南西諸島釣行記
1999.8.12-15
今年も楽しみにしていたお盆がきた。
今回は、イソンボをもとめて日本最西端の夢追島に行くのだ。
この島は、徳島からは極めて不便な島で、行きの朝一番の関空からの飛行機に乗るには午前3時のフェリーに乗り、重い荷物を持って歩きまわらないといけないのだ!しかも、まともに睡眠がとれないのである・・・・。
予想通り、かなりの体力を消耗しつつも、無事、目的の島に午後1時半に到着した。
荷物を解いて、タックルの準備にかかると、電話が・・・・。
今回、お世話になる金城さん(ヒロくんに紹介して頂いた)からだった。
「金城だけど、風と波が結構あるけど出る?」
「はい、出ます」
「じゃ、タックル準備できたら電話して!」
大急ぎで準備して、昼飯も食べず、3時には舟に乗っていた・・・・。
「波が凄いから、岬には行けないから、風裏で辛抱してね!」
なんとか風裏の空港沖にたどり着いたが、立ってシャクルのが精一杯ぐらい、揺れる揺れる。
金城さんが、自慢の高性能魚探を海中に入れる。
水深100から120mくらいだ。ベイトが紅く写っている・・・・・。
いざジギング開始。
フォールしていくジグが写る・・・・。
上手くベイトの中に入った。
シャクリあげると、鮮明にジグの軌跡が映し出されるのだが、食わない。
金 「食わないね?」「上手く入ってるんだけどな?」
オ 「シャクリが悪い?」
金 「いいや、マッチグー」
オ 「ジグの色は?」
金 「関係無い。何でも食うよ!」
結局、雨の中、ずぶ濡れで夕方までやって小さな当たりが二回あっただけだった。
食い気がないのか、ショートバイトで小さな歯の跡が付いただけだった。
港に帰ると、金城さんが家で一杯やろうと誘ってくれたのだが、一睡もしてないので、その日は宿でゆっくり休むことにした。
宿では、先月まで石垣のフィッシャーマンに二年間勤めのロッドを作っていたという青年とであった。石垣ではショアーから釣れないのでここに来たらしい。
彼 「どうでした?」
オ 「全然ダメ、ノーヒット!」
彼 「厳しいですね!私も春にあの舟でお世話になったんですが、ダメでした。
   ヒットは沢山したんですが、切られたり止まらなかったりで、全然捕れませんでした。
   でも、20Kg位のサメが釣れたから、切られたのも、サメだったかも?」
オ 「明日は切られるような奴に当たってみたいな!」
彼 「頑張ってください。でも、あしたは、天気さらに悪そうですよ・・・警報が出てます」オ 「ガーン!じゃ、寝て来るわ・・・」
彼も、すでに2W、ショアーからGTを狙ってるらしいが、カスミが1匹釣れただけらしい。GTが釣れるまで、ずっと滞在するらしい。
二日目は6時に出船した。
雨は止んだが、海上風警報18m、波3mと無線が言っている。
昨日と同じポイントにしか行けない。
しばらくやるが、当たりも無い。
金 「もっと波の静かな岸に近づけて、ポッパーやる?」
オ 「いいや、ジグでねばる」
金 「そう、じゃ、チョットだけ辛抱してね、150mやってみるから」
皆一生懸命やってるのだが、状況は変わらなかった・・・・。
 
金 「ダメじゃね!一回帰って、昼飯食べて出なおそう!今度は3時ね!」
オ 「了解」
昼から気持ち風、波もおさまってきたが、やはり、同じポイントにしか入れない。
状況も、朝と同じだ!永遠とノーヒットが続く・・・・。
金 「自信がなくなってきた。あいつ等、目がないか、口が無いかだね!」
オ 「そんな事言わんといてよ!金城さんが頼みなんやから!」
金 「今晩は、泡盛作戦会議しよう!」
オ 「OK」
しばらくすると、渡部君に何やらヒットしたらしい・・・・
「ヒット?」と聞くと、金城さんが小指を立てて見せる。紅いハタ(4Kg強)だった。
午後7時、とりあえず、酒の魚をゲットしたので帰ることにした。
その晩は、泡盛作戦会議を行った。
60度の泡盛は強烈だった。
金 「これ飲むと釣れるよ!」
オ 「じゃ、ちょっとだけ!ウゲー、粘膜が焼け爛れる・・・」
ワタ「止めときますわ。」・・・・・・これが、明日の釣果に大関係したのだ!!!
金城さんはツルサキ氏に電話をしていた・・・
いろんな有名人の面白い話が聞けたのだが、インターネットの話題には不適切かも知れないので以下省略。
三日目、少し風波が収まってきた。
昨日と同じく6時出船。
私は港を出て、右に曲がるか真っ直ぐ行くかが気になって仕方ない・・・・
舟は一度速度を緩め、しばらく様子をうかがっている・・・、そして、意を決したように直進したのだ!とうとう、岬沖のポイントに入れる!
ただ、それだけで、釣れたような気になる自分の単純さにあきれてしまったが・・・
ポイントに着くと瀬波が凄い!ギッコンバッタン大揺れなのだ!
とても立ってシャクレない。すわってロングジャークをしていてもひっくり返りそうになる。しかし、黙々とガンバルのである。ヒットが先か、ゲロが先か一発勝負?
【一流し目】・・・、期待に反してノーヒット。
【ニ流し目】・・・、ノーヒット。金「魚はおるで!」
【三流し目】・・・、渡辺君にヒットしたらしい。金城さんが小指を立ててるので小さそうだ。3,4Kgのカッポレ(GTじゃないよ)だった。
=小移動=
【一流し目】・・・、小さなあたりがあった。
オ 「今、当たりがあったよ」 金 「ちょと待ってよ」
=立てなおし=
【一流し目】・・・・、ノーヒット
【二流し目】・・・・、100mくらいでヒット!
ガツガツ、当たりや!
ドリャドリャとすばやく合わせて巻けるだけ巻く。
振り向くと金城さんがニヤッと笑ってる。
金 「どう、大きい?」
オ 「まだ、解らん」
10mくらいラインが回収できた所で、イソンボのターボが全開になった。
金 「魚らしい魚よ!捕ってよ!」
ドラグ設定6Kgにしていたが、もの凄い勢いでラインが出て行く。
ロッドを45度ぐらいに立て、右手でサミングするが効果なく、ますます速くなる・・・
ドラグノブを一回転締め上げる、これで8Kgの設定になったはずだ。
両手でロッドを溜めて耐える。カマジャ70スパーディープが綺麗に曲がっている。
すでに50mほどラインが出ているか?
少しスピードがゆるくなったので、右手でサミングしながらポンピングに入る。
三回ほどポンピングできたが、再び走り出した。
また、両手でロッドを溜める。10m、20m、30m・・・・止まった。
一気にポンピングで休まず寄せにかかる。200mくらい巻けばいいはずだ。
魚も終始頭を振って抵抗するが、ラインを引き出す程の力は残っていないようだ。
しかし、こちらも、残り100m位でポンピングしていた左手に力が入らない・・・
両手でのポンピングに切り替えた。慎重に寄せる。ヒットしてから5分位たっている。
金 「後、どのくらい?」
オ 「30」  
金 「見えてきたら言って!」
オ 「ラスト10」
ワタ「見えてきました!」
金城さんが操舵室から出てきてギャフを手にする。
魚は船底に入ろうと最後の抵抗を繰り返すが、金城さんのギャフ打ちが決まった。
船べりに寄せられた魚のエラに金城さんが手を入れて船上にずり上げた。
ヒットルアーのクレイジロング270gは真っ二つに折れていた。
オ 「20Kgくらい?」
金 「いや、18Kgあっても19かな」
私が、ボウズを逃れてホットしていると、
金城さんの「次、行くよ」の言葉で、我に帰り、その後何回か流したがノーヒット。
そこで、凪の場所に移動することに。
さすがに凪だとやり易い。
金 「130m」
【一流し目】・・・・ノーヒット
【二流し目】・・・・ノーヒット
そして何流し目かに・・・ヒット!ヒラジグ鰯カラー200gのアシストにフッキング!120mくらいで食ってきた。最初10mくらいドラグが出たが、後は首を振って抵抗しているだけである。
オ 「なんか変やな?イソンボかな?」
金 「違うんじゃない?・・・・・ カンパチや!4kgくらいあるね!」
  「今晩サシミにする?」
オ 「するする」「今日は五目釣りになってきたな?」
金 「一回上がって、夕方、もう一度、大きい奴狙いに岬に行こうね!」
オ 「了解」
三日目午後
午後3時出船して、朝釣れたポイントに入る。
朝と違って二枚潮になっている。波は朝ほどでないが、釣りにくい。
何流し目に私に100mくらいでヒット!
ドラグが少し出て、しばらく首を振って抵抗していたが、後は重いだけだった。
上げて見ると、4kgくらいのイソンボだったが、クレイジーロングジグのアシストフックが口に、トレプルフックがシッポ近くに掛かりギプスのようになって泳げなかったみたいだ。
後は、残念ながらノーヒットだった。
この日の晩の泡盛作戦会議は、カンパチ、カッポレのサシミにイソンボのオオトロのあぶりと豪勢であった。
そして、渡辺君も、泡盛60度を口にしたのは言うまでも無い。そして、泡盛の効果があったのか、次の日は渡部君に当たりがあったのだが、フッキングしなかった。
イソンボは口の周りが堅いので、キハダやメバチみたいに向こう合わせにはなりにくいようだ。強烈に合わせないと刺さらないようだ。
また、いつの日か、夢の50Kgオーバーを求め、再び、このフィールドに帰ってくる事を金城さんに告げ、夢追島を後にした。   
              
おわり 
(Dent@筒井 こと オジンガー)
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