私、森村あすかといいます。先週田舎から出て来たばかりで、モデルになろうと思って上京しました。でも、幼い頃からバレーボールやバスケットボールばっかやってたから背が伸び過ぎちゃって280cmになってしまったんです。だから事務所に入れてもらえなくって困っています。
このままだったら群馬に帰ってお父さんのこんにゃく畑を手伝うしかないのかなぁと思って朝の街を歩いていると、男の人が近寄ってきました。ファッション雑誌から抜け出てきたようなおしゃれな人で、ひょっとしてモデルのお誘いかなぁと思って振り向くと男の人は名刺を差し出しました。 名刺には『アンドレプロモーション スカウト部 受毛健一』と書いてあります。
「ねえ君。テレビタレントにならないか?」
と、彼は声をかけてきました。よくよく話を聞くと巨大娘として見せ物のように売り出そうという腹づもりのようです。 あきれた私は、故郷の村にはこの程度の身長の女の子はたくさんいると言ってしまいました。実際2m80は大きすぎるのですが、2m40くらいの女の子はいっぱいいます。
「そりゃいい!取材に連れてってくれよ。」
と言われて田舎を出るときお父さんが言った『村の娘がみんな大柄だということは他言するでないぞ』と言う言葉を思い出しました。この人に知られてはいけなかったのです。幸いだれも他に人がいなかったので、私はこの人の口を封じることにしました。私、フトモモの力には自信があるのです。
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