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◎ weekly ヨータ ◎
第3号
May 3rd 1998発行
Yota Serizawa in Austin, Texas, USA
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皆さんこんにちは!きっとこれを目にするのはゴールデンウィーク明けで
しょうね。年度があけてからのGWは楽しみましたか?恐らく今年は、「ゴ
ールデンウィークも仕事だったよ・・・ふう〜・・・」なんて人はいないでしょ
うね。なんたって日本は不況ですから。でもGWの連休はとてもうらやまし
いですよ。こっちは普通の週末ですから。休みくれーーー!!!
〜今週のトピック〜
・車を買おう!(購入編)
<車を買おう!>
今日は先週予告したとおり,実際の購入にあたっての体験をつづっていき
たいと思います。
ここアメリカでは車を買う際に、正直なディーラーを捜すのは至難の技だ
と思っておく方がいいと言われています。実際に僕の場合もセールスとの
かけひきの連続で、英語の不便なこともあいまって非常に疲れる作業で
した。僕が最初にディーラーを訪れたのは初めてAustinにおりたった金曜
日の次の日。前日の晩初めてアメリカの道路をどきどきしながら運転した
疲れがまだ抜けきっていないときでした。とりあえず車を買わなくてはいけ
ない事はわかっていたので、冷やかし半分、小手調べ半分でホンダのディ
ーラーに行ってみたんだけど、店に到着してふらふらしながら車を物色して
いると横に人の気配が・・・「Hi!」。お、来たな!このうそつき野郎め!とか
思いつつ、笑顔でこっちもHello! すると向こうは「今日は何を見に来たんだ
い、ボーイ!」みたいなことを言ってきたもんだから、アメリカの習慣に慣れ
ていない僕は「アー、ウー、あわわわ・・・」としどろもどろ。僕としては(俺のこ
となんかほっといてどっかに行ってくれ!)って思ってたのに、向こうはどうし
ても答えがほしいらしく、もう一度同じ質問をしてくるのです。ただひやかしに
来た僕は、「別に。ただぶらっと・・・」みたいなことを慣れない英語で伝えた
んだけど、「いったいそれはどういう意味だ。おまえはここに車を買いに来た
んじゃないのかい?ヘーイ、ガイ!」と食らいついてくるんです。その後なんと
かしてその場を切り抜けたんですが、まともな対応をできなかった僕は打ち
のめされ、ちょっとの間立ち直れませんでした。でも、経験に勝るものはなし!
次の店からは、ようやくうまいこと相手にすることができるようになりました。
しっかし、どこの店に行ってもセールスマンはピラニアのように食いついて離
れません。日本じゃとても考えられないことです。(日本じゃ車を買いそうには
見られてなかったのかなあー・・・?)最近わかったことなんですが、同じ店の
中でのセールスマン同士の競争はそうとう激しいらしく、いかに利益をあげる
ことができたか、言いかえればどれだけ会社に貢献したかによってボーナス
がガラっと違うそうです。さすが個人競争の国アメリカ!!と納得しながらも
アメリカの会社にいる僕にとっては「明日はわが身」と、ちょっと背筋が寒くな
る話でした。
まあ、初日はどうにかセールスマンに対する対応を学んだわけで、本戦はこ
れからです。まず、車種を決めなくちゃ話になりません(ちゃんと経験から学ん
でいる!)。先週もお話したように、速いクーペでアメリカの大地をかっ飛ばし
たい!っていう憧れがあったため、その方向にターゲットを絞ってミッションに
取り組み始めました。候補はトヨタのセリカかミツビシのエクリプス。僕の場合
2年後に日本に帰ることを前提に、リセールバリューのいい日本車だけを対象
にしたため、はじめっからアメ車は「アウトオブ眼中」でした。で、ディーラーに
行ったわけですが、こちらが身の上話(最近来たばっかりだとか、1ヶ月以内に
車を買わなくちゃいけないだとか)をしたもんだから、こっちの足元を見てなかな
か値引きが進みません。そんな中ミツビシのディーラーでようやくまともに取り合
ってくれるようになったので、ターゲットをエクリプスのターボ(!)にしぼって、何
度か会社が終わってから通いました(こっちのカーディーラーは日曜日に営業し
ていない代わりに、平日は9時ぐらいまでやっている。)。そして先週、「もうこれ以
上まけられない!23000でどうだ!今日契約したらあとちょっとまけてやる!」
ってとこまできたんです。でもセールスの言うことは信用しちゃいけません。「まけ
てもらわなくてもかまわないよ!」と強気の発言をしてその日は帰りました。そして
次の日。その話をアメリカ人にすると、「ちょっと待て、俺が別のディーラーに値段
を聞いてやるから。」と言って電話をすると、なんとあっさり22000ドル。「俺の
交渉はいったいなんだったんだ!?」と思いつつも、昨日の強気の判断にちょっと
ほれぼれ。せっかくセールスマンを信用してたのに!と腹立たしかったので、その
晩もう一度昨日と同じディーラーに行って、「別のディーラーは電話で21000って
言ってたぞ!」って昨日以上の強気の発言(21000なんてうそなのに。)。そしたら
セールスが血相変えて上司のところに走ってって交渉。何分かして、書類を持って
戻ってくると「いいか、ここに書いてある値段がディーラーがメーカーから買っている
値段だぞ!」と言ったので見てみると、21750ドル!その瞬間血の気が引いたね。
(やばい!うそだってことがばれる!)さっきまでの強気の態度が、一気に逆転。
(でもそんなことに気づかれたら足元見られる!)平静を装って「で、お前はいくらで
売るんだ?」ってどきどきしながら尋ねると、「この世の中に物を売って損するやつ
がいるか?俺ならそんな商売やめてタクシードライバーになるね!」と負けを見とめ
た様子。「で、いくらなんだ?」と聞くと、「うちは原価の21750だ。でも、その電話で
の値段は確かか?お前は電話でしか話したことのない奴の言葉を信じるのか?」
と一気に形勢逆転。「そうだよな〜・・・」と追い込まれた振りをしながらも、(どうせ
21000なんてうそなんだし、これだけ値段を下げられたんだからこれでいいか。)
と内心「ほっ」としてサインをするつもりでいました。で、最後の悪あがきとして、まだ
追い込まれて悩んでいる振りをしながら「ほんとにおまえんとこは21000じゃだめ
か?」の一言。すると、「ああこれ以上無理だね。もしその電話の値段を信じて別の
店に行くなら俺たちは黙って見送るよ・・・」と完全に白旗を揚げた様子。この瞬間、
判決は下りました。「オーケー、ビル(セールスの名前)。握手をしようじゃないか!
俺は君を信用するよ。君はほんとに俺のためによくやってくれたよ!」
あとから聞いた話なのですが、セールスの持ってきた書類(正式にはinvoiceと言うら
しい)にも裏があって、実はディーラーはメーカーの出すインボイスの価格に対して、
交渉によってそれより2〜3000ドル安い値段で仕入れているそうです。でも、値引
き交渉で、invoiceまで下げられたら合格点だということなので一応今回の一連の交
渉はまずまず成功だったなと思いました。それにしても、約3週間にわたる交渉は
英語のおぼつかない僕にとって非常に骨の折れる作業でもあり、アメリカ人のセー
ルスのやり方を学ぶ上でもいい経験になりました。
今週はちょっと長くなったけど、どうでしたか?酒のつまみになるような興味深い話
じゃありませんか?ちなみにこのメールは転送大歓迎です。読みたい人は名前と
メールアドレスを書いて僕宛にメールをください。メーリングリストに加えさせてい
た
だきます。
アドレス; yotas@msn.com
それではまた来週!
今日(日曜日)は新車を一日中乗り回していたヨータでした!
お願い;会社の方で、この春に部署が変わってメールアドレスも変わった人の中に
インターネットメールの受信できない方が何人かいらっしゃるようです。お
手数ですが、ちゃんと受信できている方はそういった人たちに転送してあげ
てください。よろしくおねがいします。
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Yota Serizawa 芹澤 洋太
Austin, Texas, USA
e-mail ; yotas@msn.com
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