MORIVER'S SWEETEST DIARY (37) 更新日記 (37)

1月 25日(日) 未知との遭遇は男のロマンか?
1月 26日(月) 全ファイルindex
1月 27日(火) 書けない/レディ・ジョーカー読了
1月 28日(水) カップヌードル
1月 29日(木) 3月号読感書いた
1月 30日(金) わたしが・棄てた・女
1月 31日(土) パンダ襲来/パーマン・リンク大更新



1998年1月 31日 (土)  パンダと呑んでいた。パンダは生中のジョッキを空けている。僕は、ナンコ ツの串焼きをぼりぼりと噛み砕いていた。  呑むのも飽きてお茶を飲んでいた。本当にアイス抹茶を飲んでいた。話は、 髪の生え際がどうというものになった。そんなにひどいのか、とパンダは聞く ので僕は立ち上がって、カウンターの近くにあった鏡の前に立った。立った、 つもりだった。立ったつもりで髪の毛を上げて生え際を見ようとした。しかし、 見えなかった。見えたのはラーメンをすする灰色のスーツを来たサラリーマン 風の男だけだった。マジックミラーでは無い。透過度100%近いガラス窓だっ た。パンダが悪魔のような笑い声をあげていた。  僕がウクレレをやっていると聞いたパンダは、何か作曲しろと命令した。題 名は「菜の花ルンバ」と「すみれルンルン」だと注文した。ちなみに、僕はや っと幾つかのコードを覚えたばかりだ。無理だと言うとならば作詞から始めろ と言った。そして、さっきの鏡の事は日記にも書いておけ。ちゃんとパンダと 会ったとはっきり記せと告げて去っていった。  そんなわけで今僕はこれを書いている。作詞はまだできていない。 ***  パーマンリンクを整理した。最近、「リスト」というHTMLタグを多用してい る。うまくつかうとなかなか見栄えがよい。藤子不二雄メーリングリストのリ ンクと藤子漫画出版署名運動にもリンクした。  それだけでは淋しい気がしたので、前々から計画していた「攻撃的パーマン リンク」というのも作った。検索エンジンでパーマンを入れて出てきたページ を一方的にリンクするというものだ。ブックマークにも幾つかその手のページ があったがgooを使って新たに2時間ほど探索してリストを作った。どうしよう も無いものを削っても40ぐらいあった。そのままコメント抜きでアップしてあ る。やばいページも紛れているがこれもパーマンの幅の広さということで勘弁 願いたい。  他にもこんなくだらないページがあったというご報告があればリンクしたい と思っております。  リンクを更新しながら、そろそろエヴァとドラクエのリンクも直さねば、い や、その前に連載の更新をせねば、など色々考えていた。本当に力尽きる前、 に。 (18:52)
1998年1月 30日 (金)  昨日は泣いていた。  遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」を読んでいた。  もう題名からしてやばそうなのだが、気になっていた本なのでつい買ってき てしまったのだ。  で、読み始めたのだが、初っぱなから「うっ」と来た。  一応戦後まだ2年目ぐらいの東京に住む貧乏大学生の話なのだが、時代はこ の際どうでもいい。単に作者の若い頃に、時代を合わせただけなのだろう。  軽小説というふれこみなので、タッチは最初、滑稽な感じである。いきなり 友人と二人小汚いアパートで、パンツやシャツを汚れを気にしつつ時折裏返し ながら、しかも時に共有しちゃうような生活をしているシーンが続き、ここで は大いに笑える。  そんな訳で金が無いので怪しげなバイト(ほとんどサギに近い)などしたり するのだが、とにかく女の子と出逢いが無い。ある日拾ってきた雑誌(!)の 文通欄にあった映画好きという女の子に手紙を書いてみることにした。返事が ある。同室の友人がのぞき込んで笑い出すような頭の悪そうな文面だったが、 とりあえず会おうということになる。  そして当日。駅で待っていると、遠くからなにやらそれらしき女の子二人組 がやってくる。安っぽいセーターに黒いスカート。三つ編みした太った団子鼻 の女の子と、それに隠れるように近づく似た格好の女の子。覚悟していたとは 言え早くも後悔する主人公(ああ……)。  それでも後ろの子の方がまだマシかな、なんて考えていると文通の相手はそ の三つ編みの子の方だった。どうでもいいような気もするが、とりあえず行き つけの飲み屋(時代が時代なので「歌声酒場」)につれてゆく。女の子はあま りこういう所に来たことが無いようで緊張している。その上、すぐに便所はど こかと汗をかきかき言ってくる。しばし固まる主人公。そこへ顔見知りの大学 生がにやにやした顔を近づいてきて、どうせやっちゃうんだろう、ここのカク テルを飲ませるのが一番だ、と勝手に注文してゆく。カクテルと言っても実は、 焼酎のサイダー割り(つまりサワーだね)なのだが、女の子はなにやら高そう なものが出てきたと、飲み干す。  勝手に楽しそうになっている酔った女の子と店を出る。主人公の頭にはもう 一つのことしかない。とにかく元をとろう。しかし女の子は主人公が苦学生と 知り、さっきの支払いの分を割り勘にしようと言ってくる。明日から生活大変 でしょ……。断ってはみるが、結局主人公は受け取ってしまう。  いきなり「好きになったんだ」と、のたまい始める主人公。駅はこっち?  などという女の子を連れて同伴旅館の前に立ち「入ろう」と言う。いや、いや だ、こわいよ、と言う彼女に好きになったんだ、好きになったから一緒に歩い てるんじゃないか、君は僕のこと好きじゃないのか、と責める。好きよ、でも、 帰ろうよと騒ぐ彼女。結局、主人公はどうでもよくなり、そうか君は僕のこと は好きじゃないんだなと去ろうとする。しかし、そこで急に子供の頃にやった 小児麻痺の後遺症で体にしびれが来てうずくまる。同情する彼女。そして、あ んなとこ前にも言ったの? と尋ねてくる。  「そんなはず無いじゃないか、ただ、君が僕の事好きだっていうから、ああ、 そうか、と思って……」主人公は言う。  すると彼女は。  「そうだったん……そんなら……そんなら連れてって」(ああ……)  しかしどうでもよくなってきた主人公は彼女は追い返そうとする。彼女は彼 女でどうやったら慰めていいのか分からないよ、とおろおろする。結局、その 日はそのまま別れる。  しかし、結局、次の週の再会でいきなり主人公は彼女を連れ込み、彼女の同 情を引くために「淋しいんだ」を連発して押し倒してしまう。乳首に毛が二本 ……。そして主人公は全てが済むと何もかもが嫌になりそのまま去る。もう二 度と会いたくも無いと思いながら。でも、こんなの誰だってそういうもんだろ う……。 ***  視点は彼女のものになる。彼女の生活。映画俳優などにあこがれながら工場 で働いている日々。今までは興味も無かったが、高いカーディガンほしさに夜 勤も頑張っちゃう。しかし極度に人の良い彼女は同情した工場の知り合いの人 にお金を貸してしまったりする。ま、しょうがないか、と……。  そんなこんなで主人公からの連絡を待つが音沙汰無し。仕方なしにアパート へ行くと既に引っ越した後。行方は知らず。   ***  主人公は就職して、職場の同僚とつきあい始める。一方、女は人の良さもあ って、あちこちで他人の泥をかぶって仕事を追われてゆく。しかし、あんまり めげた様子も無く、時折、主人公のことを思い出したりしている。だが、以前 より気になっていた皮膚の斑点を見にもらいに病院へ行くと当時は治癒不可能 だったハンセン病だと告げられ、隔離施設へ入るように言われる……。 ***  今気付いたのですが筋だけ追っているとありがちな話に見えますね。しかし、 ありがちな分だけ、なんというか、他人事ではなくつらい。主人公の男が特に 悪い奴でもなくどちらかというと普通の共感できる部分もある人物だけに、読 んでいてもだえ死にそうになった。そして段々と分かってくる女の子のけなげ さに……ああ……。  別にどっちが幸福だ不幸だなんて言う気も無いし、そんなことは分からない のだけれどもひたすら悲しくなって、自分の過去とか振り返ってみたり、何度 も頭の中で自爆スイッチを押したりしていた。今さらこんなけなげな子いるわ けないじゃん、とか、いや逆の立場だったらとか、うなってもみた。どうした らいいのかねえ遠藤先生。もう死んじゃってますから聞けませんけど……。 ***  てなことを書いているとテレビで石ノ森章太郎死去のニュース。本当にここ 数年、大御所が次々去って行く。どういうことだ。これが世紀末ということな のか。1999年7の月まであと19ヶ月。本当に滅亡したらどうしましょう。まあ、 みんな滅亡しちゃうんだったら関係ないか。問題は下手に生き残った場合なわ けで(^-^; (16:24)
1998年1月 29日 (木)  月刊少年エース3月号読感が書き上がる。気が付いたら今までで一番長い読 感になっていた。書くことが無いと思っていても書いてみると意外に書けてし まうものだ。自分でもびっくりである。  しかし、そのうちネタがだぶりそうなのが怖い。同じ事を繰り返していたら イヤだなと前のものまで読み返していたらまた時間を喰う。  今朝は寒いですね。とにかく一眠りします。なんか人肌恋しい(涙)。  ……感想ください。うう。  でわ。 (1/29 8:03)
1998年1月 28日 (水)  仕方なくこの日の夕方頃から読感を書き始める。  結局徹夜する。 ***  久々に本家本元のカップヌードルを食べる。結構うまかった。 (1/29 7:28)
1998年1月 27日 (火)  エース読感。書かねばと思うと書けない。各シーンの説明を書いた所で、力 尽きたまま言葉が浮かばない。適当に書けばいいのだと自分に言い聞かせては 見るものの。「読めば分かるでしょ」ということぐらいしか思いつかない。思 案したまま二日目の今日を迎える。書けるか自信が無い。 ***  なんて言っている間に高村薫の「レディー・ジョーカー」を読む。実に親父 くさい物語だ。登場人物の平均年齢は40以上あるのではなかろうか。女の描写 が異様に少ない。これじゃやおいになっちゃうよ、なんて思いながら読んでい たら本当にそんな感じになってきて思わずうなった。  出てくるキーワードはとにかくシビア。同和問題、差別、総会屋、政治家、 大企業、新聞社、警察汚職、在日朝鮮人……。  しかし、全てがリアルなので疑問は無い。ただ、経済問題の話が多くて理解 は難しい。その他、競馬のシーンなども飛ばし読みしていた。物語は基本的に 「グリコ・森永事件」を下敷きにしている。ただし脅される企業を架空の(と 言ってもモデルは明らかだが)ビール会社に変更してある。また、この競馬に ビールというのが親父くささに拍車をかける。  思う所も多々あったが、分厚いだけあって読み応えはあった。一気に読ませ られる。高村薫の他の本も読みたくなる。 ***  とりあえず寝よう。また明日考えよう。 (1/28 4:48)
1998年1月 26日 (月)  ながらく放っておいた全ファイル一覧indexを仕上げる。  前は全ファイル一覧をindexにつくっていた。もう大分前のような気もする。 ともかく、これで初めてこのサイトを訪れた人にも、全体として何をやってい るのかがわかりやすくなったと思う。そういえば、もう2メガは越えた。ちょ こちょことしか書いていないわりにはたまったものだ。 ***  あれ、もしかして今日エース発売日? ちょっと本屋見てくるか。 (10:48)
1998年1月 25日 (日)  大学の時の友達と飲みに行っていた。終電前には帰ってきたのだがあまりの 眠さにそのままページの更新もせずに寝てしまう。 ***  飲みの席で友人が「見たことはないけれども話しを聞く限りでは『未知との 遭遇』の物語はチープだ。宇宙人がやってきて、それをおいかけて、最後に出 会うなんて『男のロマン』なんかじゃない」と言うので口論になった。  「理由は他人には説明できないのだけれども、家族も仕事も捨ててつっぱっ してしまうところが男のロマンだろ」  と反論するも、  「そんなもん、捨てたからって安易に夢がかなう、なんてするのは馬鹿馬鹿 しい」ととりつくしまが無い。  映画自体を見ていないから話は平行線なのは分かっていた。  しょうがないので、方向性を変えて、  「じゃあ宮崎駿の『耳をすませば』は?」と尋ねた。  すると、  「ああ、あれはいいね。最高だよ。あれで感動しないやつはくずだね」  と、のたまう。  何がちがうんだ、とさらにつっこむと。  「宇宙人と会うってほど、大それた夢じゃないのがよい」との答え。  まあ、いいか、と納得することにした。ちなみに私にとっての『耳をすませ ば』はボディブローをくらったのごときインパクトがあった。身につまされる というのか。見終わった直後の感想。『あんたらすげえよ』。今もそう思う。  ところで、その飲みの席で初めて、耳をすませばの監督をした近藤喜文さん が亡くなったという話を聞いた。本当なのだろうか。だとしたら残念限りない。 (1/26 10:39)

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