Egogram Check List
Egogram Check List (はい→2点 どちらともいえない→1点 いいえ→0点) 解説へ
CP
- 人の話をさえぎって自分の考えをのべることがありますか。
- 他人をきびしく批判する方ですか。
- 待ち合わせの時間を厳守しますか。
- 理想を持って、その実現に努力しますか。
- 社会の規則、倫理、道徳などを重視しますか。
- 責任感を強く人に要求しますか。
- 小さな父性でもうやむやにしない方ですか。
- 子供や部下を厳しく教育しますか。
- 権利を主張する前に義務を果たしますか。
- 「〜すべきである」「〜ねばならない」という言い方をよくしますか。
NP
- 他人に対して思いやりの気持ちが強い方ですか。
- 義理と人情を重視しますか。
- 相手の調書に良く気がつく方ですか。
- 他人からたのまれたらイヤとは言えない方ですか。
- 子供や他人の世話をするのが好きですか。
- 融通がきく方ですか。
- 子供や部下の失敗に寛大ですか。
- 相手の話に耳を傾け、共感する方ですか。
- 料理、洗濯、掃除などの好きな方ですか。
- 社会奉仕的な仕事に参加する事が好きな方ですか。
A
- 自分の損得を考えて行動する方ですか。
- 会話で感情的になることは少ないですか。
- 物事を分析的によく考えてから決めますか。
- 他人の意見は賛否両論を聞き、参考にしますか。
- 何事も事実に基づいて判断しますか。
- 情緒的というより、むしろ理論的な方ですか。
- 物事の判断を苦労せずに、すばやくできますか。
- 能力的にテキパキと仕事を片づけていく方ですか。
- 先(将来)のことを冷静に予測して行動しますか。
- 身体の調子が悪い時は、自重して無理を避けますか。
FC
- 自分をわがままだと思いますか。
- 好奇心が強い方ですか。
- 娯楽、食べ物など満足するまで求めますか。
- 言いたいことを遠慮なく言ってしまう方ですか。
- 欲しいものは手に入れないと気が済まない方ですか。
- "わあ"、"すごい"、"へえー"など感嘆詞をよく使う方ですか。
- 直感で判断する方ですか。
- 興にのると度をこし、はめをはずしてしまいますか。
- 怒りっぽい方ですか。
- 涙もろい方ですか。
AC
- 思っていることを口に出せない性質ですか。
- 人から気に入られたいと思いますか。
- 遠慮がちで消極的な方ですか。
- 自分の考えを通すより、妥協することが多いですか。
- 他人の顔色や、言うことが気にかかりますか。
- つらい時には、我慢してしまう方ですか。
- 他人の期待にそうよう、過剰な努力をしますか。
- 自分の感情を抑えてしまう方ですか。
- 劣等感が強い方ですか。
- 現在「自分らしい自分」「本当の自分」から離れている思いますか。
※それぞれの数値をCP・NP・A・FC・AC毎に合計する。
上のランクづけは大体の目安。
解説
[1]エゴグラムとは
- エゴグラムとは人に対する接し方のパターンを数値として現したものである。
このエゴグラムは交流分析(Transactional Analysis)という精神分析の流れを組む理論に基づいている。
- 交流分析によれば、人には大別して3つの心の動きがあるという。すなわち(1)親心(Parent)、(2)大人心(Adult)、(3)子供心(Child)の3つである。
- 人は、他人と接する時にこの3つの心の出し入れをしているとされる。例えば、親や教師や年長者が、子供や生徒や年下の者に接する時には多く親心(P)を発揮し、それを受け入れている時には子供心(C)を出している。また、初対面の相手同士や、商売の話、共同作業を行っている場合は、互いに大人心(A)を出しあっていると考えられる。時には、親心(P)を出しているふりをして実は裏で計算をしている場合(大人心の発揮(A))もあるだろう。
- 親心(P)はさらに「父親的親心(Critical Parent,CP)」と「母親的親心(Nurturing Parent,NP)」に別れる。大雑把に言えばCPは厳しさを、NPは優しさを意味する。
- 子供心(C)もやはり「自由な子供(Free Child,FC)」と「従順な子供(Adapted Child)」に別れ、FCはわがままさ、創造性を、ACはいい子さ、優等生さなどを表す。
- 大人心(A)は損得感情や現実判断をなどの働きを意味する。これが弱いと気が利かない人、馬鹿正直な人ということになる。大人心、子供心の出し入れを調整するのも大人心の働きの一つである。
[2]エゴグラムの見方
- エゴグラムはその人の対人関係のパターンを示すものだから、接する相手や環境によっても当然、変化する。時を経てエゴグラムが変わることもよくある。ただし、そのバランスの具合から基本的な性格を或る程度は類推することができる。
- 例をあげる。テストの結果「CP=6、NP=12、A=17、FC=13、AC=12」と出たとする。
- 一見してAの値が高く、CPの値が低いことが目立つ。CPの弱さは、他人に価値観を押しつけることが無い反面、毅然さが無くかなりの無責任さを人に感じさせる。ただし、Aの値が飛び抜けて高いことから本人はこのことを熟知していると思われる。またそのために計算高く、やや人情味の乏しい人物とも見られがちとも想像できる。
- その他の数値は平均だが、Pの合計が18、Cの合計が25であることから、現時点では全体的に、子供っぽさが目立つ人物と言えよう。このようなPの値が低く、Cの値が高い人物は一般に、周囲に息苦しさを感じさせている可能性がある。NPの値が一応平均なので人並みの気遣いはできるが、CPの弱さからくる優柔不断さが不安感を相手に与えていると考えるべきである。
- ちなみに以上は最近の私自身のテスト結果である。1年前にはCPは15以上あり、全体的数値も高かった。平均してNPとAがやや高い所は変わらない。CPの低下は価値観の揺れが生じたことを表しているとも考えられる。今後はこのCPの発揮ができるよう、現時点でもあるであろう責任の自覚が必要と考える。
- もう一例あげる。結果は「CP=8、NP=14、A=10、FC=17、AC=6」であった。
- CPとACの値の低さと、FCの値の高さが目立つ。FCが高く、ACが低いということは、自分の我が儘は通そうとするが、他人からの命令には全く従おうとしない傾向を表す。また、CPも低いので他人に自分の価値観を押しつけようとはしない。
- ただし、NPの値は高く面倒見はよい。命令では無く、お願いされると引き受けてしまいやすいのかもしれない。
- Pの合計は22、Cの合計は23とバランスはよい。FCの強さをNPをカバーし、回りとの調和はうまい。
- 課題としてはAの弱さがあげられる。周囲とのバランスの取りが無意識で行われているため、何か事が生じるとそのバランスが崩れる可能性がある。特にACが弱くFCが高いので時折、自分の我が儘を通そうとしてしまい、後で後悔(NPの働き)することもあると考えらえる。
- 以上は私の妹(高校2年生)の結果である。ちなみに、以上の分析を本人に伝えると非常に怒った。頼まれてもいない人の分析を勝手に行うのは失礼な行為ですので、注意しましょう。
[3]参考
P・A・Cを職業のイメージで表すと以下の通りである。
- CP 校長・軍人・警察官・スポーツマン・政治家
- NP 保母・美術教師・看護婦・カウンセラー・医師
- A 技師・物理学者・統計学者・化学者・セールスマン・税務署員・都市計画者
- FC 俳優・歌手・舞踏家・音楽家・芸術家
- AC 秘書・タイピスト・ウェイトレス・司書・家政婦
[4]エゴグラムの問題点
- 交流分析は、自身にある五つの心に気づき、場に応じそれを適切に発揮できる人物を理想とするので、一応全ての値が高いことが望まれる。しかし、Aがその他の心をコントロールするものと考えるため、どうしてもA(意識できる心、自我)の働きを重視してしまい、表層的な判断しかできない場合がある。エゴグラムが時に大きく変化するのもそのためである。
- エゴグラムには設問に答えた人の自己イメージのみが現れる場合が多い。自分が記憶している行動に基づいて判断が下されるからである。そのため、結果に本人は納得しても、他人から診断されたエゴグラム(設問に答えるのは必ずしも本人でなくともよい)とは齟齬が生じる場合がある。従って、エゴグラムは変化することを念頭におき、あくまで自己分析のための目安・参考とするにとどめるのがよい。
- 交流分析は、個人の対人関係の傾向(性格論)を扱うため、企業などでも積極的に取り入れられたりと浸透しつつもあるが、元は多くの精神分析系心理学と同様、カウンセリングや心理療法のための理論として発達したものである。その為、あくまでその理論も経験から汲み上げられた仮説に過ぎないという事実も重要である。
- また交流分析に基づいたエンカウンター・グループ(心理療法の一種)の知識の一部が悪質な自己啓発セミナーに利用されたという経緯もある。エゴグラムについても充分取り扱いに注意し、信じすぎないことが肝要である。
[5]リンク
- TAネットワーク
交流分析の研究者の集まりのサイト。専門的なことはこちらにて。
- MIND TEST
CGIを使ったエゴグラム診断テストがある。設問がランダムなのがよい。用語解説も必読。
- 福島寛 プロフィール
上のエゴグラムのチェックテストは福島氏の著作から無断転載させていただいた。陳謝。
※以上、本文については「カウンセリングの理論(国分康隆著 誠信書房)」を参考にさせていただきました。
文責:Nobuhiro Morikawa(moriver@geocities.co.jp)
last up date 1998/02/04(since 1998/02/02)
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