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                                  ◎ weekly ヨータ ◎
                                           第6号
                 May 24th 1998発行
                       Yota Serizawa in Austin, Texas, USA
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みなさんこんにちは!いかがお過ごしですか?今週末はMemorial Dayと
かいう祝日のため明日も休日。いやっほーう!!日本がゴールデンウィ
ークのときに悔しい思いをしたので、今日はちょっと優越感に浸ってます。
うーん、いいね〜。それでは今日も張り切っていきましょう。

〜今週のトピック〜
・いいことばかりじゃないんだな〜これが・・・
・運転免許の話

<いいことばかりじゃないんだな〜これが・・・>
このWeekly Yotaも今回で6回目の配信になりますが、これまでずっとアメ
リカやAustinの事を誉めるような事ばかり書いてきました。そのせいかどう
か、僕がとてもいい暮らしをしているように思われているようなので、今日
はちょっとほろ苦い現実を綴っていこうと思います。

まず、この話を始める前に知っておかなくてはならないことがひとつありま
す。それはここアメリカの歴史というかなんというか・・・そもそもアメリカは
ご存知のように大昔からアメリカ人が住んでいたのではなく、むしろ比較的
若い国で日本なんかよりずっと歴史の浅い国であることはみなさんご承知
のとおりです。じゃ、昔は誰が住んでたのかというと、日本ではインディアン
と呼ばれる通称Native Americanの居住地であったわけです(国ではない)。
その土地にヨーロッパでの苦しい生活に耐え切れなくなった人間たちが、
新天地での明るい将来を求めて流れ込んできたわけです。つまりアメリカ
を建国したのはヨーロッパにいられなくなった敗者たちであり、現在見られる
世界一の繁栄をなしとげたのも彼らとその子孫たちなのです。個人的には
そのためだと思いますが、常に競争が繰り広げられています。自分の暮らし
は自分自身で作り上げろという国民性や教育方針も元をたどればそこに
いきつくと思います。だからこの国ではいろんな意味で貧富の差が激しい国
だと思います。

とまあ、ちょっとシリアスな話になりましたがここからは肩の力を抜いて、僕が
遭遇した「(チューヤン風に)ナンダヨ〜」と言いたくなるようなことをひとつず
つ書いていきます。

〜お役所仕事
まず、僕が遭遇した第一の困難は役所仕事のお粗末さです。ここアメリカに
来て初めにしなくてはいけないことはSSN(Social Security Number)の取得が
あります。このSSNとは一時期日本の国会でも話題になった「納税者背番号制」
の背番号のことで、アメリカで生活する人間すべてが持っている番号なのです。
(永住権(グリーンカード)とは別物です。)この番号は生活にかかわるすべての
シチュエーションにおいて必要であり、アメリカ生活の基本中の基本になるもの
です。例えば、一番の身分証明書となる運転免許証の取得にも必要だし、キャ
ッシュレスの国らしくクレジットカードや銀行の口座の開設にも必要となってきま
す。要するにアメリカで「普通の」暮らしをするにはなくてはならないものなのです。
僕も例に漏れずSSNの申請をしたわけですが、「すぐ届く。」と言われたSSNが2
週間たっても手元に届かない。このままじゃ生活のセットアップが何にもできない
ので、耐え兼ねて役所に行って聞いてみると散々こ僕のミスを疑った挙句、僕が
2週間前に書いた書類がなんの処理もされずに放置されていたことが判明!
念を押して処理するように言うと悪びれた風でもなく「1週間待て。」。再び、1週間
待ってみる。届かない!きっと郵便局の配達が送れているんだろうと広い心で
待っていたら、結局届いたのはそれから1週間後。つまり、最初の申請から1ヶ月
かかってようやく手にすることができたのです。早い人は1週間で届いているのに!
まあ、僕の運が悪かったとも言えますが、総じてアメリカのお役所で働く人はあま
り優秀ではないそうです(アメリカ人いわく)。もちろん国を動かすような役人は高学
歴の非常に優秀な人が働いていますが、一般的に優秀な人たちはより高収入の
得られる民間企業で働くわけです。ここで先ほど述べた国の歴史にが背景に見え
てくるのです。うまく説明できませんが、自由競争の結果とでも言いましょうか。
ほかにも有名な話では電車、バスの類。時間どおりに来ない、汚いなど日本じゃ
考えられないことがここでは平気で行われているのです。

〜チップ
アメリカに限った話ではないのですが、レストランなどで食事をしたときには食事代
の約15%をチップとして払わなくてはなりません。チップはすべてウェイターの個人的
な収入になるため、彼らはチップを多くもらえるように一生懸命お客さんに尽くします。
「もーいいっちゅうの!」と思えるぐらいしょっちゅう様子を聞きにくることもあります。
これが彼らなりの(結局はタダではないけど)サービスであり、店側はチップがあるため
に給料を安く設定できるわけです。人件費が安く押さえられれば、客側は安い値段で
食事ができるわけで、いいサービスを受けられるわけです。このように、経営者、従業
員、客のトライアングルが成り立っているのです。逆にチップを払わなくていい、マクド
ナルドを代表としたファーストフードでは店の中には平気でごみが散らかっているし
(マジで汚い!)、レジの前で客を長時間待たせることなど日常茶飯事なのです。とても
「スマイル 0円」なんて謳い文句は言えない!では日本はどうでしょう?チップを払わな
くてもいいし、店内もきれい、ウェイターたちもそれなりにサービスをしてくれる。アメリカ
は食事が安いといっても、相対的に量が多いというだけで、結局客が払う額(チップを
除いた額)は日本と対して変わりません。そう考えると日本の社会システムはすばらしく
これもある意味日本の教育システムの賜物といってもいいと思います。なんていい国
なんでしょう!日本で当たり前のことが通用しない。それがアメリカなのです。

〜その他羅列
・SSNの取得が遅れたためにクレジットカードがまともに使えなかった!
 ということはまともに買い物ができなかった。
・ちゃんと申請したのに、銀行のカードの暗証番号が違って登録されていた!
・部屋に備え付けの洗濯機から大量の水が漏れた!しかも一度直し
てもらったのにまた漏れた!
・電話番号が電話会社に教えられた番号と違っていた!
(この問題はただいま格闘中!)
・注文したはずのスモークフィルムが貼られずに車が納車された!
・引越し屋が約束した時間に来なかった!おかげでミーティングに遅れた!
とまあ、書き始めたらきりがない・・・

「芹澤は生活の立ち上がりが一番遅い・・・」と言われるほど、トラブルが
連発して起こってます。これはアメリカが僕にお前は住むなって言ってい
るのかも・・・
でもあとは大幅に遅れたけど運転免許を取ればひと段落です。

<運転免許の話>
実は運転免許の実技試験に落ちました・・・日本人赴任社では初のケ
ースだそうです。こんなことでの「初めて」なんて・・・はずかしい!!
火曜日に再チャレンジです。乞うご期待!

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ちなみにこのメールは転送大歓迎です。読みたい人は名前とメールアド
レスを書いて僕宛にメールをください。メーリングリストに加えさせていた
だきます。
アドレス; yotas@msn.com
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明日は初めての予定のない週末。生活のセットアップもようやく落ち着
いてきたので、明日は引っ越してきて初めてアパートのプールでゆっくり
しようかと思ってます(おいおい、やっぱりいい暮らししてんじゃねーか!)。
それではまた来週!!
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    Yota Serizawa   芹澤 洋太
      Austin, Texas, USA
    e-mail ; yotas@msn.com
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