その後のエヴァ日記(1)映画前夜

(1998/02/03)


「彼女というのは遙か彼方の女と書く。女性は向こう岸の存在だよ」

あの日を迎えるまで、僕らはまだ蜜月の時を過ごしていた。
相手に理想を見、現実を忘れるからこそ恋は燃えるものだったのか

ホームページを立ち上げた後の更新日記より
エヴァに関する行動を抜粋。
まずは、夏映画公開直前までの様子を紹介。



4月 4/25エヴァは金になる 4/27作画監督

5月 5/5オウムアニメ 5/26テーゼはいかん 5/277月号読感 5/31MAGIUS EVA RPG2

6月 6/8彼岸 6/16ブリーフ 6/268月号読感 6/28電波少女 6/30やばい

7月 7/2現世希望 7/7抱き枕 7/11映画予想 7/12DEATH変更点 7/14赤毛のアン 7/15脚本集 7/18前夜

1997年4月25日(金)

 ガイナにEVA映画の感想を送ったら、どこかの編集の人が本作るから投稿してくれ、とメールを送ってきた。なんか、お気楽な情報の集め方だなあ、と少し呆れた。EVA周辺は今、「金」になるから、いろいろな動きがでている。私は純粋にEVAとその周辺に関わるのが楽しいだけである。もし、ネタが欲しいならば、1週間、寝ずにホームページをめぐれば、頭がぱんぱんになるぐらい、あらゆるネタがたまっているだろうと思う。まだまだ、膨れゆくEVAの世界。楽しみはこれから、なのかもしれない。(17:42)

1997年4月27日(日)

 本屋で、少年エースをみつけた。エヴァンゲリオンのコミック版が載っているので気になって買ってしまう。先月買って後悔したのに……また愚を。
 アニメ版とコミック版とは当然微妙に内容が違う。それは当たり前なのだが、時々、テレビに対するアンチテーゼのように見える部分もあったりして、なかなか油断できない。マンガを書いている貞本義行氏は本編のキャラクターデザインをした人だから、絵に違和感はまったくない。
 いや、回によって微妙に顔が変わるテレビと違って、安定した筆致のマンガの方が「作品」しての外観はよく整っている。

 EVAを知るまでアニメなどあまり見なかったので、知らなかったのだが、
回ごとの画面の雰囲気(顔や動き)などを統括するのは「作画監督」という人であるらしい。作画監督が違うと、キャラの顔つきも変わる。
 注意して作画監督とその回を見てみると、確かに「癖」のようなものが、それぞれにあるのが分かる。ちなみに、EVA本編では「鈴木俊二」氏と「本田雄」氏が一番出来がよい。実際二人はメイン作画監督としてオープニング画面も担当している。基本は鈴木氏だが、本田氏の何故か顔に激しく線が書き込まれる絵もかなり好みだ。
 昔のアニメでは、結構こういう「線」が沢山ついていたように記憶している。 この間、夜中に「あしたのジョー2」(映画)をやっていたが、ものすごい線の動きをしていた。線が増えると動画として動かすのが難しいのだろうが、ともかく熱さ度が上がる。この「ジョー2」は、テンポも早く、動きも格好いいし、名作だと思った。このエッセンスはEVAなどにも継承されていると感じる。

 マンガに戻ると、今月号のラストは、勝ち気で二重人格な少女アスカと、根暗な主人公シンジが特訓のため同じ部屋で五日間暮らすことになる、という所で終わっていた。
 テレビ本編では、二九歳の美人上司ミサトさんのアパートで暮らすことになっている。しかし、マンガの中ではなぜか、基地内部の一室でということに変更してある。しかも、その部屋、どう見てもシティーホテルのツインルームにしか見えない。ホテルで缶詰。ううむ。なんか、別の展開を予想する。大体、二つベッドが並んでいるという構図が怪しい。
 テレビではリヴィングルームに布団を引いて三人川の字になって眠っていたが……。
 マンガはストーリー的には本編に準じているので、展開は明かだが……いや、貞本さんは何かやってくれそうな気がする。期待しつつ来月を待とう。
(7:32)

1997年5月5日 (月)

 竹熊健太郎氏の熱いEVAへの信仰告白ぶりに、思わず雑誌「QUICK JAPAN」を買ってしまう。私は、この手のサブ・カルチャーにはとんとうといのだが、一読して……「病んでる」と感じる。決して、違和感のある病み方ではないが、「狂気が格好いい」という通底に流れるポリシーには、あまりついていきたく無いものを感じる。狂気は、怖いものである、と私は思っている。それは狂気を感じれば分かる。しかし、どうもこの雑誌の記事を読んでいると「狂気」を肯定するばかりか積極的に求めているような錯覚すら覚えてくる。そんなにみんな狂いたいのだろうか。
 それでも、巻末の「元オウムアニメーターの告白」は面白かった。インタビュアーはあの岡田斗司夫氏。過酷な状況の中で、手作りでアニメを作り続ける当時のオウムアニメーターに氏はすっかり感情移入してしまう。氏もまたアマチュアアニメ界の星として似たような経験があるからだろう。やたらと、テクニック的な所をほめていた。オウムを見ると時代が分かるというが、このインタビューを読んでいてそんな気がした。松本知子氏による現場を知らぬ注文。アニメーション制作という10人ほどの空間にもできあがる嫌な、人間関係。この宗教団体の中には日本の縮図があるというのは本当だ。
 オウムは女性信者に対して、男は野獣だと教えていたという。例外はもちろん麻原だけ。呆れも果ても尽き果てる。だが、こういう身勝手さもまた誰もが一度ならずもとりつかれる妄想であるから、始末に負えない。オウムというのは、本当、直視するのが辛い人たちである。だが、だからこそ無視してはいけないかもとも思う。(5/6 1:48)

1997年5月26日 (月)

 くくくっ(含み笑い)。
 昨晩、上の妹がついに「EVAの単行本を貸して」と言ってきた。これまで、エヴァのビデオを見ていても「興味が無い」と、席を外していたというのに。私の部屋から3巻全部持っていった……。
 あえて、強く薦めることはせず、「ま、暇な時見れば」という態度をとりつづけた結果……自主性を尊重し自然と興味を起こさせ、いざとなったら援助は惜しまない。これぞ教育の神髄(意味不明)。

 伏線はあった。
 昨日の昼間から、何故か下の妹と上の妹が「残酷な天使のテーゼ」と「魂のルフラン」を大熱唱していた。下の妹は既にエヴァジャンキー化しているのでともかく、上の妹までしつこく曲を聞いているのがあやしかった……。

 正直言うと、私はあまりこの歌が好きではない。「私に帰りなさい。生まれる前に」とか「思い出を裏切るなら」とか。
 怖いじゃないか。
 まあ、「ルフラン」の方はそれでも、わりとリズムがいいので聞けるが、「テーゼ」はいかん。

 初めてオープニングで聞いた時のけぞりそうになった。歌詞はともかく、いかにもロボットものっぽい曲に聞こえたからだ。恥い、というやつだ。
 エヴァについては前知識として、「普通のロボットものと違う」「シビア」という意見を聞いていたので、こんな直球のオープニングには意外であったのだ。
 しかし不思議なもので、下の妹(女子高生)などは、最初、本編以上にこのオープニングにはまっていた。
 「『残酷な天使のテーゼ』には、ミサトのヌードシルエットが無くちゃ駄目!」と、訳も分からぬことを叫び、ビデオのオープニングを毎話ごと、律儀に見ようとしていた。
 ところが彼女、エンディング曲の「FRY ME TO THE MOON」は嫌いらしい。綾波が裸でくるくる回っているのが気に入らないという。いつも早送りをしている。よくわからない。

 それにしてもよく、あの2曲だけをそれぞれ連続して5、6回も聞いてられるよな。君たち、おかしいぞ。しかも熱唱してるし。


 まあ、ともかく、こうしてエヴァにはまる人が増えてゆく、と。「一から始めるエヴァンゲリオン」に書いた通り、やはり初心者にエヴァを薦めるのにはマンガが特によいようだ。……私の回りだけという可能性もあるが。

1997年5月27日 (火)

 さて、昨日は昼に月刊エース7月号を本屋で見かけ、驚き、家に帰ってから、急いでレポートを書き上げました。

 さて、上に述べた月刊少年エースのレポートですが。一日経ち、冷静になると、少し違う考えも生まれてきた。アスカの父は、ゲンドウでも冬月でも無く「ミサトの父」ではないか、と思えてきたのだ。
 確かミサトの父は葛城博士と言って、セカンドインパクトの際死んだとは言え、S2機関という、フリーエネルギー理論のようなものを発見した大科学者だ。
 その葛城博士が、研究費捻出のために精子バンク登録したと考えるのは、わりと自然だ。
 また、物語的にも、天涯孤独だと思っていたミサトとアスカが姉妹だったと気付く展開はなかなか美しいでは無いか。二人は性格も似ているし、実際テレビ本編でもかなり姉妹っぽかった。これが、まあ、順当かな、と。

1997年5月31日 (土)


 後悔。
 本屋で「MAGIUS エヴァンゲリオンRPG2 使徒接近(580円)」を手にし、どうしようか思いつつ一応買う。前作は買っていないが、なにやら「ソロプレイ」とあるので、そこそこ遊べるのかも……まあ、最悪、レビューのネタぐらいには使えるだろう……、と。
 で、読む。

 はにゃ?
 あまりのひどさに呆れて、我が身の愚かさに苦笑すらしてしまった程。「こんなの俺でも書ける……いや、誰でももっとましなこと考えるぞ」
 ちゃんと、コーナーを作ってそこで話そうと思ったが、もう気力も失せた。 ソロプレイとあるが、ただ、11のエピソードのネタを順番に並べ、サイコロ振って成功判定して、その結果を「文章」でやはり順番にならべているだけ。そして、その結果が滅法面白くない。
 大概、レイがらみでアスカが怒る。シンジがとまどう。レイはすましてる。そのことだけを延々繰り返しているのみ。しかも、文章もほとんど使い回し的で、微妙に最後が変わるだけ。マルチエンディングとか言っても、肝心の基本ストーリーがつまらなくてはどうしようもない。2nd Impressionぐらいのストーリーを期待していたのだが。
 はっきり言ってweb上のエヴァ小説の90%以上はこの本より面白いはず。こんなものに金を払わせる「深海工房」なるきゃつらは詐欺師同然。わずかにちょこちょこあるイラストぐらいしか商品価値なし。いっそ、俺が自分でゲームブックにして書き直してやろうか、とすら思った。それぐらいひどい。
 ともかく、結論。
 「買うな」
 これだけです。立ち読みするのは構いませんが金まで払ってこんなアコギな便乗商売に協力することはありません。ああ、冒頭で「レイとアスカとシンジが同居」するとかあるので反応した自分が恨めしい。最低だ、俺。(4:53)

***

 上のマギウスRPG。もう少し頑張って丁寧に読んでみる。ソロプレイがほぼ9割近くを占めているのだが、巻末の方にマルチプレイの遊び方が書いてある。ゲームバランスへの考慮の丁寧さからみて、おそらく、ここがメインの記事なのであろうと、私は推察する。しかし、それでは雑誌の記事にはなっても、単行本にはならない。……そうだ、ソロプレイを足せば枚数を稼げる。それに、イラストもちょこちょこつければ……イケる!!

 全然イケて無いのだが、ともかく、このマルチプレイ、結局前巻と同じく、使徒と戦うだけのゲームなんである。やはり、エヴァの暗い精神世界を、RPGにするのは難しいのかも。だからこそ、アドヴェンチャー形式のゲームに期待をしていたのに。

 元テーブルトークRPGゲーマーの一人として、私は、わりとマギウスというシステム自体は評価していたりもする。確かに、昔あったゲームブックのシステムを応用しただけで独創性は無いが、これだけ市場展開できれば立派である。それに、簡単が故に、遊ぶプレイヤーが色々工夫できるのがいい。システムが複雑になり、システムに忠実になろうとする遊び方というのが私は苦手なので、プレイヤーがシステムに自覚的になれるゲームに好感を持ってしまうのである。
 ただ、苦言を申すなら。もういい加減、サプリメントに「スタートブック」を買ってください、と書くのは止めたほうがいい。あのスタートブックはお世辞にもできは良くないし、また、ルールの根幹は数頁で説明できるぐらい、シンプルなものなのだ。
 ……なんだ、結構書けるな。機会があったら、マギウスというシステム、テーブルトークというゲームをとりまく環境、などについても踏まえたレポートを書いてみるかもしれません。もっとも、エヴァ者も含めた大多数の方々にはテーブルトークRPGには馴染みは無いだろうから、それをも視野に含めたかなり、大雑把な展望にならざる得ない。結構大変、かも。まあ、気負うとロクなこと無いので、一応考慮している、とだけ述べておきます。
 そういえば、どこかでエヴァRPGのレポート書いている人いたな。ブックマークには入れてなかったから、また探しにいって、チェックしておかないと。
やっぱ、これは大変そうだ。

1997年6月8日 (日)

 先日、久々に友人のSと会った。
 エヴァ日記の冒頭でほとんどメフィストのごとくビデオを持ってあらわれたあのSである。
 「おまえのホームページみたよ」
 「どう?」
 「おまえもとうとう『あっち』へ行っちゃったのな」
 「……」
 Sは自らビデオを貸すような行為をしながら、エヴァにはわりと冷淡だった。人に火をつけておいてそれは無いだろうという所もあるが。


1997年6月16日 (月)

 週刊アスキーの岡田斗司夫氏の記事で、デブ専ホモの方々が撮ったエヴァ最終回の自主フィルムというのが紹介してあった。全員ブリーフ一枚の肥満体。椅子に座らせなにやら責め立てたりしている。嫌な感じであった。(23:36)

1997年6月26日 (木)

 本屋に言ったらエース8月号が売っていたので買ってしまった。
 一応レビューしてみましたが、慌てて書いたせいか、論旨がこんがらがっています。自分でも今一つ意味不明ですが、こういうものは速報性ですから。
 日記を見ている人だけに教えておきますが、今回のエース8月号読感のソースの最後をちょろっと見ると、おまけ情報が引き出せたりします。まあ、大したもんじゃないと言われればそれまでのものですが……。
(18:51)

1997年6月28日 (土)

 日記に書くべきじゃないのかもしれませんが、日刊アスカに連載中の「電波少女」という作品。ずっと読ませていただいているのですが、展開が無茶苦茶自分ごのみで時折、自分の頭の中身をのぞかれているんじゃないかと思うほどです(まさしく電波)。
 一応、エヴァのパロディ小説なのですが、「性的虐待を受けて精神病棟にいた少女と、マザコン・シスコンのしかもトラウマ持ちの駄目青年との泥沼恋愛話」を本気で書いてるんですよね。
 もちろん、随所に作者・本田さん一流のブラックジョークがちりばめられて笑えるのですが、段々話がシビアになってゆき、最近の数話は笑えるどころか泣きまくりです。それも、湿っぽい泣きじゃなくて、「もう泣くしかないだろう」という精神的号泣状態で、どうやって物語が終わるのか心配で見てる方がおろおろしてくるほどです。
 本田さんは精神分析に詳しい方で、その手の知識も勿論豊富ですから、ギャグがギャグ足り得なくなるほどに背骨がマジです。26日に10話が公開されましたが、またしても泥沼状態……。

 ちなみに私はトラウマというのは「治癒」できないものだ、と思っております。そうじゃなく、それはそれで後はそれにどうつきあうか、ということしかできないのですよね。本田さんもそのようなお考えのようなので、ますます心配でして……うう、また泣けてきた。

1997年6月30日 (月)

 かなりやばいって感じです。
 先日、大学のゼミ・OB会の連絡のため後輩の所へE-mailを送ったら「森川さんてエヴァンゲリオンのページやってますよね。見てます」との返事が。
 って、おい、ばれてんのか。
 いやあ、こんなページやってるなんて教授に知られでもしたら……ああ。
 ひっそり(?)やっているつもりだったのに、やはり本名での活動は控えるべきだったのか。Oくん、頼むよ。内緒にしててね。
 ゼミの何人かがエヴァにはまっているとのタレコミもいただいた。皆アスカ萌えらしい。そうか、そうか。でも、みんな堅実にやっているよう。こんなWebに精を出している私って一体……。

1997年7月2日 (水)

 昨日の昼頃。
 なぜか部屋の隅でメモ用紙を見つけた。パラフィン紙でできた薄いぺらぺらのやつだ。町内会会長が趣味で作って配ったものの一つである。
 ボールペンで書き味を試している内に、何かをなぞりたくなってきた。
 ふと見ると、レビューの為においてあった「少年エース8月号」がそこに。
 いけない。
 それはやっぱまずいだろう。
 心とは裏腹に手が伸び、ページは繰られる。
 何故かヒロイン、惣流・アスカ・ラングレーがレオタード姿で踊っているシーンが目に入った。何故か、メモ帳のページを一枚破る。何故か、その彼女の絵の上に載せられ……。
 イヤーー。
 ……気付くと4枚も。あたりをつけるような感じで勢いよくなぞったせいか、我ながら躍動感が感じられる傑作に……って違うだろ。
 まずい。
 ハタチもとうに過ぎた男が、今更こんなオタクなことに目覚めるとは。中学の時友人とのつきあいで「クリーミーマミ」の映画公開初日の舞台挨拶に行き、たっぷり後悔したあの経験を忘れるな。
 ……いや、あの友人は今や就職してなぜか私の高校時代の同級生とつきあっていて、なんか結婚を考えているという話も……って、これは関係無いか。
 しかし、捨てるのも忍びず、つい本棚の隙間に無造作に差込み……ああ、誰か私を現世に返してくれー。

1997年7月7日 (月)


 エヴァンゲリオンキャラクターの缶コーヒーを発売し始めたUCCが、抽選プレゼントとして「抱き枕」を用意した。
 缶型。全長1メートル20センチ。そしてその缶には等身大の綾波レイのイラストが……。

1997年7月11日 (金)


 下の妹、試験終わって気が抜けたと思いきや、眠いのかまだいらいらしているよう。もっとも、さっき「友達がエヴァの前売り券買っておいてくれたんだ。持つべき者は友達だよね」なんて言ってたから、それなりにはリラックスしてるのだろうが。あ、俺はまだ前売り買ってねえや。
 雑誌ニュータイプ今月号で今度の映画のカットらしきものが数点掲載されていました。

 前作REBIRTHの部分もアフレコしなおし、追加シーンも増え、全部で90分以上になる新作「air/まごころを君に」。どうなることやら。一応、予想記事私もしてみようかな。私としてはどんな結末でもかまわないし、心地よく裏切って欲しいと思っていたので沈黙を守っていたのですが……。

 簡単に言えば、登場人物がばたばた死んで、シンジが絶叫、サードインパクト発生。虚空の空間でレイと会話するシンジ。黒い月が降りてきてそこに祈りをささげるシンジ。
 そして広がる広野。
 シンジが最後に祈った世界とは……。希望か、はたまた絶望?

 てな感じのかなり漠然としたラストになる気がする。そう、最後に誰かが背後からシンジの名を呼ぶのだ。そして振り返る。そしてそこに笑顔を浮かべ……。って、無茶苦茶逃げた演出だなあ(^^;

1997年7月12日 (土)

 本屋で、春に公開されたエヴァンゲリオン総集編「DEATH」のフィルムブックを発見。速攻で買って帰る。
 今ざっと読んでみたのだが……うむむこうして見ると総集編で追加したり描き直したりした部分がはっきり分かる。

 例えば、4話のラスト。主人公の少年碇シンジとその基地での保護者葛城ミサトのホームでの再会シーン。

 エヴァに搭乗することを拒み、家出するシンジ。二日もの間、町を山をひたすら徘徊し続けた後、基地諜報部員に発見、連行されてしまう。
 身分証の削除。
 そして「先生」の元への強制送還が決まる。
 軍用列車が新箱根駅に入る。
 促されるシンジ。
 見送りに来た二人の男子生徒。
 ベルが鳴る。
 と、そこへ青のルノー(改)がエンジン音を立てて滑り込む。
 揺れるパンタグラフ。
 車から降りるミサト。
 発車する列車。
 それを見送り、彼女はうつむく。
 が、突然顔を上げる。
 ホームを見る。
 そこにはスポーツバッグを片手にうつむいているシンジの姿があった。
 線路を挟み、ホームと車道で見つめ会う二人。
 構内放送のアナウンス。
 シンジが決意したように口を開く。
 「……ただいま」
 ミサトは顔を和らげ答える。
 「おかえりなさい」

 ……えー長々と引用してしまいましたが(^^; この最後の見つめ合う二人のシーンが全部描き直されているのである。
 具体的には、
 1・背景がよりソフトフォーカスになり、光の具合がやや幻想的になっている。
 2・人物の表情の動きがより微妙になり、笑顔が大人びて見える。
 などなのだが……。
 こだわり方が尋常では無い。
 ううむ。またDEATH&REBIRTH見たくなってきた。
(20:01)

1997年7月14日 (月)

 赤毛のアンを読んでいた。さっき読了した。思う部分はたくさんあるのだが、後半、急にアンが成長して妙に読後感はしみじみさせられた。そして、なるほどこういう本があって、いわゆる今にまで続く少女もののパターンができたのか、と感じ入る。アンの性格とかもろに宮崎駿的であった。明るくて、けなげで、活発で、感情的で。
 しかし、ラスト。
 ブラウニングの詩「神、天にしろしめし、世はすべてこともなし」で締められているのだが、これってエヴァの特務機関ネルフのマークにも書かれていた言葉だよな。
 結局エヴァに戻ってきてしまうのか。

1997年7月15日 (火)

 告白せねばなるまい。
 実は私今まで、EVANGELION ORIGINAL、つまりエヴァの脚本集を持っていませんでした。なのに「一から」で偉そうに紹介などしていました。すいません。

 しかし、ついに昨日、ほとんど衝動的に三冊買ってしまいました。
 一冊1000円。3冊3000円。
 財布を開くときっかり1000円札が3枚。
 30分、ぐるぐる本屋のフロアを回った上、決断。
 電車の中から読み始めたのだが存外面白い。かなり自分の中で謎だったシーンも理解できた。また、実際の作品との相違点は、ビデオを腐る程見直している私には想像以上に新鮮なものに思えた。ちょこちょこと立ち読みはしていたのだがこうして三冊一気に読み通すとなかなか感慨深いものがあり。

 また「エヴァンゲリオンスタイル」も立ち読みしかしていないが、コクピット(エントリープラグ)のフレームのデザインが両手を広げたエヴァの形を抽象化したものという指摘にはびっくりした。スタッフはそんな所まで凝っていたのか。画面じゃ全然分からないのに……。

1997年7月18日 (金)

 エヴァの映画、今日先行レイトショーか。どうしようかなあ。昨日からあんまり寝てないし、眠っちゃいそう。


「うそだ うそだ うそだ! そんなの…ウソだ!」

「でも、事実なのよ」

「その後のエヴァ日記(2)破局」へつづく



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