「土佐万力釣り大会」

NGFA  with 金龍丸

■大会2日前6/4

 1999年6の月もうすぐ恐怖の大王が降りてくる、僕は前日からのBBSで「シイラがおらん」らしい。というイヤな情報に不安を持っていた。

 と、言うのもいつも日向灘でジギングをしているのだが、船長(門脇)から、今は釣れんよ!と言われても、「いいから行くぞ!」的な感じで船に乗り込み、坊主でも何でも平気のへっちゃらなのである。なぜなら、うちは港に近い。だが今回は高知県の手結まで行くのだ。
高知まで陸走で行って坊主だったよ!なんて言ったら宮崎の友達は笑っても、かみさんは笑ってくれない。

 飛行機で行けば楽なのだが、今回は軽トラにした。旅費は一緒ぐらいなのだが、「軽トラで行けば目立つだろう、大きい魚でも釣った日には新聞に載るかもしれない。」そしたら「私はNGFAの創立当時からの役員ですから。」と、いやでも宣伝になるな。と、その位のことしか頭になかったのである。

 だが、はっきり言って遠い。片道約10時間。オーストラリア並である(島の形は似ている
が)。井上さんに電話をして、「プラクティスに間に合うように行きますわ。」と5時の船に乗る感じでスタンバイ。けど、釣りの前の日は寝れない。そいつを利用して2時の船に乗ることにしたのである。

 宮崎から佐伯までは遠い。眠い。ZZZZZ。今まで走ったことのない真っ暗な道路をひたすら走る。どこまで行っても同じ風景だ。その中に時折、ピンクやブルーの光の群が。・・・・・・・深夜の太刀魚漁か?いや、モーテル街だ。

 僕は昔の淡い青春の日々を思い出した、あの頃はこういうシチュエイションで横には彼女が乗って、そのままあの太刀魚漁の篝火の中に入っていったなあ。と、そして、ああして、こうして。・・・・・・・悶々としてきた。

 すると、眠くない!おお!大発見。「性欲は睡魔を蹴散らす。」長距離に乗る僕の友達のキャビンにはH本がいっぱいあったがこういうことか。!ついに理論化したぞ。

 そんなこんなで宿毛に上陸した僕はとりあえず高知市を目指した。


■大会1日前6/5プラ当日

 4時30分頃船は宿毛に着き、僕は国道を高知・中村方面に愛車のオートザム660S/Wsplを走らせた。知らない道を、地図もナビも無しに走って行く、ただ、友人達とシイラを釣るために。 

 しばらく走ると、白々と明けてきたので井上さんに電話をした。
「今上陸しましたので高知に向かいます。近くまで行ったら又電話しますので。」

 山道をくねくね四万十川や知らないきれいな川を過ぎ、山道に入り、峠を越え、眼前に金色の海が島々の間に見えた瞬間、上下の感覚を失った。まるで夕焼け空を見ているようだった。

 高知市内にはいると、電車通りを適当に左折、「高知城の前にいるから。」と言う井上さんを捜して信号で停車。大「今お城前の信号だけど・・・」井「あ、見えるわ。」大「どこ?とりあえず手を振るね。」朝の8時前位。井上さん発見!周囲に誰もいないのでぶんぶん手を振って喜びと安堵感を表現した。

 井上さんに案内され、マンションの7階へ。リビングのドアを開けると、いきなり菅原さんが寝てる。横の和室には布団で分からないが3−4人寝てるようだ。とりあえず仮眠をとる。

 朝10時頃目を覚まし、 みんなと一緒に赤目のいるレストランで朝食をとったあと、手結港
へ。途中、丹吉釣り具へ寄る。年代物らしいジグを1個買い、いよいよ土佐湾だ。

 信香丸の到着を待ち、みんなでタックルを整える。国光船長は見た目怖いが、いい人そうだ。

いよいよ釣り!だが・・・・

 シイラ狙いのうけ周りで僕がヒットさせたのは尺もののシイラが1匹。ま、いいか練習やし。みんなでシイラを諦め、湾内の瀬を攻める。 最初にヒットさせたのは井上さん。見たことない魚だ、ベラとシブ鯛とモンガラとタカベのクオーターみたいだ。多分旨くないだろう。

 そしたら僕のにも来た。!結構引くな。ネイリか?水面まで上がると先ほどの旨くなさそうな魚だ。結局船長のタモに収まることなく逃げていった。

 帰りの船の中船長が「おまん、ベンツはどうした?」いきなり聞くので「喰いましたよ。」と、答えたら「ナニユウトル。ベンツじゃ!」って言うのでああ車かと思い「今日は軽トラです。」て言ったら「普通不動産屋はベンツやろ。」「フェラーリのっとるンか。」車好きな船長さんだな。僕のはイタ車はイタ車でも荷台に大きいまな板の乗ったミッドシップ2シーター「板車」だ。

 港に帰り前夜祭の中で、さっき井上さんが釣った魚の刺身が登場!「多分旨くないだろう。」と思っていたら「かなり美味しいじゃない」。し、しまった。もっと慎重にあげれば良かった。

 ヨコスジフエダイ。君のことは忘れない。


■大会当日6/6

 午前3時、僕は井上さんの車の横の荷台の上で寝袋にくるまり、高いびきで寝ていた。顔面を何カ所か蚊に刺されていたが、2日前から平均2時間しか寝ていなかったため気付かなかったらしい。「エントリー始まるよ」菅原さんの声で目を覚ました僕は、そそくさとタックルを決め、会場へ足を運んだ。

 我がインターネットドリーマーNGFAチームは船割りが「金龍丸」と決まり、大会セレモニーのあと、船に荷物を詰め込みはじめた。すると色の黒い僕より10くらい若い男の人が船尾にいる。よく見たらスタッフのT−シャツを着てるので若い船頭だなと思ったら、船頭はちゃんといる。あとで聞いたら親子だった。

 手結港沖に14杯の様々な船が並ぶ。昨日のプラで既に状況を知っている我々は知覧から飛び立つ特攻隊員のようなものだ。

 3.2.1.スタート!

 真っ先に飛び出したのは我らが「金龍丸」おお!いい感じじゃない。でも次の瞬間最後尾だ。まあいいか。そして、一つ、二つ、うけを攻めていく。

やはり魚がいない。

 分かってはいたが、どうしても釣らねば。・・・様々な道具を取り出し、トップのシェイキングからミドルのジギング、自慢のフルメタルポッパーで上へ下へ横へ、様々に探る。船頭の息子は上から魚を探す。「見エンなああ!」「次行こう」と親父に合図。延々とその繰り返し。一番最後のうけまで行ってとうとうノーフィッシュ。みんな疲れが見える。

ラスト1時間、5番目のうけに着いたときドラマは起こった。

 「おる おる おる おる おる!  よん匹おるでえ!」

byむすこ
 た確かに4匹いる!「たのむ!喰ってくれよお。お願いだ。」みんな同じ思いでキャスト&リトリーブ。みんなざわめき立つ。筒井さんのロッドが曲がってる!

「やったあ!」

 筒井さんはトモからキラキラルアーを投げてそれにストライク!結構でかそうだ。「これは優勝か?いや!2位は固いぞ!」そういいながらミヨシへ。

 親父が息子へ「誰かすくってやらんといカンキ!お前すくエヤ。!」
その時息子は、「俺はようすくわん!」 

 たしかに、確かに貴重な一匹をランディングしてやるのはアングラーよりも神経を使う。ましてや他の魚に遭遇する時間はもうない。僕は心の中で、
「おまんの気持ち痛いほどよおく分かるぜよ!」と叫び、船にあるタモの中で1番でかいタモを探し当て「筒井さん僕が行くよう!」と振り向いた瞬間!・・・・・・・・・・。

 幻のでかシイラは遙か海の彼方へ。        

 船頭も息子もアングラーも必死になって残りのシイラを探す。

・・・・「おるおる、おるワー!」

 息子が再び叫ぶ、が、既に活性は落ち、何をやっても喰わない。結局そのまま帰港することになり、NGFAwith金龍丸は惨敗を喫することとなった。


■ジャンケン大会

 もう既に誰が優勝かどうでも良かった。入賞賞品と、ジャンケン賞品は差がなかった。なんとしてでも勝たなければ。僕が前から買おうと思っていた賞品が前に並んでいたのだ。最初のうちは様子を見た。組合長も人間、なんかのパターンがある。それを見つけるのだ。6回目の
ジャンケンの時僕は確信した。

 組合長は、1「ちょき」 2「ぐー」 3「ぱー」の連続技だ。

 よし、とうとう僕の欲しいのが出てきたぞ。「最初はぐー!ジャンケン、ぐーじゃ!」
 組合長はいきなり「パー」を出した。    イレギュラーアクション!

 僕の欲しかったペンの706Zは、奇しくも船の上で一緒にジャンケントレーニングをしていた菅原さんの手に落ちたのであった。でも、NGFAのメンバーがゲットしたことがせめてもの救いだ。よかったよかった。

 かくして土佐万力釣り大会は幕を閉じた。えらい疲れた旅であったがそれ以上にネットを通して知り合った多くの人に会って昔からの友達みたいに一緒に船の上で遊べたことが何より感動であった。

 帰りの道中は途中から降りだした雨の中、次の「NGFA日向灘リベンジマッチ」のプランニングを練りながら知らない間に宇和島の近くまで行ってしまった。結局船に乗り遅れ、今度からは必ず飛行機で行こうと固く決心した。着いたのは朝の4時30分だった。

大会関係者及びNGFAの皆様お疲れさまでした。そして楽しい時間をありがとうございました。
来年は宮崎から2人は連れてこようと思います。また宜しくお願いします。(大草)


さらば土佐湾

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