ヒューマン・リーグ
HUMAN LEAGUE
GREATEST HITS 1988 Virgin Records Ltd.
(バンド紹介)
1977年結成。80年代を代表するエレクトロニック・ポップ・バンド。シンセサイザーと打ち込みビートで全世界的なヒットを飛ばした最初のバンドらしい。今となってはほとんど忘れられてしまった存在だが、現在もしぶとく活動を続けているようだ。
う〜んロマンティック
(購入日:1999-XX-XX)
80年代に大活躍したエレクトロニック・ポップ・バンド、ヒューマン・リーグのベスト・アルバム。音はただひたすらスカスカで希薄。でも、それがかえってよかったりする。全体的に気品あふれる大人の上品さが感じられる。「う〜んロマンティック……」と思わずうなってしまいそうだ。これは88年にリリースされたものだが、今店頭に並んでいるベスト・アルバムは、これとは少し内容が異なっている。ジャケットは白と黒を基調としたシンプルなもの。男一人に女二人という、かなりめずらしいバンド構成である。ゲイ一人、レズビアン二人(恋人同士)のバンドなのだろうと、私は勝手に解釈している。違っていたらゴメンなさい。なにはともあれ、このバンドにはこういった白と黒がよく似合う。中ジャケもなかなかの出来。バンドのイメージをうまく表現している。
01.MIRROR MAN 1982 (3:51)
01.(OAKEY/CALIS/BARDEN)
スカスカのシンセが響き、「Woo...Woo...Woo...」と女性ボーカルが入ったら、そこはもうヒューマン・リーグの音世界。1曲目にふさわしい軽快な曲。02.(KEEP FEELING)PASCINATION 1983 (3:44)
02.(CALIS/OAKEY)
ちょっと間違えばすごくカッコ悪いペラペラなシンセ音なんだけど、しっかりとセンス良くまとめられている。1曲目と同様に軽快な曲である。03.THE SOUND OF CROWD 1981
03.(BARDEN/OAKEY)
淡白で薄暗いビートが時代を感じさせる曲。当時はこんな曲でみんな踊っていたんだよな。惜しくも全英Top10ヒットは逃す。04.THE LEBANON 1984 (3:44)
04.(CALIS/OAKEY)
ヒューマン・リーグにしてはけっこう力強い曲。もちろんメロディーは美しい。05.HUMAN 1986 (3:48)
05.(JAMES HARRIS V/TERRY LEWIS)
ロマンティックで繊細な曲。全米でNo.1ヒットになったというのがちょっと意外な感じがする。いい曲であることは間違いない。06.DON'T YOU WON'T ME 1981 (3:58)
06.(CALIS/OAKEY/WRIGHT)
泣く子も黙る全米・全英(つまり全世界)No.1ヒット。ロマンティックで切ないメロディーに、重苦しいビートがからみつく文句なしの名曲。やっぱりこの曲だけ傑出している。07BEING BOILED 1978 (3:39)
07.(OAKEY/WARE/MARSH)
彼らの最初のヒット曲。全英Top50以内に食い込む。暗く重たい雰囲気で、クラフトワークから脈々と続くテクノの伝統を受け継いだ一曲といえる。08.LOVE ACTION(I BELIEVE IN LOVE) 1981 (3:51)
08.(BARDEN/OAKEY)
全英チャートNo.3ヒット。レトロ・フューチャーな雰囲気がたまらない。09.LOUIS 1984
09.(CALIS/OAKEY/WRIGHT)
めずらしくほのぼのした感じの曲。いい曲だと思う。10.OPEN YOUR HEART 1981
10.(OAKEY/CALIS)
この曲もヒットしたらしい。この曲もレトロ・フューチャーな雰囲気が漂う。11.LOVE IS ALL THAT MATTERS 1986
11.(JAMES HARRIS V/TERRY LEWIS)
このアルバムの中では一番力強い曲。歌い方がなんかブライアン・フェリーそっくりである。よく見たら風貌もけっこう似ているな。意識していたのだろうか? 妙に哀愁が漂うところがマル。12.LIFE ON YOUR OWN 1984
12.(CALIS/OAKEY/WRIGHT)
特に可もなく不可もないこの曲で、このベスト・アルバムは幕を閉じる。音がスカスカで薄っぺらい分、メロディーで勝負しているバンドだけに、なかなかいい曲がそろっている。たいしたヒット曲もないせに「ベスト」と書かれてあるインチキくさいベスト・アルバムってけっこうあるんだけど、その点、このアルバムは、ちゃんと世界的にヒットした曲でいっぱいなのがうれしい。コンパクトによくまとまった良質なベスト・アルバムといえる。末永く愛聴できることは間違いなし。しかし、イマイチ派手さがないし、風貌も独特なので、人によっては好き嫌いが分かれるところだろう。
ところで、これけっこう新しいアルバム(1997年)なんだけど、みなさん年をとって器量が落ちましたねえ……
オリジナル・アルバムはおそらく買わないと思いますが、ヒューマン・リーグにはいつまでもがんばってくださいとエールを送りたい。(Psyc)