更新日記 (66)
2月 19日(金) ページの行く末/LAコンフィデンシャル
2月 27日(金) 同盟改造/読み物リンク集/スワロウテイル/ドラクエ日記37日目
1999年2月 19日 (金)
「最近、おまえのページ、閑散としているのな」
と二ヶ月ぶりに会った友人Sはダブルチーズバーガーを手に言った。
実際、最近手を加えたのは、ジヲシティーズ同盟のログの整理と、新しい掲
示板への付け替えぐらいのものだった。どれも、更新というレベルのものでは
ない。唯一の読み物らしき日記すらも、一週間は御無沙汰という次第である。
「まあ、やるべき方をやってるってことだから、それもいいだけどな」
と一応のフォローはあったものの、なんとも中途半端なページ運営である印
象はぬぐいきれない。
インターネットに接続し、自分でもホームページを持つようになって2年
目。いったい幾つものページが閉鎖されてゆくのを見てきたことか。リニュー
アルという形のものを含めれば、その数は知り合ったページの半数にも及ぶ。
ウィンドウズ95の発売直後は、インターネットはまだブレイク前夜といった
状態だった。ネットと言えば、ニフティなどパソコン通信の方の案内の方が多
かったと覚えている。
しかし、世界中のコンピューターを専用線で二十四時間接続しっぱなしとい
うインターネットの方が便利なのは明らか、ということで一気にブレイク。就
職活動もネットを通じてというのが当たり前になって、会社もインターネット
技術を応用したイントラネットを導入、個人の連絡もメールでというのが流行
を超えて定着しつつある。
そんな中で個人ページというのがどうなってゆくのか、正直さっぱりわから
ない。大資本が投入されたページ、例えばyahooや、isize(元あちゃらなび、
じゃまーる)などは、ポータルサイトとしての洗練度がどんどん増してゆき、
ウェブでよく利用されているサービス(ニュース、株価、駅検索、各種掲示
板、旅行・映画情報などなど)などを一手に引き受け始めている。
読み物にしても、個人ページでの面白い書き手は確かにいるものの、文章の
訓練度がある人、無い人の差があるのは、やはり読んでいてはっきり分かるの
だ。素人くささで面白いというのはもはや才能なので、そう滅多にあるもので
は無い。
やはり自分をさらけ出してゆくのが個人ページの方向性なのかなあ、とも思
う今日、この頃。しかし、これがまた大変なんですけどね。
***
もう何日も前だが、新しくできた近所のレンタルビデオ屋に行ったら、「LA
コンフィデンシャル」があったので反射的に借りてきてしまった。
面白い。
というか、見終わった後に心にずっしり残る。
舞台は1950年代のロス。3人の刑事が主人公。ゴシップ写真週刊誌から金を
もらい、記事のネタを提供し、刑事ドラマの顧問にもなっているパフォーマン
ス型のベテラン刑事。女性が男に虐待されていると頭が切れて救い出す、しか
し上司に言われれば汚い任務にも平気でつく熱血漢。殉職した刑事を父に持つ
正論ばかりを吐きながらも、確実に出世の道をねらうクールなおぼっちゃま刑
事。
彼らが、死んだマフィアのボスの後がまを狙う巨悪に翻弄されながら、立ち
向かうというのがストーリーの主軸。ポイントは、悪人はもうどうしようもな
く悪人なのだが、主人公たちも上の紹介で分かるように「正義の味方」という
にはややはばかれるような性格であるということ。
それゆえに、最低限の人間として守るべきもの、というものの意味を深く考
えてしまう。
映画の中のロス市警の方々は、悪人どもを平気で殺してしまう。問答無用で
撃ち殺し、正当防衛であるように工作する。主人公からしてそうだ。もっと
も、そういうことを望んでいるのは、市民意識の方なのだ。時代劇の世界では
いつだって、悪は抹殺されるのを望んでいる。なのに、この映画の中では、行
動としては、まさしく同じなのに、なんとも醜悪だ。
主人公たちも結構悪でしたたかだ。だが、本当の悪人と違うのは、時々正義
に目覚めるいうこと。つまり、本当の悪人は、もう悪の中の悪で、行動的に正
義に見えることも全て計算の上ということ。甘いことを抜かすやつは死あるの
み。
そしてこれがおそらく現実の姿なのだ。故に重い。
こういう物の見方に、反発する方もいそうな気はするが、作品としての出来
は最高によくまずミステリーとして面白い。そして、誰だってやましいことが
無いはずも無く、悪っぽい所もある主人公にだってしっかり感情移入ができる
のである。何と言ってもみんなタフだ。まさにハードボイルド。久々に、映画
を見てよかった、と感じた。
(2/20 7:28)
1999年2月 27日 (金)
気が付くともう、2月も終わり。
今日は、ジヲシィテーズ同盟の看板ページを更新。普段よく使うページをブ
ックマーク代わりに、配置してみる。
以前見つけて面白いなと思ったものの、リンク集にして整理するのも何だな
というページは案外多い。忘れないように、とテキストファイルにして保存は
しておくのだが、そのまま存在自体を忘れてしまう場合も多い。
忘れてしまうぐらいだから、とりたてて重要なページではもちろん無いわけ
なのだが、たまに見返してみるとまた、これがなかなか面白い。特に、読み物
系のページは、幾つかお勧めも無いでは無い。
・MSN ニュース&ジャーナル
http://news.jp.msn.com/default.asp
有名なので知っている方も多いとは思う。粒ぞろいのコラムがそろってる。
更新の頻繁なので定期的に訪れては、たまったバックナンバーを読むのが楽
しみ。
・映画瓦版
http://www.hi-ho.ne.jp/hattori-k/index.html
ここも有名。劇場で公開された映画についての、レビューが満載。文章の硬
度の高さからみて、恐らくプロのライターか編集者の人だと思うものの、詳細
は不明。
・団藤保晴の記者コラム「インターネットで読み解く!」
http://www.alles.or.jp/~dando/index.htm
本物の新聞記者だけあって、文章の練りあがり度は高い。先日の日記にも書
いたことだが、やはりプロの訓練を受けた人とそうでない人の間には、読み易
さにおいて明らかな差がある。
・萬晩報
http://village.infoweb.ne.jp/~fwgc0017/yorozu.htm
ジャーナリズムに関わる人によるオンラインコラム雑誌という趣。爆発的に
面白いというわけではないものの、社会派なので、扱っている内容の幅も大き
いので、時折チェックしている。
・テキスト王
http://www.pluto.dti.ne.jp/~kudok/index.htm
Yahooの今週のお勧めで、紹介されてみつけたページ。久々に今日訪れてみ
たところ、なんとそれがきっかけで、小説家デビューしてしまったと書いてあ
る。私はその小説は読んでいないのですが、日記とエッセイは面白い。『あり
がち失恋パターンを研究する 「ZEROの法則」』は特に好きだ。文章系サ
イトについての考察にもうなずくところ大。
ほか、アダルト系のものでも面白いページはあるのですが、さすがにここに
書くのははばかれるので、興味ある方はメールにてご連絡ください。
***
岩井俊二の「スワロウテイル」を見る。
正直なところ、あまり感情移入できなかった。まったくつまらないという訳
でもなく、映像的な部分でははっとする所は多々あった。しかし、私として
は、いわゆる「つぼ」に入ることは無かった。
物語は、イェンタウンというおそらく日本であるらしき国にある外国人労働
者が住む架空の街を舞台にしている。中国系の娼婦を母に持つ、娘アゲハが、
やはり娼婦のグリコと共に、偶然見つけることとなる偽札のデータが入った
テープによって運命が変わってゆく……というような内容。
全編通して、イメージの集まりという印象が強く、ストーリーはほとんど夢
の中の出来事のように希薄で、要約したとたんに、違う物語になってしまいそ
うだ。つまり、ストーリーはイメージを見せるためのおまけ、つくねのつなぎ
みたいなものに過ぎない。
最初、自分の名前すら無い主人公のアゲハが、さまざまな経験を重ねてゆく
うちに「自分」というものを形つくってゆく……と説明することは一応でき
る。しかし、映画の中で興味深いのはそんな所よりも、桃井かおりが演じる、
雑誌記者だったり、無茶なほどに頭がよくって強いクールな殺し屋だったり
する。
一番気になったのは、現在(らしい)日本の風景が出てくるところ。秋葉原
や、芸能界関係者、その他道路、自動販売機などなど。
イェンタウンは、どうも埋め立て地のような荒れ地にあるようなのだ。アヘ
ン窟まであったりする。イメージとしては一昔前の上海か香港。そこは完全な
現実とは離れた異世界と見ること無しには正直混乱がおきる。また、そこが新
宿でも新大久保でも無く、イェンタウンだからこそ、好きに監督はイメージを
膨らませ、また、ファンタジーだからこそ本質的な物語を語れるのだとも思
う。
けれども、それならば日本(らしき)風景の場面も、例えば昭和30年代風
にするとか、逆に近未来風にするとか、何か「見慣れているのだけど、ちょっ
と違う世界」という演出を徹底して欲しかった。
岩井俊二の作品でも「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」
や「Love Letter」は好きだし、幾つか手がけたというミュージックビデオも
よいと思った。それ故にこの心に感じる違和感は何なのか。あまりにも自主
映画すぎるのが、かんに障ったということなのだろうか。時間をおいて見直せ
ばまた何か感じるのかもしれない、と今は思っている。
***
ドラクエ日記37日目を更新。もうすぐ終わりだ。
(2:49)
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