒットしたのか、苦戦している。その正体は、前回の釣行でミチキッター松山がゲットした暴れん坊のサワラである。慎重に取り込みついにゲット。見よこの勝者の笑顔を! その後、1番キャッチャー村山も確実にシイラをゲット。ところで、調子のでないダディ万作と今日もいつもの調子?のアルフレッドEY、彼ら2人はどうなるんだろう。と心配してた矢先ダディ万作に本日初のヒット。しっしかしバラシてしまった。 この後、ダディ万作は数回バラシてしまう。アルフレッドEYのバラシ病が移ったのかなと危惧していたら、そのアルフレッドEYのロッドが急速なスピードでしなる。ほとんど船に近いところまで巻上げていた状態でのしなり、あわてたアルフレッドEYは、やってしまって、ドラグの締めすぎで、ブチンとかなり大きな音でラインを切ってしまったのだ。またしても口にリアーを加えたシイラが跳ねる。うめぞう師匠によると、120cmはあったんじゃないかと、残念なことをしてしまった。 そして、ダディ万作がやりました。本日初のゲット、シイラを丁寧に取り込みに成功したときだった。百手丸がとんでもないことをしでかした。 我々信香丸と百手丸は到着の少々の差があっても、だいたい同じところでトライしていたのだが、先に到着した百手丸がなんとマンボウを発見したのである。それを見た船頭浜口氏(これからは一発一中ハマグチと呼ばさせていただきます。)、片手にモリを持って閃光一発見事命中させたのであった。 このあたりの詳しい記述は釣具ビンボーいのうえ記録の釣行記をご覧いただければわかるのだが、我々はただひたすら驚いていた、水族館でしか見たことのないものが目の前で取り込まれようとしている。私はこの瞬間を逃がしてはいけないと思い、ただシャッターを押していたのだった。
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大変貴重なものを見せて頂いたその後、ダディ万作のロッドがしなる、しなる。キャスティングすればヒット、ヒットの連続。いよいよ漁師の血が騒ぎ出したのかと思った瞬間。アルフレッドEYに手応えがあった。実はマンボウ騒動から彼はジギング専門に変えていたのだ。なんやろうこの強い引きは、おそらく50m前後のところではないだろうか、ひょっとして、強い胸騒ぎと共にリールを巻く、ベンジャミン国光(ちなみにこのネーミングはあまりにも私のことをアルフレッドと呼ぶもので西欧人っぽいものをつけさせてもらいました。)が叫ぶ、サワラやないかや!よっしゃとったる!と思い巻いていると、またである、軽いのである。またしてもやらかした、バラシの岩井健在である。(こんなもん健在やのうてえい。)
その後、いつものことやな〜釣行記に何を書こうかな〜。うめぞう師匠は快調にゲットしているし、1番キャチャー村山も順調、ダディ万作も一時の不調から脱し良い感じやし、と思っていた矢先、百手丸から無線が入る、なんと初参加の中村君がタックル一式海中に没してしまったそうだ。しめて数万円えらいこっちゃな〜。でもこれから中村300ドルとよばれるだろう。 そして、アルフレッドEYのリールを巻く手が変な感じである。単にジグがひっくり返っているだけかな、と思っていたが、違っていた。残り10m位巻き上げた時に判った。なんかの魚である。なにか判らない。やがて姿が確認することができた。マナガツオである。しかもそんなに大きくない、20cmくらいかな。これが、連敗続きのアルフレッドEY連敗脱出の時である。 船内に突如として歓声があがった、巨魚捕獲団としては、決して褒められる大きさではない、磯で釣ってももっと大きなものを釣ったことがあるやんか、そんな大きさである。でもみんなからおめでとうの声があがる、とってもうれしかった。たしかにたかが釣りである。でも、されど釣りある。そしてやっぱり釣りである。この感激を釣りを経験したことのない人にも教えてあげます。再び積極的なメールをお待ちしています。 その後もう一匹釣り上げたが、これで不振脱出とは思えない。そして、次回飛躍をここでお約束する!次回タイトルは爆釣岩井見参!楽しみに待っててください。
再度、アルフレッドへの励ましのお便りは cpal@ps.inforyoma.or.jp 数時間の釣りを楽しんだ後、我々は一路手結港へと向かった。心地よい眠りが有志を誘う。戦いに勝利したもののみが味わえる瞬間である。次回釣行はいつになるのか、まだわからない。しかし、この有志達は、またしても敢然と立ち向かうことだろう。 つづく 【おまけ】 ベンジャミン国光、携帯電話につけてあるむじんくんのストラップこんどちょうだい。 |