============================================================
◎ Weekly ヨータ 第20号 ◎
May 16th 1999発行
Yota Serizawa in Austin, Texas, USA
============================================================復活ののろしです。約7ヶ月ぶりにこのwebsiteに手を加えることになりました。遅すぎましたよほんとに。いったい何をしていたのかといったことを、数回に分けて書いていこうと思います。
はっきりいってこの数ヶ月間はいろいろあったようで、何もなかったような よくわからない期間でした。でも、どうしても忘れられないのが、2度にわたる 病気(しかも連発!)でしょう。まずは第1段から・・・
あれはもう半年も前のことです。忘れもしないクリスマスの前の週でした。クリスマスの週は会社がシャットダウン(10日間の休暇)だったのですが、なんだかんだでたいした予定も決まっていなくて、無理矢理スノーボードに行こうといろいろ調べていた頃でした。ある金曜の夕方に右の耳の奥のほうが痛いのに気がつきました。時期が時期だけに風邪をひいたのだろうと思って週末は薬を飲んでおとなしく寝ていたのですが、結局日曜の夜になっても熱が下がらず、月曜日は欠勤して静養したのです。
しかし、火曜日になっても調子がすぐれず、仕方なく(最も行きたくなかった)病院に行くことにしたのです。ただでさえ病院嫌いなのに、アメリカに来てからはじめての病院行きです。行く前に、つらい体を起し辞書とにらめっこです。とにかく関係のありそうな病気用語(って言うのも変ですが)を片っ端からチェックして、会話が出来るように備えていったのです。
向かったのはアパートの近くにある総合病院のER(救急センター)。四苦八苦しながらどうにか風邪の症状を伝え、先生の話を聞くとどうやら風邪だけじゃなく、耳の奥にばい菌がはいり炎症を起こしているとのこと。帰りに薬局で薬を買い、家路に向かいました。
そして翌日の朝です。目が覚めるとなにか様子がおかしいのです。なにかいつもと感じがぜんぜん違ったのです。でもそれがなにかわからないまま顔を洗いに行って、鏡を見てびっくり。自分の顔の右半分が全く動いてないのです。目も口も頬の筋肉も動かしたいのにちっとも動いてくれないんです。何度もがんばって動かそうとしたけど、麻酔が効いたようにびくともしないのです。マッサージしてもダメで、朝一で急いで、ERにまた行ったのでした。
ほんとにあのときほど、いろいろ考えたことはありませんでした。まるで、これで自分の人生が終わったかのように落ちこんだし、とりあえず何をしたらいいのかもわからず、ただただ医者にすがりつくだけでした。
診察の結果、耳の中に入ったばい菌が顔の神経の集中するところの神経を破壊してしまい、顔の右半分の神経を全てだめにしてしまったとのことでした。神経の絵を見せながら丁寧に説明してくれる先生によると、神経が再び成長して元通りになるまで、少なくとも数ヶ月はかかるとのこと。それまでは、笑顔もろくに作れない顔で過ごさなければいけないのでした。
ただでさえ笑顔が大事なアメリカ社会で「ニコ!」と出来ないのは、非常につらいのです。会社の人たちには理由を説明すればわかってもらえるけど、買い物や食事に行ったときに、店員に笑顔を見せられないのは非常に感じが悪いし、向こうもあまりいいようには思ってくれません。あの時は本当につらかったです。出来ることなら、会う人皆に説明したかったぐらいです。結局そんな感じだったので、その後数ヶ月は外に出るのがとても嫌で、くらーい人生の裏街道をあるいていました。
そして現在、医者の言ったように顔の麻痺もほぼ直り、通常どおりの生活を送っています。ただ、その間にももう何度か病院に行きましたけど。別件で・・・(笑)
そのあたりは次回お話します。
Yota Serizawa 芹澤 洋太
Austin, Texas, USA
E-mail ; yotas@msn.com